散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

こんな時に名古屋(14)

2020年02月26日 22時21分17秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
この後、懇親会が出来なくなってしまったので、私としては放置してもらってもいかようにでも過ごせるのだが、有志の方にお誘いを頂いた。さすがにそれは行くしかないではないか(メンバー4人中、札幌に転勤で来ていただいた方が3人いるのだ)。

ということで一軒目は名古屋の手羽先で有名な店「F」へ。ここと「Yちゃん」が有名なのだが、後者は札幌にもあるしね。私がぜひこっちが良いと言って決めてもらったのだ。

飲み物はビールでスタートし、ハイボールへ。食べ物は手羽先、味噌串カツ、鶏の食べ比べ(名古屋コーチン、ブロイラー、博多地鶏の3種)、タコぶつ等。

手羽先は「Yちゃん」の胡椒辛さに比べると穏やかな味で、こっちの方が美味いような気がする。味噌串カツは私のイメージでは定番の味なのだが、名古屋出身の人は「こんなの普段食べないっすよ」と言っていた。味噌かつは食べないが、「つけてみそかけてみそ」は大体家にあるらしい。

鶏の食べ比べでは博多地鶏は塩味なので違いが判るのだが、同じタレ味の名古屋コーチンとブロイラーの区別がかなり付けづらい。多少味の濃く感じる方が名古屋コーチンだと思うのだが、ブロイラーもなかなかよくできたものであると思う。

話題は今日のイベントから、年度末ということもあって人事話や、ロクでもない後輩の話などに展開したが、普段一人飲みの私には、なかなか新鮮であったかも。



北海道に来たことのあるK氏が「SHさん、良いバーがあるんだけど」ということで、2軒目はすぐ近くにある「Y」バーへ。5人だったのでさすがにカウンターという訳には行かず、ソファ席になったが、なかなか以上に落ち着けるバーで会った。

1杯目は店オリジナルの氷なしハイボール、2杯目は悩んだ結果、カクテルは避けてカルヴァドスを頂くことになった。

最近、飲むと連日記憶をなくしているというO氏のメートルが上がってきたので、2杯で切り上げて勘定をしてもらう。私の明日は早いので、この程度で切り上げてくれるとありがたいかも。それにしても、久々に会社の人と飲んで楽しい飲み会であった。型にはまった懇親会が中止になったのは幸いだったと言えるだろう。



ホテルに帰り、シャワーを浴び、帰り支度をしてから早めに寝る。明日は朝食をとる間もなく、移動しなくてはならなそうだ。

こんな時に名古屋(12)

2020年02月25日 22時12分38秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
一軒目は軽く済ませ、別のバーに行くという選択もあったが、やはり昨日と同じバー「B」へ。「やあ、また来ました!」と行こうかと思ったが、昨日のバーテンダー氏はいないようだ。

また一からということで、ちょっと風味のあるジンソニックを注文。今日はイギリスで作られたサイレントプールというジンのジンソニックだ。香りが良いが、そこまで個性的ではなく、1杯目にはちょうど良い感じである。



2杯目は「ウイスキーらしいカクテルを」とお願いして、スコッチ+ドランブイのラスティネールを出してもらった。しかしながら、これがただのラスティネールではない。まず、銘柄は聞かなかったが、ウイスキーは2種類のものを合わせて使っているのだそうだ。





ドランブイは1970年代だったか80年代だったかのオールドボトルだとか。それもちょっとだけ味見させていただいたが、私は基本的に甘すぎるドランブイがあまり好みではないのだが、甘さの後にピリッと来る味で、ちょっと普通のものとは違う。これを使ったラスティネールもウイスキーそのものであるようで、ちゃんとカクテルになっているという素敵な味わいなのだ。

これを堪能してから、また昨日同様のややこしい注文をした結果、3杯目はペンダリン5年SMWSを出してもらった。昨日のペンダリンとは1年熟成違いである。



こちらは最初、普通の味わいでスタートしつつ、途中でオレンジティーのような味わいが急に出てくるという、個性的な味わいである。これ、とてもいいね。ウイスキー好きでも楽しめるし、そうでない方にも味わいを楽しんでいただけそうな気がする。

こんなのを飲みながら、今日のバーテンダー氏と「ウイスキーで加水するタイミングと量はどうしたらよいか」話をして、とても楽しかった。いつも飲みながら水を入れていくと、どこかで入れすぎてしまうのが私の悩みなのだが、それはそういうものなのだそうだ。

