散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

ホワイトアスパラ

2007年05月30日 22時10分14秒 | 飲み歩き・琴似界隈
仕事が非常に早く終わった。私の琴似ゴールデンコースへ。

1軒目は居酒屋「D」。最初から日本酒を注文。「黒龍垂れ口」「醴泉」と飲む。食べ物は平目刺身から。重さ2.5kgの大物ながら、ヒレの部分が擦り切れていたので安く仕入れられたのだそうだ。

うーむ、この平目は味が濃厚だなあ。普通の白身の部分の味がしっかりしている。そしてエンガワ。噛めばかむほど甘いエキスがたっぷりと出てくるのだ。続いてホワイトアスパラを注文。

【1本食べた所】


メニューに「ホワイトアスパラ」としか書いていないので、一体どういう姿で出てくるかと思っていたが、ゆでてあるようだ。生のアスパラを焼くのが一番と思っている私は少々ガッカリしたのだが、食べてみて驚いた。実に味がしっかりしているのだ。

マスター曰く「アスパラをごく軽く茹で、皮を煮て取ったアスパラ出汁に一晩漬け込みます。昨日処理したんですが、今日のほうが味がのっていると思います」ということであった。うーむ、先入観を覆される味だ。ちなみにニセコ産で、味付けはマヨネーズも合うが、あえて塩と胡椒だけにしたとのこと。

さらにグリーンアスパラの漬け物を少々つまませてもらってから、日本酒をもう一つ(銘柄忘れた)、サクラマスかま焼きを注文。サクラマスは焼き上がりに時間がかかるそうで、合間にあら煮をサービスしてもらった。今年のマスターのテーマは「あら、子、骨を捨てずに料理して、お客さんにサービスしよう」ということらしい。「自分で決めたテーマなんですが、手間がかかるんですよ」と笑っていたが、客にとっては何とも嬉しい話だ(隣のおっちゃんも「それはイイ」と喜んでいた)。



さて、サクラマスが到着。イメージとしては少々淡白な気もするのだが、早速食べてみると、身はしっとり、皮目の部分のいい脂が実に美味しい。しばし無言で食べ進み、満腹。勘定を払う時にママに「きちんと食べたねー。皮を残す人には一言言いたくなるんだよね」と言われた。子供の頃の私なら叱られていた所だ。

まだ少し明るい中、琴似のバー「D」へ。1杯目はアイル・オブ・ジュラ・スーパースティション。かなり濃厚甘め、ワイルドな味だ。2杯目はワイルドターキー・シェリーシグネチャー。バーボンらしさのあまりない、クリアーで切れのいい味。

マスター夫妻のマルタ島旅行写真(大量にあった)を見ながら、3杯目はクーブレイズ・クリアラック4年。熟成年数が非常に短いが、それ程乱暴ではない面白い味。本日のフレッシュフルーツがパイナップルということで、最後にブルーハワイを飲んで終了。

***
話は変わるが、急遽来週東京出張が決定した。月曜の夜宿泊で、火曜日帰りのため美術館には行けないが、なんとか居酒屋、バー1軒ずつくらいは回ろう。会社さまさまであるのだが、8月末にも東京出張(週末にかけて)がありそう。

20070528最近読んだ本

2007年05月28日 23時46分02秒 | 読書
「忘却の船に流れは光」田中啓文
決して途中の描写を買いはしないが、話があー展開して、こー展開して、実にSFの王道傑作である。

「若冲展図録」
何回見ても新しい発見があるので、これほど図録がお徳だと思ったことはない。印刷も市販本よりきれい。

「イニシエーションラブ」乾くるみ
再読してみたが、女性主人公繭タン、怖い。

「ゴールデンエイジ2 フェニックスの飛翔」ジョン・C・ライト
第3巻へのつなぎ?

