「科学的」な質的研究の嚆矢
「科学的」心理学の歴史のなかでは、質的研究が一定
の正当性をもって採用されたのは、認知科学研究の技法として、サイモンらが思考発話法(プロトコル分析、1984)を使って見せたときからではないかと思う。
実時間の言語報告なので多彩なノイズを含んだデータとなる。それが、科学的なデータとなりうるためには、ノイズ除去のための強固な道具が必要になる。
その一つが、作業内容の論理的分
析である。もう一つが、人の問題解決のモデルである。サイモンらは、この2つの鏡を巧みにつかうこと
で、プロトコル分析の地位を「科学的」水準にまで押し上げた。
「科学的」心理学の歴史のなかでは、質的研究が一定
の正当性をもって採用されたのは、認知科学研究の技法として、サイモンらが思考発話法(プロトコル分析、1984)を使って見せたときからではないかと思う。
実時間の言語報告なので多彩なノイズを含んだデータとなる。それが、科学的なデータとなりうるためには、ノイズ除去のための強固な道具が必要になる。
その一つが、作業内容の論理的分
析である。もう一つが、人の問題解決のモデルである。サイモンらは、この2つの鏡を巧みにつかうこと
で、プロトコル分析の地位を「科学的」水準にまで押し上げた。