小樽に到着し、オーセントギャラリー、金融資料館へ。金融資料館は小樽で数少ないと思われる、ウォッシュレットのトイレがあるのだ。自分のためにメモしておこう。
それから市立小樽美術館へ。中村善策記念ホールの展示は一度見ているので軽く流して、2階の「木版画家 金子誠治・愛の絆展」へ。
「小樽冬景色」:山の樹が三角で描かれ、上手い事図案化されているようだ。
「白い灯台」「赤い灯台」:モノタイプで、油彩画のような感じ。私にはモノタイプの特性が良く分からなかった。
「石文」:手宮洞窟の文様とアイヌ女性を描いた作品。社会的なテーマも多いようだ。
「旧道庁前」:手前に大きく池を配置し、木々の間から道庁が見える素敵な構図。
「あかね」:近美にも所蔵されている、出航する船々を描いた作品。
説明書きが面白く、第6回道展に棟方志功が出品したのは彼との交流が縁になっていたとか。棟方の3作品はすべて入選したそうである。また小樽で看板店を営んでいた斎藤清とも一緒に作品を並べたそうである。斎藤が版画家を目指して上京したので、その後、金子も上京したとか。
また1986年道新に掲載された自伝エッセイが面白かった。彼は角野から金子に改名しており、ある時、角野誠治名義の画に高値がついて展示されているのを見たそうだ。「これどういう人」と聞くと、「夭折した天才画家の作品です」と聞かされて複雑な気持ちになったとか。
続いて小樽文学館。「追悼・小林金三展-ジャーナリストの肖像」では、小林の小樽風景画が展示されている。「日本縦断文学碑めぐり」は文字通り、日本各地の文学碑・文学館などの資料を集めたもの。
コーヒーを飲んで、マンガで時間をつぶして、そろそろ飲みに行くことにしよう。ところで美術館・文学館の裏手はポプラも伐採され、すっきり工事中であった(このポプラ伐採問題は、難しいものがある)。