時間はまだ早いが、名古屋の夜をすっかり楽しんでホテルに戻る。何をしに名古屋に来たのかという話なのだが、明日から仕事だ。仕事はさておきながら、夜は付き合いもあって、ちょっと詰まらない(セッティングしてくれる人、ゴメン。私の性分だからしょうがないのだ)ことになるが、仕事とはそういうものである。

ホテルに帰りシャワーを浴びてから、軽く一杯。明日はちゃんと起きなくてはならないので、そこそこの時間に寝るとするか。



また夜食におにぎりを一つ食べた。


こんな時に名古屋(11)

2020年02月25日 19時20分24秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
若干の休憩の後、夜(いや夕方)の街に出発。昨日は開いていなかった「DH」に行くが、扉を開けると前の客が立っており、新たな客が来たことが認識されないほどの混乱状態。いやあ、開店時間から一回りしたかと思ったが、まだ駄目だったか。

それではということで、半ブロックほど離れたところにある「DJN」へ。ある程度、混雑の覚悟をしていたのだが、驚くべきことに先客が2名。これは逆にやりにくいなあ…。



初めての客なので(確かにここに来るのは初めて)、システムを説明され、まずは燗酒(大)でスタート。おお、昨日とは違い、樽酒らしく樽の香りがする。これで気分がかなりアップする。

つまみコーナーにつまみを取りに行くと、冷蔵ケースに入ったマグロがやけに美味そうだ。それと小イカ煮を取ってくる。マグロは大トロと中トロの部位かな。値段の関係上、当然スジはあるのだが、それにしても予想以上の美味さだ。寿司屋のカウンターで「これ、お勧め」と言われても、頷いてしまいそうな味だ。



小イカはまあ、見た通りの味。でも、私が行く居酒屋ではあまり無いつまみなので、ちょっと嬉しい。



つまみ第二弾はアナゴと高野豆腐煮。基本的にこの店のつまみは作り置きなので、これも冷めてはいるのだが、アナゴがかなり良い味付けになっている。



燗酒を飲んでしまい、もう少しということで小サイズを注文。締めのつまみは鰯の煮たものを取ってくる。これも冷めているが、つまみとしては悪くない味だ。



私の後に客が5~6人来たが、数十人は入りそうな店としてはいかにも寂しい感じ。昨日行ったところに比べると、燗酒の美味さ、つまみの味共に格段に良かったが、やはり「本店」マジックには及ばないだろうか。でも、空いているという利点は、それはそれでありがたいところもある。


こんな時に名古屋(6)

2020年02月24日 22時34分35秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
1軒目で勘定をしてもらい、次は名古屋と言えば、私がこよなく愛するバー「B」である。19時頃だが一番目の客になってしまい(祝日だから出勤している人がいないのか)、まずはジントニックを注文。風味のあるジンをお願いしたところ、宮崎県産のHINATAジンで作ってもらった。



このジンはキンカン、へべス、日向夏などの柑橘系をふんだんに使い、山椒のようなさわやかさも感じられる味だ。そして47度という度数がカクテル使いにもピッタリである。そこに木成りのライム(木についたまま完熟させた)を使うので、さらにさわやかさが増している。

つまみがちょっと驚きで、国産のオリーブをあご出汁(トビウオの出し汁)につけ、さらに出汁醤油でちょっと味をつけたものなんだそうだ。実はオリーブが微妙に苦手なケースもある私だが(つけ汁に癖がありすぎる)、これはあまりにも美味くて、つい手が伸びてしまう。



2杯目は今年のテーマ、コアントローシリーズで、ダークラム+コアントロー+チェリーブランデー(何種類かのチェリーブランデーとチェリーシロップをブレンド)+ベルモットで氷をリンスしたポーラーショートカットを出してもらう。





なかなか癖の強いコアントローだが、ダークラムとチェリーブランデーの濃厚さでバランスがよく取れた味わいになった。これは傑作カクテルだな。そしてグラス(確か有田焼だった)が、また素晴らしい。

3杯目はもう一杯カクテルを飲みたくなり、苦いものを相談。ジン+フェルネットブランカ+アンティカフォーミュラのフェルネットブランカカクテルである。苦みが前面に出るが、後味がとてもすっきり。実に私好みだ。