「プルミン」海月ルイ
愉快犯の犯行とも思える子供の毒殺事件は誰が犯人なのか。いじめ問題を含め、社会問題が満遍なく出すぎているような気がする。

以下、図書館の3冊。
「ももこのトンデモ大冒険」さくらももこ
何かスピリチュアルなものに引かれたがる人って、この世に存在するよな。作者も現場に行くと非常にシビアな見方をしているのだが、私からするとそういう現場に行くこと自体引かれているように思えるのだ。

「こんな女とは暮らせない」荒谷慈
何読んでるんだ、私。

「図解雑学京都のふしぎ発見」高野澄、杭迫一
いろいろ不思議があるなあ。

話は変わるが、京都のギャラリーを巡っているとき、「京都画廊連合会ニュース」というのを入手した。100近い京都市内の美術館・ギャラリー・画廊の1ヶ月の展覧会予定が小冊子になっているのだ。札幌でも誰か作ってくれ! (定価2000円/年)

何気ない休日

2007年05月27日 15時14分57秒 | 食べ歩き
久しぶりにゆったりとした休日。幸い昨日激しく飲んだ二日酔いもなく起床。「新日曜美術館」を見て、図書館へ。図書館の棚からまんべんなく借りようシリーズを続けているのだが、心理学は良いとして、超心理学・占いの棚は選ぼうとするだけで辛い。

私は現代科学で認知できないものを否定する気持ちはないが、占いなど金輪際、天と地がひっくり返ろうが、太陽が西から出ようとも(←大げさ)信じない。もちろん、人生経験を積んだ占い師が、悩み事のある人の話を聞く効果は否定しないし、占いを信じる人の心理的なプロセスは分からないわけではない。

昼になり、旧5号線沿いの中華料理屋「H飯店」でホイコーロー定食。自分でも作れるだろうというようなメニューこそ、素人とプロの差が際立つ。油通ししているため、歯ごたえが残りつつむらなく火が通っている野菜に、ごはんにあわせるためやや甘辛の強い味付けがピッタリだ。野菜サラダ、優しい味の卵のスープもついて、文句なしの味。ジャスミンティーを飲んで終了。

床屋さんにより髪を切ってもらう。疲れが出てうとうと。ここのお母さんは美術好きで話を聞くと、私も好きな画家MM氏がここに来ているらしい(同姓同名ではないと思う)。

最後に酒屋さん「M」に立ち寄りマールと瓶詰めのアンチョビを購入。フランスの赤ワインを立ち飲みで一杯飲んでから帰宅。うーん、眠くなってきた。

SMWS

2007年05月26日 20時28分44秒 | 飲み歩き・琴似界隈
本日は2時からSMWSのテイスティングイベントがあり、琴似のバー「D」へ。時々私が飲んだウィスキーの銘柄をブログに書くときに「(SMWS)」などと書いていることがあるが、これはThe Scotch Malt Whisky Societyというウィスキー愛好家のクラブのことで、そのクラブがセレクトしたウィスキーは非常に評判が高いのである。

昼間の「D」に足を踏み入れると、ウィスキーのボトルが50本ほど並び、既にウィスキー愛好の猛者たち(←それほどすごい人達でもない)が会場にたむろしているのであった。良い品が多すぎて、とても目に毒なリストをもらい、最初はロングモーン38年からスタート。以下に今日飲んだウィスキーを書いておく。



蒸留所、熟成年数、アルコール度数、私のしょうもない感想の順である。
(1)ロングモーン、38年、49.8%、すべてが突出していないのに鮮烈な味で香りにも十分なパンチがある。
(2)モートラック、6年、61.6%、最初は香りがしてこないが、梨のような後味がふわーんと来て物足りなさはない。かなり良い。
(3)ミルバーン、15年、56.4%、これは中々飲めないフレーバー(メモ忘れた)。
(4)バルブレア、10年、63.7%、オールドボトルなので、たぶん一味違うはず。強く、後味にパンチあり、長いフィニッシュ。
(5)ストラスアイラ、33年、51%、直前に飲んでいるものも中々美味しいものばかりなのだが、一段と深い味。底から香りがぐーんと伸びてくる。これこそ長いフィニッシュというべきか。
(6)グレングラント、33年、52.4%、飲み易いのだが、それでいてこの深みのある味はどうだろうか。華やかでありながら深い。脱帽、沈黙。

テイスティングなので量は少なめなのかなあと思っていたが、十分な量が入っており、お分かりの通り16時半にして、かなりの酔っ払いである。SMWSジャパンの人も来ていたので、色々面白い話も聞けた。

