先日あるドキュメンタリー映画を観た。
作品のタイトルは「ダーウィンの悪夢」
2004年に公開され、ベニス国際映画祭でグランプリを
受賞したのを皮きりに、世界中の映画祭で賞を総ナメに
した話題作でありながら、映像表現が偏っており作者の
意図する主観があまりにも反映された作品として
現地関係者や学識者から指摘を受け物議をかもした
話題作だ。
なんとも面白そうなドキュメント作品なので
「是非とも観たいものだ」と思っていたが、
腰痛休暇中に時間が出来たのでやっと念願叶い
観ることができた。
さて映画の舞台はアフリカ最大の湖「ヴィクトリア湖」
タンザニア、ケニア、ウガンダの三カ国に囲まれた
ヴィクトリア湖は、広さが琵琶湖の100倍もあり、
湖としては世界3位、淡水湖では2位という壮大な面積を誇り、
太古より生物進化を遂げながら約1000種類もの魚が
生息したことで「ダーウィンの箱庭」ともいわれていた湖。
が、しかし1954年に僅かバケツ一杯分の魚を実験的に
放流した事で湖の生態系に狂いが生じてきたという。
この放流された魚が「ナイルパーチ」
肉食で食欲旺盛な外来種である「ナイルパーチ」はそれまで
湖に生息してきた在来種を駆逐し、湖の生態系を破壊すると
同時に湖岸地域の人々の生活環境も一変させ破壊したという
惨劇を映像は現地の風景やインタビューで活写していた。
僅か50年余りで在来種を食べ尽くした「ナイルパーチ」は
一方で食用に適した魚で、欧米諸国は最先端技術を駆使する
一大水産業のを立ち上げを目論み大型投資を実施、
湖岸周辺地域は大きく経済発展を遂げ変貌していくのだ。
「ナイルパーチ」は大きいもので全長2メートル、
重さ100キログラムにまで成長し、脂身の多い白身魚として
EU諸国を始め我々日本など先進国に輸出されている。
タンザニアなどはフィレ(三枚卸し)とて食品輸出の
一位を占めているほど。
日本では「白スズキ」という名で広く国内に流通しており、
毎年4000トンのフィレを輸入、その量は人気の高い
ビンチョウマグロの3分2にあたるほど。
主に外食産業やコンビニ弁当、給食などの白身魚フライに
よく使用さており、私達の食生活にも非常に馴染みのある
魚なのだ。
映像からは、先進国に輸出される一大水産業の誕生が
一方で湖岸漁師や住民たちの素朴な生活環境を破壊し、
新たな貧困を生み出し、街は売春やエイズ、麻薬の氾濫
ストリートチルドレンの増加など風紀の乱れと工場廃水等に
より湖の水質汚染され環境破壊に進むという
まさに‘悪夢’を生み出したという事を強く主張している。
また、先進国へ白身魚を運ぶロシアの飛行機には
コンゴ民主共和国の内戦用に使用される武器弾薬も
運ばれて来るというオマケ付きなのだ。
作品は西欧先進国による‘グローバル化’という名のもとに
古くからの生活環境が破壊されたことで、住民コミュニティー
が崩壊したという流れで作り上げられている様に感じた。
この作品は確かに「西欧先進国=悪」という作者の
強い思惑‘狙い’という主観が強く反映され過ぎている
様にも感じられるが、行き過ぎた経済至上主義が今、
地球環境の悪化を招き、負の象徴的貧困に喘ぐ階層を
生み出したことは否定はできないし、その‘姿’から
感じるものは多い。
元来、ドキュメンタリー作というは作り手の主張が
反映され、焦点を絞り込むほど、わかりやすく
よい作品といわれるものだ。
様は観る側がそこから、何を感じ取り、
何を問題として意識するかが大切だ。
ただ私には、オオクチバスやブルーギルなどの外来魚を
放流したことで年々在来種の稚魚が激減し、絶滅が危惧
されている種もいる保津川を見ているので、
バケツ一杯分の外来魚が50年余りで琵琶湖の100倍の
広さをもつ湖の生態系を狂わせた事実は衝撃である。
ただ「儲かればいい」「楽しければいい」という
一部の人間の欲望のために、太古から地球が育み守ってきた
生態系を破壊してもいいとはけして思えないのだ。
その視点から観るとこの「ダーウィンの悪夢」は
多くの示唆を与えてくれる作品だと私は思った。
