日照り続きで、給水制限が行われている地方都市で、水道料金を徴収する市役所職員。最後の手段として、料金を払わない世帯は停水執行されてしまう……
このシチュエーション自体がかなり考えてある。水がシンボライズするものとはなにか、水を止める行為によって、止めるほうの心も渇いていく。
なんか学校事務職員の集金未納対策にも似ていてしんどくなる。公立の学校だから停水のような強力な手段はないわけだけど、この市職員のように追いつめられることも少なくないかも。
コンビで徴収にまわるのは生田斗真と磯村勇斗。この人たちは作品選択が絶妙だし、このふたりをキャスティングした製作者のセンスもすばらしい。
東日本大震災のときに、大規模な停電のあとに、通電していく経路が不自然だと住民は感じたわけだけれど、あれは“水道を復旧させるために通電を急いだ”らしい。人は水がなければ生命の危機に陥るわけなので。
だから生田斗真たちの行動はとても重い。そして彼らは、母親(門脇麦)からネグレクトされている姉妹と会ってしまい、それがきっかけとなってある行動を起こす。
すばらしい作品でした。これだけの脚本が十年も映画化されなかったというのが不思議だ。
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