ワインにしろ日本酒にしろ、テイスティングをする場合には飲まないようなイメージがあるので、「ウィスキーのテイスティングって、一般的に飲むんですか」と聞いてみたところ、「我々は飲みますね。飲まなくても表面的な香りは分かりますが、飲んで後からぐっと上がってくる香りは分からない。それでは会員の方に味を説明できません」ということであった。

それからいつもSMWSのボトルには一言コメントのようなものが書いてあって、気になっていたので「あれは誰が書いているのですか」と聞いてみたところ、「数人で樽をセレクトする時に、いろいろな表現をします。かなりの飲み手ばかりなので、ちょっと面白い表現も飛び出して、それを最後にチーフが選んで決めるんですね」ということだそうだ。本日のボトルでは、

(1)Dense dark fruity
(2)Harry Potter's introductions to Whisky
(5)Rose petals and pears
(6)Seriously drinkable

と書いてあった(抜けたのは忘れたのと、書いていなかったのと。つづりも正しいかどうか分からん)。

で、相当酔っており、これ以上飲みに行くのは難しい。近くの「N」で塩ラーメンを食べて、カラオケへ。



今日は面倒くさくなってアニメ縛り。

・あしたのジョー
・アタック№1
・宇宙戦艦ヤマト~真っ赤なスカーフ
・(宇宙の騎士)テッカマンの歌
・エースを狙え
・科学忍者隊ガッチャマン
・キャッツアイ
・キャプテンフューチャー~ポプラ通りの家(この曲を知っている人がいるだろうか。私の先輩U氏以外にであったことが無い)
・キューティーハニー
・銀河鉄道999
・GetWild(シティハンター)
・ペガサス幻想~聖戦士星矢
・タイガーマスク
・デビルマンのうた(デビルマンのコミックス版を読んだことがない人がいたら、本当に読んでほしいと思う)
・バビル2世
・妖怪人間ベム(スキャット調のカッコいい曲だ)
・北斗の拳~愛をとりもどせ
・マジンガーZ
・おれはグレートマジンガー
・Secret of my heart(名探偵コナン)
・ルパン三世
・勇者ライディーン

酔っていたため制御がきかず、年齢がもろバレな選曲になってしまった。これだけ歌って、入ったのが昼時間のため1050円。カラオケ屋さん、ゴメン。

20070526ギャラリー巡り

2007年05月26日 13時02分45秒 | ART
本日は久々の札幌ギャラリー巡り。近代美術館→札幌市資料館→コンチネンタルギャラリー→大同→富士フォトサロン→たぴお→STV北2条→道新→時計台→セントラル→さいとう→ARTスペース→ユリイカ→北海道画廊→さっぽろ画廊の15箇所。

■近美は「空海マンダラ展」の後期。意外とどの作品が入れ替わっているのか分からないものだな。

■コンチネンタルギャラリー「少女論」。映像作品は全部見たが、結構面白い。俳優役で佐々木けいし氏が登場していた模様。展覧会全体が少女的でこそばゆい。

■たぴお「漆山豊 横山隆 竹田博展」。竹田さんの珍しい作品「ペンのコンポジションと雑事のコンポジション」があった。

■STV北2条ビル「関原範子造形展」。工芸品のような宗教的モニュメントのような立体作品。私はわざわざ展覧会を見に行っているためビルのロビーが異世界に変わるのを楽しんでいるのだが、普通にビルで仕事をしている人はどう見ているのだろう。目に入っているだろうか。

■セントラルのエレベータでKさんご夫妻と出会う。初対面の奥様に「先日展覧会を拝見いたしました」とご挨拶した所、Kさんに「このひとSHさん」とハンドルネームで紹介されてしまった(また照れる)。すると奥様から「体を壊さないように・・・」とのお言葉。どうもこのブログを読んでらっしゃるのですな。という私も奥様のブログは見つけて拝読しているのだ。

■さいとう「更科秀遺作展」。「ウォーターマーク」などとても好きな雰囲気の作品がある反面、「バーニングマーク」は一原有徳さんの作品そっくりに見える。うーむ。

■ARTスペース「飛山窯作品展」。焼き物の皿で大お食事会になっていた。うーむ。「真野朋子写真展」。最近、写真をなかなか撮影できなくなっていたという本人挨拶があったが、バンバン撮ってほしい。”美は細部に宿る”と想う。

