保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川下り、フイルムコミッションの可能性

2005-10-27 01:08:29 | 角倉プロジェクト・世界遺産事業
先日、川を下っていたら
時代劇の撮影現場に遭遇しました。

ロケが行われていたのは、川下りの
行程では約3分の2が済んだ地点にあたる
‘落合’と呼ばれる場所でした。

この落合は紅葉の名所・高尾から流れてくる
清滝川と保津川が合流する場所で、
大きな岩や断崖が連なる美しい峡谷地です。

ここ場所では、日本及び世界の映画やテレビの
ロケ地に頻繁に行われている所で、このブログを
お読みの全国の皆様方も見覚えが
ある場所かも知れないですね。

過去、ここで行われた番組を挙げると切りが
ないのですが、頻繁に使われているのは
「火曜サスペンス」や「土曜ワイド劇場」など
の二時間サスペンス番組が多いようです。

京都シリーズの大御所だった山村美沙さんなら
この落合で毎回ここで人を殺して下さった、
いわゆる死体発見現場に使われていました。

また、水戸黄門や子連れ狼などの時代劇も
よく撮影しているのです。

今回は時代劇の撮影のようでした。
蓑笠をかぶった浪人風の侍が数人いるのが見えました。
このようなシーンを見れたお客さんは大喜び!
携帯のカメラを片手に熱心に撮影されていたみたいです。

このように保津川には原風景が残っているので、
時代劇には最適のロケ場所なのです。

以前はよく保津川の船も時代劇映画に登場するシーン
が見られました。船頭もアルバイトで映画やテレビに
出演された先輩も多くおられます。

今、姫路や広島などで映画やテレビのロケ地を
提供し、地域経済振興に繋げる
フイルムコミッション事業が盛んに
推進されているという情報を聞きますが、
保津川でも、昔からロケ協力をしてきている
歴史があります。

来年の400年記念事業では、もう一度この
フイルムコミッション事業を取り入れ様と
企画を提出しています。

400年前、江戸時代に入った慶長11年(1606)に
京都の洛中と丹波を結ぶ産業水路が、角倉了以という
当時の大商人によって完成した。
その時代背景に合う番組や保津川の船を使って
ストーリ付けできる時代劇は出来ないものか、
と考えています。

日本の歴史学の世界では、明治時代からの流れで
朝廷の敵の時代の歴史はあまり掘り下げて
研究しない傾向にあったようで、江戸時代の
偉人・角倉了以についてもその業績にスポットを
当てるという作業なされていないそうです。

しかし、近年、保津川と高瀬川を開削しただけでなく
清水寺の再建など京都の復興しいては当時の
日本経済を支えた立役者一族として
その実像を明らかしようとする動きが学術会の
中もから出てきてるそうです。
2年前にも京都で、文部科学省や総務省主催、
京都府に市などが協賛で「角倉フォーラム」と
いうシンポジュムが開催されています。

歴史的価値が再認識されつつある私達の保津川下り。

日本いや世界の映画・テレビ関係者の方々。
この面白い題材を上手に料理してみてはいかがでしょうか?