ここで1人客が2名やってきて、少し気が楽になる。

そして最後はウイスキー。「一回、癖の強いモルトに行ったものの、最近はそこから好みがグッと戻ってきていて、しかしながら特徴のある味でお手頃なものを」と実に面倒なリクエストを言ってみたところ、ペンダリン2003SMWSを出してもらった。



まず驚くのは甘い香りだ。そして飲んでみると、オレンジや黒砂糖を感じさせるような甘み、6年熟成ながら「味の弦楽四重奏」とタイトルがついているだけのことはあるね。これはいいウイスキーを飲ませていただいたと感謝しながら勘定をしてもらう。

 

ホテルまで1ブロック程度なのですぐに帰り、シャワーを浴びて一休み。コンビニで焼酎を買って帰ってきたが、炭酸割りで1杯飲んだところで眠ってしまったようだ。はっと気が付くと2時で、改めて寝る。


→小腹が減って、おにぎりを一つ食べた。

こんな時に名古屋(5)

2020年02月24日 19時27分21秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
17時半ころになって、さて夜の街に行きますか。私が名古屋に来たらどうしても行きたい老舗居酒屋「DJ」だが、一応確認しに行ったところ、祝日なのでやっていなかった。そこで、この店の方式を学んで出店したという「DJ」錦店へ行ってみることにした(経営が違うらしい)。

「DJ」本店のある地下鉄駅周辺から歩いて、錦店へ移動する。店に入ってみると、奥の方は混雑しているが、手前の席はそこまででもない。私は壁にくっついた2人席に座ることになり、まずはレモンハイを注文する。

店の方式は元と変わらず、レモンハイが来たところでつまみの置いてあるテーブルを見に行くことになった。まずはバイ貝(3個入り)と鴨ロースを取ってくる。バイ貝はなかなか硬くて、つまようじ1本では取りにくい…。鴨は少量安価で食べられるのがうれしいつまみである。



飲み物は伏見蔵燗の大をもらい、里芋煮を持ってくる。そのついでにちょっと生ものをということで、タコぶつを発注だ。里芋は落ち着いた煮物の味。これも少量で頂けるのはありがたいね。タコぶつは新鮮でいい感じだ。





大サイズの酒は結構量があり、最後に土手焼きを頼もうと思ったら品切れとか。うーん、じゃ串カツにするか。やってきた串カツは味噌味なのは名古屋風でよかったが、かなりのミニサイズだ。



しかし、何か明白にダメなことがあるわけではないのだが、何かが足りない。おつまみのレベルが微妙にそうでもないところだろうか。客層か、いや店の造りだろうか。やはり本店の魔力には遠く及ばない感じだ。


なぜか鳥取(29)ラストバー

2019年10月25日 23時03分41秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
1軒目で腹の方は満足して、さてどうしようか。いわゆる鳥取の繁華街は駅から少し離れたところにあるので、疲れて来た今となっては足が伸びない。近場でバーを探してみると、数分のところに一つあるのが分かった。

バー「S」の店頭に来ると先客が3名。まずは大人しく、一番入口に近い席に座り、ジンリッキーで様子を見る。まあ普通の味で問題はない。



ここで、奥を塞ぐように真ん中辺りに座っていた客が帰るので、「バックバーが見える方に行っても良いですか?」とバーテンダー氏に尋ね、奥の席に座らせてもらう。ふーん、ウイスキーがいろいろあるね。

と言うことで、注文はいつものロブロイだ。ウイスキーをどうするか相談して見ると、なんとエドラダワーカレドニア12年はどうか、と言うではないか。「先日、たまたま飲んで良かったです」と返事して、これを使ってもらうことにした。うむ、このロブロイは上等だな。

3杯目、ついにこの旅最後の一杯はアランアマローネカスクを飲んで終了だ。甘さと熟成の渋みが少しある程よい味わいであった。





勘定をしてもらうとこの店もまた驚くほど安い。鳥取は物価が安いのかなあ。バーのマスター氏に鳥取のオーセンティックバーをいくつか紹介してもらったが、そこに行く気力もなく、ホテルに戻る。今日はこの旅初めてのホテル飲みをして、早めの就寝。13116歩。