■北海道画廊「韓三淑 水彩画個展」。こういう写実的な水彩画、好きである。赤い花の色彩がポイント。

久々、札幌の休日

2007年05月26日 12時40分12秒 | 食べ歩き
三週間ぶりに札幌ですごす週末である。天候も時々小雨でなんとか持ったため、久しぶりにギャラリーを回る予定だ。その前に昼食。

時々会社の面々と飲みに来る「M」へ。おまかせランチを注文した。



鮭そぼろとイクラのミニ丼、海老カツ、冷やしうどんのランチである。北海道の人は時々爆発的にイクラを食べるので、それ程ありがたいわけでもないが、まあ美味しいことは美味しい。



海老カツは海老のプリプリ感はあるが、エビフライに比べるとちょっと寂しい気持ちになる微妙な食べ物だ。



文句を言いつつ、全般的には旨い。満足。

利尻

2007年05月25日 19時40分00秒 | 飲み歩き・大通、札幌界隈
会社の会議室から近い、立ち飲み「R」へ。

福司とほっけのかまぼこを揚げて焼いた「利尻焼き」というのを注文。酒をちびちび飲んでいるうちに利尻焼きが到着した。串に刺された熱々のかまぼこには、アクセントにコーンが入っており、北海道らしい味だ。

昆布焼酎りしりを追加。北海道産の焼酎であまり美味しいと思ったことがないのだが、これは普通に飲める。今、検索して昆布焼酎だということが分かったが、それほど風味がするわけではないところが良い(昆布くさいのはちょっとね)。

週末はゆっくり休んで、しばらく忙しかった最近の疲れを取ろう。

20070523最近読んだ本

2007年05月23日 08時08分39秒 | 読書
読んではいたが、書く暇が無かった。

帯広に行った時の4冊
「水の迷宮」石持浅海
水族館を舞台に謎の脅迫事件。結果として脱法行為が気になる私は小市民である。それから登場人物が全員妙に頭が良すぎるし。

「名探偵 木更津悠也」麻耶雄嵩
このタイトルにして、実はワトソン役を務める男に注目。

「痙攣的」鳥飼否宇
推理小説というか何と言うか。伝説のバンドにまつわる不思議な謎。最後を除いては面白かった。

「まひるの月を追いかけて」恩田陸
異母兄が失踪したのを追いかける旅のはずが・・・。ストーリーに載せられ振り回されること間違いなし。そしてこんな最終地点に至るとは・・・。主人公が女性だけに、女性読者は納得行くの?

※帯広で十勝ブランデー原酒1982年を購入したが、強力なアルコール度数だけではなく、とても美味しかった。180mlで2000円もするのだが。

京都に行った時の4冊。
「創竜伝13」田中芳樹
小早川奈津子怪走の一幕。

「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午
確か「このミステリがすごい」第一位だったっけ? そんなことはともかく、一読後、すぐにもう一度読みたくなる傑作。気持ちよく騙された。

「東寺の謎」三浦俊良
東寺の売店で購入。面白かった。

「新 夢十夜」芦原すなお
人の夢ほど興味の持てないものはないが、そこを上手く小説として成り立たせている作品。

「雷神基地 ペリーローダン335」フランシス、ダールトン

「ローカル線各駅下車の旅」松尾定行
”鉄”の中でもなるべく各駅で降りようじゃないかという派閥の作者。私も”鉄”ではないので、同感。日高線で様似に行く話があり、やはり行かなくては。

「ST黒の調査ファイル」今野敏
無口な黒崎がついに主人公となる作品。警察内でもわからずやの悪役が出てきて、やはりこうでなくては。

「ショートショートの広場19」阿刀田高編
わりとつまらない作品が無かった今回。しかし「三方一両損」の逆を行く話は、星新一のエッセイになかったか? 少なくともどこかで前例があるぞ。

