保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

「筏つくり」の予行制作を実施

2007-08-11 21:13:48 | 京都情報
8月19日に行なわれる「桂川・筏復元イベント」を
一週間後に控え、その組み方の段取りや結び方など
を事前に学ぼうと、亀岡市文化資料館に元筏師酒井昭夫さん
を招き、京都新聞社の本田記者立会いのもと
予行制作が行なわれました。

我々「筏復元チーム」を名乗っていても、実は写真や文献資料
での知識しかなく、筏そのものを見たことありません。
まして丸太の並べ方や組み方、連結部位の繋ぎ方などは
一度も体験したことがないのです。

イベントぶっつけ本番!というものなんとも心許なく感じ、
今回、酒井さんに御無理をいってご教授願ったというわけです。

練習用の材には杭を使用。
大きさなどは実際に使う杉丸太とは全く異なるものの、
「組み方等は同じ」という酒井さんの助言もあり
用意させてもらいました。

先ずは杭を8本並べた後、樫の木を横一線にあてがい「カン」
というカスガイの丸こい番の様な金具で打ち込みます。
途中、カンとカンの間を藤蔓で結び、一本一本をより強固なもの
につなぎ、先ず筏の先頭となる一連目を組み上げます

同じ要領でつくられた2連目の筏を、先に一連目につなぐ作業
は、カンで締められた部位同士を、再び藤蔓で縦と斜め締めに
結び、衝撃にも強く、また複雑な動きにも柔軟に対応できる
連結部をつくるのです。

そして最後に筏の舵となる「にじり棒」という丸太を平面状に
繋いだ丸太の間にかまして筏は完成となります。
「にじり棒」の詳しいつくり方は本番の楽しみとして
置いておきますが、筏つくりではこの「にじり棒」を
組むのが一番難しかったです。


一通り筏の予行制作が終了した後、組み方等を熱心に
取材していた本田記者が酒井さんにインタビューを開始。
「桂川の筏水運について」体験から話される
貴重な生の声が聴けた事でしょう。

1000年に渡り、京の都造営を縁の下で支えてきた
伝統ある「桂川の筏師」。60年前に桂川からその姿を
消してから今では筏師も酒井さんの他一名のみ。
筏水運の事、組み方はもちろん保津峡の流し方など
本当に経験された方は本当に少なくなられました。

今、この時に、筏師・酒井さんをお招きして
筏の復元イベントを開催する意義もそこにあります。

この予行制作の模様は近日中に
京都新聞に記載される予定です。