なぜか鳥取(28)大衆酒場

2019年10月25日 19時17分43秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
ホテルの部屋で一休みして、夜の街に繰り出すことにしよう。少し名店疲れしたのと、夕方までかなりの雨が降っていたこともあり、今日は鳥取駅前、ホテルからすぐ近くにある大衆酒場「M」へ。



壁に向かうカウンター席に座り、まずは鳥取地元の純米酒3種のセット(諏訪泉、瑞泉、青水緑山)を注文。食べ物は山陰うまいもん御膳というセットものを注文する。頭が回らなくなっているのと、実際、すごくお得そうなセットだったのだ。

酒を飲みつつ待っていると、御膳の第一弾がやって来た。まずは刺身(白ミル、ブリ、甘エビ、白イカ)と山陰珍味盛(蟹味噌、砂丘ラッキョウ、砂丘長芋)が到着。



刺身の白ミルはツブにとてもよく似た感じ。ブリはかなり立派な切り身で、甘エビの鮮度もなかなか。白イカは透明なイカを好むものとしてはちょっと分かりにくくもあるのだが、甘みは十分にある。

珍味の蟹味噌はまあ予想通り酒に合う。長芋は醤油漬けになっているのかな。ラッキョウが私はそれほど好きでは無いのだが、つまみとしての良さがあるね。

ここで串焼き山陰盛が到着。大山鶏、ブリ、ネギ、イカがあり、これでやっと大山鶏を食べることができて満足である。



最初に出てきていた日替り小鉢はブリのあら煮。少し甘めでこってりした味わいが疲れた体にいい。酒も進んで、鷹勇純米ひやおろしを燗してもらう。食べ物ももう少しということで、つくねと椎茸串を注文。

つくねは甘辛タレでボリュームが結構ある。対して椎茸はほんのり塩味に鰹節がかかっており、なかなかの厚みがあるうまい椎茸だ。





大衆酒場という割にはそれなりの勘定になってしまったが、これだけのバリエーションのものを食べることができたのは良かった。

なぜか鳥取(23)スタイリッシュ

2019年10月24日 21時46分56秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
1軒目の店を出ると雨は降り続いている。

少し歩いたところにあるバーを探したが、開店時間が過ぎているにもかかわらず、なぜか開いていない。第2候補の店は、探せども探せども見つからない。結果的に某サイトの地図が誤りで、他のサイトの地図を見て場所がわかったのだが、まあ、ああいうものは信じ切ってもいかんということだな。

やっと見つけた店だが、何とも高級感が漂い、濡れ鼠の私には入りにくい。カウンター席に座ったが、バックバーにはグラスが飾ってあるだけで、ボトルが無い。なるほど、この手のスタイリッシュ店か。

メニューも無いようだし、こういう所に初めて来たら困る人も多いだろうにと思いつつ、私はこの近年の定番モスコミュールでスタート。ま、普通の味わいだ。

2杯目にロブロイを頼むと、「ウイスキーはどうしましょう」と聞かれるので、「少しコクのあるものを」とお願いすると、リンクウッド12年を使ったロブロイが出てきた。値段が分からないのだが、大丈夫だろうか?

グラスの口の部分が真円では無いので、聞いてみると、ガラス工房であえてこういう形で作っているものらしい。この辺からやっとマスターとの会話が進み出したのだが、話をしてみると、関西在住経験もあることから、親しみやすい人柄のようである。

なーんだ、バーの構えですっかり疲れてしまっていたよ。最後にまたオーソドックスにサイドカーを注文。やっとリラックスして飲むことができた(ということで、今回、写真も撮っていない)。

勘定をしてもらうと、少しづつ高級な酒を使っていたようだが、かなりリーズナブルな値段であった。思わずマスターに「これ、勘定、大丈夫ですよね」と聞くと、「まあ、地方都市ではこんなもんです。酒も良いのを使ったからといって、そんなに高くする訳にもいかないし」とのことであった。

ふーん、これは意外と通うと楽に飲める店なのかもしれない。ちょっと先入観で硬くなっていた自分が、いい年ながら情けない。まだ雨の残る中、ホテルに戻って、わりと早く就寝。今日はそれなりに飲んだのと、旅も後半戦。少し疲れが溜まってきただろうか。14760歩。


なぜか鳥取(22)驚愕コース

2019年10月24日 19時44分51秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
ちょっと休憩の後、鳥取の街中へ。鳥取の街は道が放射状になっており、方向音痴の私にはかなり厳しい。雨も少し強くなってくる中、さまよい歩き、なんとか予約しておいた店「H」へ。


