保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

‘保津峡への恩返し’11日にイワツツジの補植作業。

2008-06-07 20:47:20 | 保津川エコ・グリーン委員会
野も山も緑深まる6月、保津峡の岸壁は今、
朱色の可憐な花・イワツツジが満開です!

毎年の様に襲う洪水の激流にさらされても
負けることなく、他の樹木が生きていけない
地形や岩の割れ目にしっかり根を張り、
この梅雨の季節に保津川下りをされる
お客様の目を楽しませてくれています。

「こんな見事なイワツツジは保津川でしか見ることのできない!」
と毎年、訪れるファンも多い保津峡のイワツツジ。
まさに梅雨季の名物とまでになった保津峡のイワツツジですが、
実はこの景観を後世に残していこうという‘人たちの手’で
守られていることはあまり知られていません。

保津峡ではイワツツジが満開となるこの時期、
市民組織‘亀岡山野草を守る会’が主となり、
亀岡市、市観光協会、 保津川遊船企業組合が
協力して『イワツツジの植付け・補植作業』を
行っているのです。今では初夏の保津川の
恒例行事となり、今年も今月11日(水曜日)に
実施されます。

補植作業は、保津川下りの船に‘亀岡山野草を守る会’の方々
が乗船され、下りながら渓谷の岩壁・数箇所に手作業で
毎年約1,500本のイワツツジの苗を根付していきます。

植付け方法は、生育に適した場所を慎重に選びながら
持ち込んだつつじの苗を‘土’と‘水コケ’で包み、
一つ一つ丁寧に岩の割れ目に植え付けを施します。

これまでの補植活動で、延べ約5万本のイワツツジの苗
が複植されましたが、洪水が多い保津川では苗が流される
などして実際に根付くのは全体の約2割程度とのこと。

また、近年のガーデニングや盆栽ブームにより
ハイカーやBBQに訪れた人がむしり取り持ち帰る
という事態も起こり、年々自生率も激減しています。

ゴミなど河川環境の悪化も追い討ちをかけています。

自然本来の厳しい環境に耐え続けてきた
保津峡のイワツツジも、人間が原因となる
環境の変化によって厳しい状況にあるといえます。

イワツツジの補植作業は、人が渓谷へできる‘恩返し’
として重要な活動の一つだと思っています。

☆11日は補植作業と同時に渓谷の川掃除が実施されます。
 市環境政策課を主にNPOプロジェクト保津川や
 保津川の世界遺産登録をめざす会などが合同で
 遊船の船に乗船し渓谷のゴミ掃除を行う予定です。