「ジュリエットの悲鳴」有栖川有栖
2大シリーズ探偵が人気の作者ではあるが、それが登場しなくても何となく推理小説愛を感じるので楽しく読める(再読)。

「謎解き洛中洛外図」黒田日出男
通称「上杉本」をいつ誰が作成し、誰が贈ったのか(一般的には信長)の謎を解く。詳しくないので、この本の説の妥当性は不明。

「暗い宿」有栖川有栖
旅館やホテルに泊まるシチュエーションで事件が発生。どことなく紀行モノの楽しさがある(再読)。

ニシンのマリネ

2007年05月22日 21時44分02秒 | 飲み歩き・すすきの界隈
京都から帰ってきて、何となく疲れの抜けないまま、すすきののバー「C」へ。

1杯目、珍しく白ワイン。その理由はここで旨いと評判の特製ニシンのマリネを注文してみたいからである。私はバーで滅多に食べ物を注文しないのだが、こないだ食べていた人も旨いって言ってたし、マスターも自信ありげだったしなあ。

で、サラダ仕立てのニシンのマリネ到着。湧別産とあるニシンは、ほどよい酸味、もちろん小骨など全く感じない滑らかな味。マスターに「骨はどうしているんですか?」と聞くと、「腹骨などは普通にとってますが、本当に細かいのは漬けているうちに溶けちゃいます」とのことであった。なるほどこれは「一番人気」という宣伝に偽りなしの味である。

2杯目はアクアビット+ラフロイグ10のアクアビットスモーキーマティーニ。これはアクアビットの香りとモルトの香りの二重奏で、意外な新発見味である。3杯目にオールドパルを飲んで大満足。

満足したなら帰れという心の声を聞きつつ、もう一軒バー「N」へ。アクアビットつながりの1杯目は、アクアビット+柚子のリキュール+シャルトリューズ+抹茶のリキュールの不思議な味のカクテル。

2杯目は先日味見をして香りが良かったグレイグース(ウォッカ)のオレンジフレーバーを使ったバラライカ。なるほど、レモンの上にオレンジの香りが追いかけてくるなあ。

3杯目はカルヴァドス+グレナディン+アマレット+赤ワインと、これまた面白いレシピ。かなりの酔っ払いになり、帰る。

京都グラフィティ

2007年05月20日 23時34分11秒 | 写真館
【さる寺というのがあるのだ。後方に犬もいる】


【関西名物”指つめ”】


【Jeff! 英会話スクールであった】


【こういうセンスはいずこも同じ】


【光悦? 自動車?】


【六波羅蜜寺の前にある六波羅飯店。名物は六波羅丼(本当・・・か? メニューにはあった)】

京都紀行(7)終わり

2007年05月20日 22時22分13秒 | 旅日記
3日目午後&夜

時間がややあり、建仁寺に移動。ここには仏像は特にないが(かの有名な俵屋宗達の風神雷神像もレプリカが置いてある)、まず庭が立派なのである。庭に向かう縁側で、ボンヤリ読書をすれば数時間は経ってしまいそうだ。



もう一つ法堂にある小泉淳作の「双龍図」というのが天井画でありながらかなり大きく見え、予想外の大作であった。



今日は京都滞在最終日。最後に再び「SS」へ。



【不思議な味わいのレシート】


今日は酒のつまみを中心に、色々試してみることにしよう。まずスタウト、きずし、ポテトサラダ、春巻。

【きずし】


【春巻。薄焼き卵に衣をつけて揚げたようだ】


きずしはつけダレが「酢」だけのように見えるが、これをつけてもよし、小皿にとって醤油を少しかけても良しである。春巻は中身の大部分が春雨で、あっさりした一品。昨日はボリューム間に恐れおののいたものであるが、つまみっぽいメニューは適正量である。

肝焼き、シュウマイ、タコ天ぷら、月桂冠(京都の地酒であるなあ)を追加注文。







肝焼きは温めてもらったのだが、甘いタレのかかったちょっと北海道では見ない傑作。タコ天ぷらも決して硬くなくサックリと歯が通りつつ、かつ中心部分から海のエキスが流れてくるという大傑作である。これで昼から一杯やれる京都の人びとが羨ましい。

【店内はこんな雰囲気。京都の人が羨ましい】


もう帰らなければならんのかと言いながら京都駅に着いたが、予定していた特急「はるか」が路線中の信号停止多発により(イタズラか?)1本運休。予想より30分遅い電車に乗ることになってしまった。結果として飛行機が飛ぶ14分前に関西空港に着きダッシュ。無事飛行機に乗れて千歳空港には帰って来た。あまりに慌てて飛行機に乗ったため、京都のお土産をまったく見ることができなかった。

