PART5「伊豆の踊子」はこちら。
いわゆる『百恵映画』は以下のとおり。共演者はほとんど三浦友和だ。
伊豆の踊子 74年12月26日 併映「エスパイ」三浦友和
潮騒 75年4月26日 併映「お姐ちゃんお手やわらかに」三浦友和
絶唱 75年12月20日 三浦友和 66年の舟木一夫、和泉雅子リメイク
エデンの海 76年4月24日 南条豊(友和は併映の「あいつと私」に)
風立ちぬ 76年7月31日 三浦友和
春琴抄 76年12月25日 三浦友和
泥だらけの純情 77年7月30日 三浦友和 併映「HOUSE ハウス」
霧の旗 77年12月17日 三浦友和 三国連太郎 併映「惑星大戦争」
ふりむけば愛 78年7月22日 三浦友和 初のオリジナル
炎の舞 78年12月16日 三浦友和 能瀬慶子デビュー
WHITE LOVE 79年8月4日 三浦友和
天使を誘惑 79年11月22日 三浦友和 恋人宣言後初の映画 監督藤田敏八
古都 1980年12月20日 三浦友和 監督市川崑 二役
……封切り日を見てもらえばわかるように、70年代後半、東宝は夏休みとお正月のほぼすべてを百恵=友和映画でしのいでいる。
当時は確かに映画産業がどん底で、定番商品(松竹→男はつらいよ、東映→トラック野郎)でしか稼げない時期だったから、東宝は山口百恵に足を向けては寝られないはず。そんな時期に邦画に目覚めたわたしだけれど、さすがに百恵映画はあまり観ていない。DVDで最近観た「霧の旗」の他に「春琴抄」「泥だらけの純情」ぐらいだろうか。それだって併映作目当てだったしね。
でも女性たちにはうけていたようだ。「泥だらけの純情」を酒田港座で観ていたとき、となりにすわったOLが、盛大に泣きはじめたのにとまどったおぼえがある。このベタな展開で泣くかよ、と思いつつ、しかしこのベタさをなめてちゃいけないんだと思い知った。あの、大映テレビの「赤いシリーズ」人気も百恵伝説のひとつなのだし。PART7「Rの女」につづく。