→駅前に謎の覆いがあるが、商店街に全てアーケードがある訳でもない。





店に入ると先客はなし。少し歩いたのでビールを注文し、店の大将が「料理は単品でも、お任せでも」ということだったので、一番値段の安い3000円のお任せでお願いすることにした。これが結果的に正解であったと思う。



まずはお通しがわりの酒のつまみでスタート。きのこと野菜の白和え、ブリコ、フキ煮、枝豆、小エビ、ぬた、黒豆入りさつま揚げと、もうたまらない感じである。



刺身はハタハタ炙り、ブリ、甘エビ、白イカ、ツブが出てきて、たまらず地元の酒、鷹勇を燗酒でもらう。ハタハタ炙りは一仕事で魚の旨さを増している感じ。甘エビは頭のミソの新鮮度、過去最高かも。



酒の注文で鳥取の酒を頼んだので、どこから来たのかとマスターの質問が始まる。松江の人は控えめの人が多かったと思うのだが(その代わり、性格が陰湿という話もある)、鳥取の人は少し関西に近いせいもあるのか、前へ前へと出てくる人が多いように思われる。

次が山陰の海産物といえばこれ、のどぐろ焼きである。初日にのどぐろ煮付けを食べたので、ちょうど良かった。脂の乗った味わいながら、焼くことで香ばしく食べられる。身の部分だけでは無く、ギリギリ骨や頭のところもしゃぶって食べた。



続いて沖イワシの煮付けが出てきた。沖イワシといっても、どうも鰯には見えないが、白身のさっぱりした味で、腹の白子も残してある新鮮な煮付けだ。どうも、先日スーパーマーケットでみたニギスに似ているような気がしたのだが、後で調べてみると正解であった。



鷹勇をお代わりし、まだまだ出てくる料理は真鱈白子湯葉揚げである。からりと揚げた白子を酢醤油で食べると、なんとなく餃子の風味が感じられるという面白い味わいだ。北海道では白子に火を通すとなると天麩羅が一般的かと思うが、これもいい料理法だと思う。大将も「北海道じゃ、こういう調理法はやらないんじゃない?」と得意満面だ。



何品出てくるか、食べきれるのかが不安になって来たが、さらに河豚の空揚げが出る。骨も取ってあるという食べやすさ。下味がうまい事ついているので、このまま食べられるのだ。



だんだん腹も膨れてきたが、次はバゲット付きのサザエアヒージョ。ちょっと味付けを洋風シフトして、目先が変わってこれまた美味い。ネットで調べて、適当に来た店なのだが、ここって、すごい名店なのでは?



バゲットが付いていたので、さっきのが食事がわりかと思ったら、もずく雑炊がやって来た。もずくは雑炊との一体感を出すために、沖縄の細いものをあえて使っているとか(鳥取で取れるもずくは太いそうだ)。漬物の生姜漬けと白菜漬けが、またバツグンに美味い。





すっかり満足して、トイレに行って戻ってくると、デザートにシャインマスカットが出されていた。もう何もいうことが無いよ。



勘定をしてもらうと、本当にお任せ料理3000円+飲み物代だったようなので、本当に驚いた。鳥取に行ったらここに行って、料理をお任せしよう。いやしかし、単品のメニューを見たら、島根和牛とかサワラとか、また注文したくなるような料理名が並んでいたので、どうして良いのか分からないよ、もう。

なぜか松江(17)名バー再び

2019年10月23日 22時55分47秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
もう何か食べるのは無理なので、昨日、気分の良かったバー「Y」へ行こう。夜の街を少し歩いてから、店へ。

まだ開店したばかりとあって、一番目の客になってしまった。昨日と同じく、一番隅っこの席に座る。最初はオーソドックスにジンフィズを注文。通しのチーズとクラッカーをゆっくり食べる。





少し経つと、2人組の客が2組。だんだん雰囲気が暖まってきた。私の2杯目は「苦いリキュールを使ったショートカクテルを」とお願いし、エギュベル+フェルネットブランカ+オレンジの皮+ビターズのカクテルを頂く。