残念の17862歩。

***
帰宅して京都のことを思い出しているが、実に素晴らしい酒場と何ともおちつく京都弁。実に良い街であったと思うが、住むとお付き合いが大変なのではないかと思うのだ。しかし今まで敷居の高かった京都であるが、また行きたいという気持ちで一杯である。

京都紀行(6)

2007年05月20日 13時09分44秒 | 旅日記
3日目午前

旅先で段々疲労がたまり、二日酔いもあり遅めの起床。今日の朝食バイキングでは、和食中心にしてみた。鯖を焼いたものが旨い。



京都駅を経由してぶらぶらと東寺へ。やはり仏像勢ぞろいを見物するには欠かせない寺である。

早速、講堂に入る。ここでは二十一体の仏像があるが、五大明王、中でも降三世明王の戦闘ポーズが素晴らしい。金堂へ移動すると、こちらは薬師如来像の威圧感が目立ち、その足元を支える十二神将像が大人しく見えてかわいそうである。周りを固める日光・月光像もスケール感が大きく、更にその三体の回りに大きな蓮の花の像も飾ってあるのだ。

最後に食堂(じきどう)へ。ここではかつての火災で黒コゲになった四天王像(かなり古いものらしい)に悲しみを感じてから(国宝を解除されたらしい)、宝物館へ。ここにどんな仏像があるのか知らずに来たのだが、まず巨大な千手観音像に驚愕。

これも火災から復興されたらしいが、飛び出す千手はまさに「北斗百烈拳」である。さらに全くここにあるとは気づいておらず、とても見たい仏像であった「兜跋毘沙門天」に思いがけず出会って感激。ちょっとしたツリ目のお顔と、海外伝来と思われるカッコいい鎧(聖闘士星矢のゴールドクロスみたいだ)がとてもステキな仏像である。



次も東寺内の「観智院」で宮本武蔵の作品を見る。本物かどうか真に受けて良いのか分からないのだが、鋭い筆づかいであることは間違いない。さらにボランティアのガイドさんに話を聞きながら五大虚空菩薩像を見る。お顔がちょっと違うと思ったが、中国の仏師が作ったためらしい。

【観智院自慢の庭。石で龍・魚・船などを模しているのだ】


ここからタクシーで六波羅蜜寺に移動。どうしてもここで見たいのが「空也上人像」である。地味な宝物館であったが、とても小さな空也上人にご対面。まさしく説法のために歩き出そうとする上人の姿であるが、それに加えて唱えた「南無阿弥陀仏」の言葉が口から仏像の姿になって出ているのだ(半開きの口から針金が飛び出ており、そこに6体の小さな仏像が載っているのだ)。奇仏好きの私が、知る限り見たいと思っていた最後の仏に満足。ありがとう空也上人。

京都紀行(5)

2007年05月19日 22時55分14秒 | 旅日記
2日目そろそろ夕方。

夕方まで時間があり、ローカルな感じの古河町商店街へ。鯛カブトが大量に売っていたり、肉屋のオヤジさんに「コロッケあるよ」と声をかけられたが、残念ながら空腹ではなかった。不思議なほど行列している鞄屋さんを経て、居酒屋「A」へ。

京都で有名な「A」であるが、残念ながら17時半についたときには既に満員であった。来る前に雑誌で読んだ記事を思い出し、割と近くにある「TS」へ。まだ空に明るさの残る時間帯であったが、既にカウンターには数人の客がおり、奥のテーブルに着席した。



実は少々二日酔いであり、最初の一杯はピコンパンチ。ロングカクテルで飲み易いであろうという思いと、ピコンの薬草効果を期待してのことである。予想通り胃に優しいカクテルを飲みつつ、突き出しの白身魚のパテを食べる。この店の食べ物が旨そうな予感を感じつつ、オードブル盛り合わせを注文。到着したのはスモークサーモン、生ハム、鴨である。割とありきたりであるが、旨いことは間違いない。



続いて「あまりドライでなく」とマティーニを注文。「これならどうですか。甘めに作りました」というマティーニは、確かにドライではないもののかなりのハードさである。次はムール貝トマトソース煮と赤ワインを注文した。ニンニク味が効きつつ、トマトソースも爽やかなムール貝が美味しく、パクパク食べつつさっぱりした赤ワインも飲み干す。



