心の風景 認知的体験

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2014-02-02 | 心の体験的日記
●認知的体験(  )02/2/10海保

「いよいよ花粉症がはじまる」

通販で買ったマスクを1日つけてみた。息の苦しくない空け空け(すけすけ)のマスク。これで花粉が防げるのかナー。一個、2千円もするのだから効果があるはずとの思いで買ったのだが。もし効果があれば、テニスもできるかも。

●認知的体験03/2/21海保

「待ちに待った花粉症か?」

昨日、保健センターで花粉症の薬を処方してもらった。今日は、さすがに、せき、くしゃみ、目のかゆみ、そして、一番つらい鼻づまりが出てきた。ただ、薬のおかげか、症状は軽い。この程度でいければしのげそうが、そうはいかないかも。やはり、そう簡単には免疫にはなりそうもない。マスクもしたほうがよいか。

●今日の箴言、名言集 03/2/22

「私の知識は増えるが、私の無知の増え方はもっと速い」

「一番重要な知識は何が知らないでいいことかを知ることである」(N。ボルツ「世界コミュニケーション」(東大出版会)

●今日の箴言、名言集 03/2/13

「理性を超えるものが無限にある」(パスカル)

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コンピュータがもたらした現在の知的環境の3つの変化

2014-02-02 | 認知心理学
コンピュータがもたらした現在の知的環境の3つの変化 

1)誰もが情報発信者に

  小学生でもインターネット上のHPで不特定多数に発信

2)仮想世界の肥大化

  仮想世界の4つの特徴

   ・現実世界の一部を拡大・強調する--編集機能の高度化

      見せたい現実だけを劇的に見せられる

   ・思惟世界を見えるようにする--情報のビジュアル化

      星の動きもシミュレーションできる

   ・多彩かつ臨場感のある間接経験を提供する--間接経験の豊潤化

      けんかも仮想世界で

   ・時間的・空間的な制約が緩い--制約の緩和化

      いつでもどこでも

3)情報の保存、流通の大規模・低コスト化

  「ギガ」(10億)単位での情報保存と流通がお茶の間に

頭の良さは遺伝的に決まっているのですか

2014-02-02 | 認知心理学
Q1・9「頭の良さは遺伝的に決まっているのですか」---遺伝・環境問題  

頭の良し悪しだけでなく、心の働き全般にわたり「遺伝か環境か」は、心理学の古くて新しい問題の一つです。と同時に、昔から世の中の強い関心を引き続けてきている素朴心理学の問題の一つでもあります。だからこそのこの質問だと思います。  

したがって、質問の「頭の良さ」についても、心理学の中にも世の中にも実に豊富な知見が蓄積されています。しかしながら、遺伝か環境かの2者択一の質問に対して、どちらですとうっかり答えるわけにはいきません。なぜなら、この問題が持っている社会的なインパクトが大き過ぎるからです。  「ある能力が遺伝に規定される」と言うと、それはただちに、運命論的な対応につながります。  

つまり、知能が遺伝的に決まっているなら、知能の低い人はもはやそれを高める努力を放棄したほうがよいことなります。極端な話、知能の低い人への教育的な働きかけは無用となりかねません。こんな空恐ろしい話につながりかねない論争がかつてアメリカでありました。  

アメリカで人種差別をなくそうとする公民権運動が盛んだった六十年代中頃に、黒人などの少数民族と白人の知的能力の違いとその教育をめぐっての大論争です。  

1965年、ジョンソン大統領のもとで、ヘッドスタート(head start)計画がはじまりました。(なお、TV番組でおなじみのセサミストリートは、この計画の「反省から」はじまったものです。)少数民族であるがゆえに幼少時に劣悪な教育環境にさらされていることがその後の知的能力の陶冶に不利になっているとして、幼少時にさまざまな教育的刺激を与えようという計画です。  

結果的にはあまりうまくいかなかったこの計画に対して、A.ジェンセンは、知能の80%は遺伝によって規定されていること、黒人は、機械的記憶と感覚運動的知能は勝れているが、抽象的能力では白人に劣ることと主張し、こうした知的能力の特性への配慮を欠いた補償教育は、無効であるとの論陣をはりました。  

しかし、A.ジェンセンの主張「知能の遺伝規定は80%」もその数値の根拠はそれほど明確なものではありませんでした。そもそも算出のもとになる知能検査そのものが、白人に有利な問題から作られている(検査の文化依存性問題)のではないかという議論からはじまって、遺伝規定性の計算方法への疑問などなど、実にさまざまな研究上の疑問が提起されました。  

残念なことに、それを科学的に決着をつけるパワーは心理学にはありません。というより、どんな科学にもありえないと言ってもよいかもしれません。  もう一つの大問題は、そもそも、その研究がどんな意図を持って行なわれたかということがあります。  

A.ヒットラーが、ユダヤ人迫害の論拠に人種の優劣を持ち出して以来、こうした問題は、事の真実性よりも、その研究がどんな意図のもとに行なわれるかに厳しい目が向けられるようになりました。  

今話題になっている、クローン人間の問題と軌を一にする問題です。科学は、社会的な活動の一つに過ぎません。もろもろの社会的な活動から切り離された活動であってはなりませんから、なんでもどのようにでも研究できるわけではありません。その点を忘れてしまうと、とんでもないことが科学の名のもとに行なわれてしまいます。  

ちなみに、ジェンダー(社会的性差)心理学でも、これに類した似論争が発生しがちです。

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心の実験室(  )「氏か育ちを考える」 左側に並べてある諸特性について、それが遺伝によるか、環境によるかを5段階で判断してみてください。 *****図は、別添
「解説」  日本人大学生579人の平均値は、次のようになっています。 (1)3.8  (2)2.5(3)2.0(4)2.8(5)4.0(6)2.9(7)2.5(8)4.4  この値を図に入れて、あなたの判断と比較してみてください。ズレの大きい項目については、何がそのように判断させたのかにも思いをはせてみてください。素朴心理学の知識がどのように作られるかの一端がわかるはずです。  なお、この平均値を高いものから順に並べてみると、日本人の遺伝観の特徴がみえてきます。同じ調査を台湾人に行なったものと比較すると、日本人のほうが、すべての項目について環境重視の傾向がうかがえるそうです。 (杉原一昭ら、1982、「発達観に関する一研究」筑波大学心理学研究、4、69-76、に基づく)