おお、これはかなりドライに苦いね。そこにほんのりオレンジの風味があり、目が醒めるような、さっきの夕食が消化されていくようなカクテルだ。

よし、面倒なカクテルを頼んでも対応してくれるようなので、周りに飲み物が出終わったタイミングで3杯目をお願いする。今度は「今年のカクテルテーマが抹茶リキュールなのですが、そこにカルヴァドスを合わせたものを。後は何を入れてもよいです」という面倒なカクテルを注文してみた。

ただ、ここでマスターが話をしてくれたのだが、やはり面倒な注文をする人は他にもいるらしく、「銅鐸のイメージで」とか「神事の○○の雰囲気で」という注文が時々あるそうだ。

さて、私のカクテルは、カルヴァドス+抹茶リキュール+ドライベルモット+生クリーム+抹茶パウダー+金粉のカクテルとなった。飲んでみると、これが驚くほど美味い。



カルヴァドスのリンゴ風味が非常に良く生かされつつ、甘い風味と、最後に抹茶の苦味が出てくる味わいは、素晴らしいの一言に尽きる。隣で私の無茶な注文を面白がっていた客も、思わず拍手をしてしまっているではないか。

普通であればこれで満足するところなのだが、松江の最終夜とあって、この楽しい時間をもう少し引き伸ばしたい。最後に「あまり飲んだことがないだろうなと思うスコッチを勧めて下さい」と無茶なお願いをして、オールドバランテュラン10年(確かに聞いたことがない)を出してもらう。



これはハイランドのウイスキーでありながら、ピーテッドな味わいなのである。初めてだが面白い味だ。そして、ほんの少し加水をすると実にわかりやすく、華麗な味が花開くのである。

これを惜しみながら味わい、いよいよ最後である。店の皆さんに挨拶をして、店頭まで見送りに来てくれたマスターと握手をして、ホテルへと向かう。松江に住むことがあったら(ないけど)、この店をメインで通うバーにすることにしよう。



帰りは河岸を歩いて帰ったが、今日も釣りをしている人がいる。ちょっと酔った勢いで、何が釣れるのか聞いてみると、「スズキ狙いです」とのことだった。気になっていたことが分かったので、スッキリしてホテルへ。結構酔っ払って、就寝。15504歩。

なぜか松江(11)名バー

2019年10月22日 21時32分46秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
さて、気分が盛り上がったところ、再び少し歩いて、1952年に開店したバー「YG」へ。先客が2名ほどおり、カウンター一番奥の席に座らせてもらう。今日のメニュー(お勧めフルーツなどが書いてある)から、生モスコミュールを注文。



ベースとなるウォッカに生姜を漬け込んだものを使ったモスコミュールは、思ったほど辛くなく、ちょうど良い刺激である。通しはオイルサーディンが可愛らしく盛られてきた。



2杯目はロブロイ。中に入れるウイスキーを相談したところ、グレンドロナック12年を使うことになった。これがしっかりした味わいで美味い。





この後、いろいろと話をさせてもらい、マスターがマティーニに関して「あまり辛くしないようにしている」との発言があったので、我が意を得たりと、久し振りにマティーニを注文することにした。

「ジンはお好みがありますか?」と聞かれるので、「ブードルスです」というと、「今のやつと昔のやつとどちらですか」と聞かれ、「もちろん昔のです」というと、なんと昔のブードルスボトルが出て来てしまったではないか。


→左側が昔のボトルである。



申し訳なくなりつつ、久しぶりに昔のブードルスを使ったマティーニを飲む。つい「こんな味だったか~」とありがたみのない発言をしてしまったが、「久しぶりに飲むと、味なんて結構忘れていますよね」とのマスターのフォロー発言が入った。

実に楽しかった。名バーの雰囲気をしっかり味わい、酔っ払って来たところでホテルに戻る。今日の歩数は20528歩と結構歩いたね。


なぜか松江(10)おでん

2019年10月22日 19時25分59秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
さて、そろそろ今日の一杯と行くか。今日は綺麗な夕景を見ながら移動。



事前に電話を入れておいた居酒屋「Y」へ。まだ店にはそれほど客がいなかったが、私の前にいた2人組は店に入れなかった模様。あらかじめ電話をしておいてよかった。

カウンター席に座り、今日は燗酒からスタート。刺身盛り合わせを頼んでおいて、目の前にあるこの店の名物おでんでスタートすることにしよう。



まずは豆腐、春菊、きんちゃく、団子(多分、いわしだろう)の盛り合わせでスタート。豆腐には程よく味が染み込んでおり、これは美味い。ここに燗酒(たぶん賀茂鶴だろうと思うが)を合わせる。少し涼しくなりつつあるだけに、この組み合わせがピッタリだ。



