2012年6月19日更新
職場の人間関係の悩み
相談者:営業/25歳/男性
先輩から部活に参加しろと強要されて困っています
悩み:
就職難の折り、苦労して入社した会社はモロ体育会系。社内は部活が盛んでフットサルや野球など、週末になれば何らかの練習や試合が行われています。飲み会も多いです。
仕事は車での営業回りです。朝6時に起きて出社し、そこからルートセールスに回ります。担当エリアが隣の県のため、移動に1時間2時間かかることも当たり前で、結局帰りも深夜となってしまいます。その積み重ねのせいか、入社数年で心身ともに疲れきっているのを感じます。そういう状況なので土日はゆっくり休みたいのですが、先輩からしつこく部活や飲み会に参加しろと言われて困っています。また、自分はあまりスポーツが得意ではないし、人の輪に加わるのも苦手です。
週末に疲れてしまって、月曜からの仕事に支障をきたしたくないと思う自分はわがままなのでしょうか?また、こういう場合はどうすればうまく面倒を回避できるでしょうか?
この相談には海保カウンセラーがズバリ答えます!
お答えします。
●会社でも部活ですか、うーん
問題は、関連した次の2つですね。
一つは、長時間勤務による疲弊。
もう一つは、週末の「部活」への参加強要。
いずれも、労働法規からすれば、堂々と、拒否できることですね。でも、それをするには、社内での孤立、最悪、失職のリスクもある。さてどうしたらいいか、という相談ですね。
最初のほうが大事な問題のように思いますが、それにお答えするには、情報不足ですので、ここでは、先輩(上司?)による週末の「部活」への「参加強要」にしぼってお答えします。
●「モロ」体育科系って?
あなたの周りのスポーツ好き、アルコール好きの方々にとっては、こんなに愉快で気持ちのよい会社はない、しかし、スポーツ嫌い、飲み会嫌いのあなたにすれば、いい加減にしてほしい、ということですね。
よくわかります。私は、いずれも好きですが、それでも、習慣的、いや強制的なそうしたつきあいはごめんです。
「モロ体育会系」の人々の特徴の一つは、のりのりのパフォーマンス優先であまり人の気持ちにまで配慮しないことだと思います。そして、スポーツは全面的に善、スポーツしない/できない人はかわいいそう、だめ人間という信念さえあるように思えます。
でも、スポーツ嫌い、スポーツだめ人間がいることは確かです。そういう人間に無理強いはパワーハラスメントの色合いさえあります。
●ネガ・ポジとりまぜての対応
さて、そういう先輩に対してどう対応すればよいか。
まっとうな対応としては、正直に、最近、仕事で疲れてしまいからだがもたない旨、先輩に話してみることですが、これはすでに試みたのでしょうか。
さらに、会社あげてのモロ体育会系の雰囲気のようですが、それでも、あなたの思いをわかってくれる人が回りにいませんか。きっといるはずです。まずは、そういう方々にあなたの思いを伝えてみたらどうでしょうか。
「モロ体育会系」の良さの一つは、善意、ポジティブなこと。もしかして、わかってもらえるかも。
ここからは、ネガティブ、ポジティブな対応になります。参考になれば幸いです。
ネガティブな対応としては、ここは、あなたの心身の健康いじのためには、もっともらしい言い訳、いや嘘を編み出して、先輩に対抗するというのはどうでしょうか。嘘、言い訳も身を守るための方便です。
親が病気、彼女ができた、土日資格試験勉強、などなど。
また、飲み会については、身体不調で飲めない宣言をしてはどうでしょうか。最近は、アルコールの無理強いはだめのキャンペーンもありますから、こちらはこれでいけるように思います。
急にそういう宣言をするのが不自然なら、ここは、医者に止められているから、の嘘もありです。
しかし、ネガティブな対応は、かりに一時的にはうまくいっても、いずれゆきづまるかもしれません。そこで、あなたの気持ちをポジティブにするために、こんな対応はどうでしょうか。
気持ちだけ参加させていただくというやり方です。
たとえば、ここ一番の試合や飲み会では、応援やビール券、会費などの差し入れはどうでしょうか。やや気の使いすぎのようなところがありますが、これがうまくいけば、社内孤立を防げるかもしれません。
●休息の自己管理は心身の健康に必須
仕事について3年目。3割の新入社員が3年で辞めるといわれています。
3年間頑張ってこられて、ここにきて、こういう問題があらためてあなたの負担になってきているのは、夢中でやってきた3年の疲労が蓄積してきているからだと思います。仕事に慣れてきて心に余裕ができて、あらためて今の自分を内省できるようになったこともあると思います。
まだ先が長い会社人生です。
今後のためにも、休息管理は極めて大事です。あなたの今後の飛躍のためにも、逃げの姿勢ではなくーー体育系の言い方になってしまいそうですが(笑い)――ここは心を強くもって、前向きに対処してみてください。
それができるためには、一層、仕事に励み、業績をあげることも忘れず。