「大人の遊び場」という言葉がピッタリなバーであった。ある程度食べるものを食べたので、「A」は諦めて、バー「K」へ。今日の京都はかなり涼しく、私以外に半袖で歩いている人はいない。階段を昇り店内へ。



疲労感を感じて最初は甘めのチェリーブロッサムを注文。次にまたあまりドライでないマティーニをお願いした。「今日はどちらに」というバーテンダー氏の誘い水に、札幌からはるばる伊藤若冲を見に来た話をする。バーテンダー氏もバーで結構話題になるせいか、若冲を明日見に行くらしい。とても混雑することをレクチャーしておいた。

レバパテ、ピクルスなどのつまみにちょうど良いメニューを頼みつつ、三杯目に苦いカクテルをバーテンダー氏にお願いしたところ、シェリー+苦味のあるベルモットのカクテルが到着。それをゆっくり飲み、最後にジャックローズで締めることにした。「生のグレナディンが無いもので」とシロップ入りのジャックローズであるが、この店のは旨い。味はもちろん、カクテルを作成しているカウンターに下からピンポイントでライトが当たるという趣向があるのだ。このライトの中で作っている最中のカクテルは、通常以上に美味しく見える。

【バーKのトイレにはミニボトルの飾りがあった】


アルコール度数の強いカクテルを結構飲んだ。今日はこの辺でホテルへ(28178歩)。

京都紀行(4)

2007年05月19日 16時25分12秒 | 旅日記
2日目午後

京都市勧業館へ。京都の伝統工芸(京友禅、西陣など)を紹介するための超豪華施設である。まず貸しギャラリーで「京画水彩展」「楽々波回水墨画展」を見て、次に日図デザイン博物館のデザイン画を見学。それから伝統工芸館をさっと流し見る。途中で特別企画「輪島漆芸秀作展」をやっており、あまり興味がなかったのだが見てみることにしてみた。

まず、漆塗りのソファーがあり会場のオジサンが「どうぞ」と座らせてくれる。瑕をつけそうで不安になるようなできばえで、値段が500万円・・・。加賀空港の貴賓室においてあるような品物だということだ。後、驚いたのが通称「彦根屏風」を漆塗りで再現したものが、価格5000万円・・・。まあ、値段の高い品はともかく、漆器でも見ただけで美しさが分かるものがあることが良く分かり、良い経験であった。

さあ、次は京都市美術館別館「青塔社展」。グループ展ながら、各自の個性が伝わってくるようで、水準は高いと思う。京都市美術館では「日本アンデパンダン展」へ。



さすがにメッセージ色の強い作品が多いような気がする。かつては佐藤忠良、いわさきちひろ、本郷新、福沢一郎も出展していたらしい。

京都国立近代美術館では「福田平八郎展」はとばして(ちょっと作風に興味がない)、常設展を見る。



■「春霞」西山翠嶂:艶かしい天女にドキッ!


■「髪を梳く婦人」エドガー・ドガ:小品だけれども落ち着く。


■「夜明け、夜でも昼でもなく」ザオ・ウーキー:暗い抽象画。筆のタッチが前衛書道にも似ている。
■「曠野」里見勝蔵:こりゃまたヴラマンクチックな作品。


■「北白川幻想」三尾公三:青い背景に白いミシンと手首の描かれた静かに神秘的な作品。
■「赤い土の上の出来事」:火星風景を思わせる細密描写が気に入った。

以上で美術館巡りは終了。他にも展覧会をやっているのだが、どこでもやっているようなものよりも、京都に来たならではのものを見たい。どうやらこの近辺はギャラリーの多い地域らしく、歩いているうちにまず「星野画廊」という画廊を発見。小ぢんまりサイズの「わだつみのこえ」本郷新、ピンクフロイドの「原子心母」ジャケットを思い出させる鹿子木孟郎の「放牧」など良い作品があった。

さらに「GALLERYはねうさぎ」へ。2室あり、どちらも若い女性の個展である。「窓花個展 感情論」は増殖するニョロニョロ(byムーミン)のような物体を大量に描き、彩色した作品。「大谷かほる展」は綿などの柔らかい素材にスタンプしたような版画展。なるほど、京都ならではという感じでもないが見ることができてよかった。