春菊は食べる寸前におでん出汁に投入して火を通したもの。歯ごたえがあるが、柔らかい葉を選んでいるようで、茎の太い固いところがない。きんちゃくは具沢山で汁気を含んでおり、これまた美味しい。

ここで刺身が到着。ひらめ、鯵、カンパチ、サザエの盛り合わせである。サザエは歯ごたえ良く、北海道ではなかなか出てこないものなので、ちょっと嬉しい。カンパチは恐ろしいほどの脂ののりで、素晴らしく美味かった。



続いて、宍道湖名物もろげエビを空揚げにしたものが出る。いわゆる小エビ空揚げではあるが、普段食べるエビとはちょっと味が違っているように思える。



店は予約客が次々到着し大混雑になってきた。人気があるのは手っ取り早く出るおでん、後はシメサバがものすごい数出ているようだ。私も燗酒をお代わりし、おでんの第2段、糸こん、だし巻き、里芋を注文。



西方面に来た時、だし巻きは欠かせない。だし巻きにさらにおでん出汁を含んだ玉子は予想通りのうまさだ。そして、ねっとりとした味が素晴らしいのは里芋である。私もすっかり年を取り、この味に開眼したなあ。

店のおばちゃん軍団もやや落ち着いたせいか、おでん鍋の中でひとつだけはぐれていた里芋、足が取れてしまった白イカをサービスして頂いた。腹が一杯になり、隣の客が頼んでいた煮魚、しじみ汁もものすごく気になるが、とても食べられない。

ここで勘定をしてもらったが、実に活気あふれる名店であった。メニューには全く値段が書いていないのだが、おでんを中心に組み合わせると心配することはないと思う。


なぜか松江(5)しゃべる

2019年10月21日 23時00分22秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
ということで、初日の1軒目からそこそこやらかし、2軒目のバーへ向かう。バーも調査しておいた1軒目は休みで、もう一軒の「NB」へ。

店に入ったところ、先客4名、後から2名とちょうど開店とともに混雑してる状況であった。先客の注文が終わり、私の番となった。

初めてのバーでの注文として、モスコミュールにしようかと思っていたのだが、先客の注文とかぶり考え直そうとしていた。しかし、モスコミュールの作り方を見ると、実に興味深いではないか、よし、このまま注文しよう。

マスターが作るモスコミュールは、ウォッカにドライタイプのジンジャーエールを入れ、さらに生姜すりおろしのジャムのような状態のものをスプーンで付けてくれるのである。



私のところに来たモスコミュールをまずはそのままで一口。ドライなジンジャーエールが効いている。

続いて、スプーンに乗った生姜をちょっとつまんで食べる。これまた甘みと刺激で美味い。この生姜をカクテルに落とし込むと、なるほど刺激的で、目の覚めるようなモスコミュールになった。

バーの通しはフルーツ盛り合わせである。生のイチジクは多分あまり食べたことがないし、久しぶりに食べる柿も美味い。そして、今時流行りのぶどうも間違いのない美味さだ。



2杯目はロブロイ。ちょっとコクのあるウイスキーを頼んで見たところ、シーバスリーガルミズナラカスクを使ってもらうことになった。私の感覚だと、ライトなウイスキーという気もするのだが、だいじょうぶなのか?



いや、その心配も杞憂であった。このウイスキー、ロブロイにして見ると、意外なコクがあるね。すっかり酔っ払って、通しを出す仕事も一段落したママといろいろな話になった。

松江には25代続く地元の超有名人がいて、政治家として有名な竹下などその手下であるとか、街の人はあまり世間を知らず、殿様商売ばかりだとか、そんなような話である。

そうこうしているうちにもう一杯飲みたくなり、ギムレットを注文。



これを飲んでスッキリしたのだが、ママの話が止まらない。思いがけず予想より1時間くらい延長になり、そのあとホテルに戻り、シャワーを浴びて寝ましたよ。今日は14818歩。


なぜか松江(4)のどぐろ他

2019年10月21日 20時00分56秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
駅から美術館に向かう時には、「松江は人口も20万人くらいだし、やっぱり栄えていないな」と思ったのだが、夜になってくると俄然いい街に見えて来た。この辺はいわゆる茶屋街だったのだろうか。なんとも落ち着いた古い町並みがすごく素敵だし、ほっとするような味がある。



