---鑑査の方法をルール化している薬局もありましたが、ルール化は、した方がよいのでしょうか。
海保 ルール化は、確認の大事さを全員で共有するという意味では重要です。「調剤と鑑査は別の人間が行う」といったルールであれば、組織としてのマネジメントにもつながります。
ただ、ルール化してしまうと、すぐに慣れてしまい、例えばダブルチェックをしても、それが機能しなくってしまう場合があります。彼がやったんだから自分はいいやとか、彼女がやったなら間違いないだろう、とかいうものです。責任が分散してしまうのです。
これは、心理学の世界では「社会的手抜き」とか「フリーライダー」(ただ乗り)とか言います。人間は横着な存在です。意識せずに力を抜いてしまうのです。しかも鑑査は、1000回に1回くらいしか起こらないミスを見つけることが目的なわけですから、自分だけに責任がないなら、ついついて手抜きをとなりがちです。