もひとつ「ギャラリーたづ」で石本正の花の画(この人、舞妓さんを描くと凄いのだが)、堂本印象の作品を見る。それから「アートスペース884」で「彩々展」というグループ写真展。これは京都ならではの素材も多く作品になっている。

京都紀行(3)

2007年05月19日 13時06分15秒 | 旅日記
2日目午前
かなり早く起きて、ホテルの朝食バイキングへ。今日は洋風主体で行ってみた。



美術館の開く前に京都タワー観光。エレベータで展望台に上る。京都タワーの展望台は中が2層になった楕円体の上の部分から入り、下の部分に抜けてからエレベータで地上に戻る。精神的なものであるのだが、楕円体の下の部分にいると足元がスカスカするような感じで落ち着かない。軽度の高所恐怖症である私はそそくさと地上に降りた。



【京都タワーのキャラクター「たわわちゃん」・・・どうよ】


さあ、今回のメインテーマ相国寺「伊藤若冲展」へ出発だ。会場に近づくにつれ段々人が増えてきて、最終的に美術館の建物の周りから大行列となった。





ほぼ建物の周りを1周し、いいだけ歩いてから館内に入る。しかし、第一室の最初は伊藤若冲像(久保田米僊)から始まり、中々時間がかかりそうだ。途中で痺れを切らして「動植綵絵を見に来たのだ!」と決然と第2室へと移動することにした。

そうまでして来た第2室だが、もはや大混雑。それでもまだましに見える後半部分から見ることにした。こちらは何とか最前列に入ることができ、じわじわ進む。幸い若冲の画は見るのに時間がかかるので、ゆっくり動くのは望む所である。前に三の丸尚蔵館で鶏の図はかなり見たので、それ以外のものがやはり目に付く。

■老松孔雀図:孔雀の孤高ともいえる姿から気品が漂う。
■老松白鳳図:こちらもまた白色の翼の輝きが素晴らしい。
■蓮池遊魚図:水中というより空中を泳ぐ魚たち。なぜか一匹違う種類の魚が可愛い。
■秋塘軍雀図:デザインパターンとも思えるような奇妙な雀たち。
■雪中鴛鴦図:鴛鴦もさることながら、この奇妙な枝ぶりと輝く雪は何だろうか。
■雪中錦鶏図:こちらは極彩色の錦鶏に、粘りつくような謎の雪。
■老松鸚鵡図:鸚鵡に「一体何を考えているのですか?」と問いかけてみたくなるような表情。
■芦雁図:これが今回の私のナンバーワン。氷の張る水面に向けて、急降下してくる雁の姿。激突するのか着水できるのか、緊張感が走る。
■薔薇小禽図、桃花小禽図:まさに花の過剰・過剰・過剰。
■池辺郡虫図:カエル大集合。
■貝甲図:貝大集合。
■群魚図:お魚大集合。

最後は少々いい加減な紹介になってしまったが、とにかく若冲の情熱あふれすぎて、現代にまで過剰に届く動植綵絵であった。

会場の前半部分はより一層の大混雑で、あまりの行列の動かなさにどんどん割り込みが発生し、その結果さらに人が動けなくなるという悪循環。会場の警備員の仕切りが悪いせいもあり、ラッシュ状態(札幌の地下鉄は通勤時間帯でもここまで込まない)での観覧はひどく疲れた。

燃え尽きて外へ。四条河原町に戻り錦市場散策。京都らしいものとしては、鱧、実山椒、ぐじ、生姜天ぷら(関西圏?)、鯛の子(生も煮たのもあり)、鯉・イサザ(琵琶湖の川魚?)、ひやしあめなどがあり、やはり面白い。



ひとしきり市場を眺めてから、新京極の「SS」で早めの昼食を取ることにした。昼から酒を飲む人の集う有名店であるが、あまりまだ客がいない。細長楕円形カウンターの片側に座り、スタウトとビフカツ(関西ならではの味だ)。





スタウトは通常黒ビールよりも濃厚甘めの苦い味。ビフカツは手のひら大2枚のボリュームで、衣がやや厚いため(値段を考えるとやむなしか)腹一杯になった。