おや、造り酒屋の建物もあるぞ。



そして今日の1軒目、「NN」に到着。いわゆる大衆酒場だと思っていたのだが、もう少し落ち着いた感じの店で、店名の横には「大衆割烹」と書いてある。



店に入って席に着き、今日は最初から国揮を常温で注文。実はこの店に来る前に通って来た酒屋さんの酒なのだ。早速飲んでみると、少し癖のある濃厚な味わい。通しの小さな赤貝の煮付けがこれに合う。ちなみにこの辺では「赤貝」と呼ばれているそうだが、実際はサルボウガイという貝らしい。



つまみの注文は酒の肴3点セットのような、あかてん、あご野焼き、あぶりわかめでスタート。あかてんはさつま揚げに唐辛子を練りこんだようなもの。もっとジャンクな味わいかと思ったら、意外と魚の味がハッキリとする。



あご野焼きはいわゆるトビウオの竹輪であろう。こちらも魚の味がしっかりするね。そしてあぶりわかめは、まさしくワカメを炙ったもの。これも酒が進んでしょうがない感じだ。

つぎは大物の刺身盛り合わせ5種が到着。内容はメダイ、サンマ、ヒラマサ、白イカ、甘エビ(らしい)。サンマは北海道から来た身には興ざめのところもあるが、メダイは旨味がしっかり。白イカの甘さも中々のものだった。刺身に合わせ、酒は島根の豊の秋燗酒を注文。これは非常にオーソドックスで、食事によく合う酒である。



そして、島根に来たら食べなくてはならないのだろうか、のどぐろの煮付けを注文。途中の店のメニューでのどぐろの驚くべき値段を見たのだが(5千円超えてた)、この店ではそこまでではないようだ(サイズは多分小さめなのだろう)。



のどぐろは脂が乗っているというよりは、少し淡白できれいな身の味がした。ただし、こうなると北海道でも柳の舞とか、そういう魚でも対抗できないというわけではないと思う。

だいたいこれで満足したのだが、最後にご飯を少々頼んで、のどぐろの煮汁を合わせて食べる。これは手が全く止まらずに、あっという間にご飯を食べてしまった。

さらにしじみ味噌汁を注文。最初は熱すぎて味がわからなかったのだが、想像しているしじみMAXの感じではなく、割とあっさりとした味だった。これが本来の味なのかどうか、ちょっと分からなかったが、まあそれは良しとしよう。


3度目の静岡(16)

2019年02月10日 22時54分20秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
1軒目満席、2軒目は休みとあって、迷走していたがそのおかげでいいバーに出会った。少し陽気になって、長い道を戻る。やはり「OB」に行こうではないか。

しばらく歩いて戻り、店の扉をあけて「一人」というと、一番奥の方の席が空いているそうだ。よし、やったね。ものすごい大勢の人の中を通り抜け、カーブした長いカウンターの1席に座る。とりあえず、ハイボール、刺身盛り(小)を注文。

ふー、やっと落ち着いた。この店は大衆の中の孤独を味わうにはもってこいだ。刺身はマグロ、カツオ、ホタテ、白身の4品。そんなに素晴らしくいいわけじゃないが、まあ、そこはいいではないか。



続いてコップ酒をもらい、名物らしい湯豆腐を注文。コップ酒は210mlあるという、たっぷり感が嬉しい。湯豆腐は上に海苔、鰹節、ネギがたっぷり乗り、醤油あんのようなものがかかっている。関東と関西(だし汁がかかっている)の中間的なスタイルかもしれないな。そして店の雰囲気が実にいいのだ。





周囲の少しざわめく空気感を味わいつつ、先程からずっと昭和歌謡曲が流れているのもたまらない。小泉今日子「木枯らしに抱かれて」、「We are the World」とかね。

もう少し何か飲み食いしたいところだったが、酒は多めだし、腹もいっぱいになって来た(少食すぎるか)。ここで勘定をしてもらう。札幌にこの店があったら、時々行ってこの感じを味わうことであろう。





ふらふらとホテル方向に向かい、途中でコンビニに立ち寄って夜食と明日の朝食を購入。



プリンは記憶にあるが、緑茶割りははて、最後まで飲んだだろうか。