保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

インフルエンザの暗い影、保津川にもじわり・・・

2009-05-23 21:23:31 | 船頭の目・・・雑感・雑記
三日ぶりに晴れ渡り、爽やかな五月晴れとなった今日の保津川。

今年は集中豪雨もなく、近年まれにみる安定した天候が続いています。

そんな、五月の京都を突然、襲った「新型インフルエンザ」

観光のまち、京都では修学旅行を中心にキャンセル・延期が相次ぎ、
その数は約600校、約9万人に上り、前代未聞の打撃を受けています。

この非常事態に市内の観光業界からは経営支援などの対策を求める声が出され、
22日から、市中小企業支援センター(下京区)に観光業界向けの経営相談窓口
を開設など、府と連携して今後の対策を検討しています。

私たち保津川下りにもジワジワとインフルの影響が出始めています。
今日も修学旅行がすべてキャンセル、その流れは一般の団体予約にも及んできました。
今後の事態を憂慮しならが見守るしかないのが歯がゆいところです。

今回のインフルはウイルスが弱毒性の上に、通常の季節型抗インフルワクチン
も効果的があるとの発表がなされていたものの、感染者が発生すると
「新型・・・」という免疫がなく、感染力が異常に強いとの情報に、
小・中・高に加え保育園にまで一斉休校を実施し、各イベントの中止という
少し冷静さを欠いた対応と過剰な報道ぶりに、関西地方は「感染地域」
のイメージが固定化され、地域経済も大きな打撃を受けてしまいました。

この風評が拡大し、観光業を中心に地域経済に甚大な影響が出だしたことに
衝撃を受けた政府は今日「総理大臣による安全性の強調と冷静な行動」を
呼びかける緊急のテレビCMが流され事態の沈静化に向けて動き出した様ですが、
「時すでに遅し」の感は否めません。

また「安全宣言と冷静な対応」を呼びかける市や府のトップ方々も、
自らの主催も含め、街の各種イベントをすべて中止する決断を下している
ことをみると、他地域への呼びかけも、いま一つ説得力がないですね…

もちろん、急に当然変異を起すウイルスという未知の存在への警戒は緩めては
なりませんが、今回のインフル被害には、極端から極端に走るパニック的な
潔癖性やイベントそのものに原因の責任転嫁する日本的な心理作用が
働いているように思えてなりません。

私たち京都の人間はインフルが発症する前も、そして今も
いつもと変わらない生活を営んでいます。

今後とも正確な情報の把握と冷静な報道姿勢に基づいた、
具体的で効果的な対応策と行動をお願いしたいと思います。