作品のタイトルは「ダーウィンの悪夢」
2004年に公開され、ベニス国際映画祭でグランプリを
受賞したのを皮きりに、世界中の映画祭で賞を総ナメに
した話題作でありながら、映像表現が偏っており作者の
意図する主観があまりにも反映された作品として
現地関係者や学識者から指摘を受け物議をかもした
話題作だ。
なんとも面白そうなドキュメント作品なので
「是非とも観たいものだ」と思っていたが、
腰痛休暇中に時間が出来たのでやっと念願叶い
観ることができた。
さて映画の舞台はアフリカ最大の湖「ヴィクトリア湖」
タンザニア、ケニア、ウガンダの三カ国に囲まれた
ヴィクトリア湖は、広さが琵琶湖の100倍もあり、
湖としては世界3位、淡水湖では2位という壮大な面積を誇り、
太古より生物進化を遂げながら約1000種類もの魚が
生息したことで「ダーウィンの箱庭」ともいわれていた湖。
が、しかし1954年に僅かバケツ一杯分の魚を実験的に
放流した事で湖の生態系に狂いが生じてきたという。
この放流された魚が「ナイルパーチ」
肉食で食欲旺盛な外来種である「ナイルパーチ」はそれまで
湖に生息してきた在来種を駆逐し、湖の生態系を破壊すると
同時に湖岸地域の人々の生活環境も一変させ破壊したという
惨劇を映像は現地の風景やインタビューで活写していた。
僅か50年余りで在来種を食べ尽くした「ナイルパーチ」は
一方で食用に適した魚で、欧米諸国は最先端技術を駆使する
一大水産業のを立ち上げを目論み大型投資を実施、
湖岸周辺地域は大きく経済発展を遂げ変貌していくのだ。
「ナイルパーチ」は大きいもので全長2メートル、
重さ100キログラムにまで成長し、脂身の多い白身魚として
EU諸国を始め我々日本など先進国に輸出されている。
タンザニアなどはフィレ(三枚卸し)とて食品輸出の
一位を占めているほど。
日本では「白スズキ」という名で広く国内に流通しており、
毎年4000トンのフィレを輸入、その量は人気の高い
ビンチョウマグロの3分2にあたるほど。
主に外食産業やコンビニ弁当、給食などの白身魚フライに
よく使用さており、私達の食生活にも非常に馴染みのある
魚なのだ。
映像からは、先進国に輸出される一大水産業の誕生が
一方で湖岸漁師や住民たちの素朴な生活環境を破壊し、
新たな貧困を生み出し、街は売春やエイズ、麻薬の氾濫
ストリートチルドレンの増加など風紀の乱れと工場廃水等に
より湖の水質汚染され環境破壊に進むという
まさに‘悪夢’を生み出したという事を強く主張している。
また、先進国へ白身魚を運ぶロシアの飛行機には
コンゴ民主共和国の内戦用に使用される武器弾薬も
運ばれて来るというオマケ付きなのだ。
作品は西欧先進国による‘グローバル化’という名のもとに
古くからの生活環境が破壊されたことで、住民コミュニティー
が崩壊したという流れで作り上げられている様に感じた。
この作品は確かに「西欧先進国=悪」という作者の
強い思惑‘狙い’という主観が強く反映され過ぎている
様にも感じられるが、行き過ぎた経済至上主義が今、
地球環境の悪化を招き、負の象徴的貧困に喘ぐ階層を
生み出したことは否定はできないし、その‘姿’から
感じるものは多い。
元来、ドキュメンタリー作というは作り手の主張が
反映され、焦点を絞り込むほど、わかりやすく
よい作品といわれるものだ。
様は観る側がそこから、何を感じ取り、
何を問題として意識するかが大切だ。
ただ私には、オオクチバスやブルーギルなどの外来魚を
放流したことで年々在来種の稚魚が激減し、絶滅が危惧
されている種もいる保津川を見ているので、
バケツ一杯分の外来魚が50年余りで琵琶湖の100倍の
広さをもつ湖の生態系を狂わせた事実は衝撃である。
ただ「儲かればいい」「楽しければいい」という
一部の人間の欲望のために、太古から地球が育み守ってきた
生態系を破壊してもいいとはけして思えないのだ。
その視点から観るとこの「ダーウィンの悪夢」は
多くの示唆を与えてくれる作品だと私は思った。