保津川下りの船頭さん

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今日は「京都五山の送り火」です。

2007-08-16 09:10:10 | 京都情報
今日16日は京都の夏の風物詩である「五山の送り火」が行われます。

「五山の送り火」は、お盆に行われる京都の伝統行事で
京都を囲む五つの山に「大文字」「船形」や「鳥居形」
「妙」「法」「左大文字」の五つの文字や形を京の夜空に
炎で浮びあがらせます。

‘送り火’はお盆に帰ってこられた‘お精霊’を
再びやすらかに冥府へと送る信仰行事で、古くから
京都の庶民の間に浸透している行事。

起源は諸説ある中、室町時代に足利義政が創始した
という説が有力で「大」の文字が炎で描かれる妙意ヶ岳
が裾野の銀閣寺領だった事や「大」の字が銀閣寺と
同寺派・相国寺の方を向いている事などからこの説が
有力視されているようです。

私の育った衣笠からは金閣寺北側「大北山・左大文字」
が真近に見える地域で、毎年「送り火」の日は
夏休みのビックイベントでした。

「左大文字」では送り火の前日15日から16日午前中から、
金閣寺門前に設けられた奉納所で護摩木や松割木の奉納受付
が行われ、それらの木を当日の午後から山上に運び
炎を燃やす火床が組まれます。

山の斜面に栗石をコンクリートで固めて作ってある
高さは30cm~3mの火床は全部で53箇所設置して
あり、係の者一人が一箇所ずつを担当し、高さ約1mに
積み上げた奉納松割木を、乾燥した松葉を入れて
燃え上がらせるのです。

炎を燃やす為に使用される薪は350束、護摩木は5000本。
 
このように「五山の送り火」は多くの地元住民に支えられ、
代々守られ受け継がれてきた伝統行事なのです。

京都の長い歴史の中には、幾多の苦難な時もありましたが
しかし、どの時代も民衆の‘祈りの火’が途絶えたことは
一度もないのです。

夏の京都の夜空にくっきりと浮かびあがり、燃えたぎる
炎の力強さに、京都町衆が送り火に示してきた‘祈り’
の強さを感じずにはいられません。
この思いの強さを感じながら「五山の送り火」を
見物するとまた違った感情が込み上げてくることでしょう。

京都の夏の夜空に幻想的に浮かびあがる炎の文字。
先祖の精霊を送り、多くの人の祈りと願いが込められた
炎の輝きを眺めながら過ぎ行く‘夏’に
思いを寄せてみるのが「五山の送り火」なのです。

各五山の点火開始時間
●大文字(東山如意ケ嶽)   午後8時 
●妙法(松ヶ崎西山・東山) 午後8時10分
●船形(西賀茂船山)    午後8時15分
●左大文字(衣笠大北山)  午後8時15分
●鳥居形(嵯峨曼荼羅山)   午後8時20分