土曜日になり、今日から完全自由行動。午前中から横浜へ。馬車道を歩いて「県立歴史博物館」へ。さすがに鎌倉幕府のあった土地柄、なかなか見物は多い。
昼食は洋食屋「B」でハヤシライス。上品ぶってなく豪快、量が多い。開港記念会館、マリンミュージアムなど見て、いよいよ飲み時間となる。
※この「B」もまだ健在の模様。しかしお店の人の高齢化が進んでいるようだ。
まずは、ニューグランドホテル内のバー「SGⅡ」へ。8年前にリニューアルしてⅡ(セカンド)になったらしい。店は英国調の重々しい雰囲気で、フロア長らしき年配の方が重みを出している。
フレンチ75(こいつは美味かった)から入り、マティーニ、バンブーを飲む。バンブーはこのホテルで作られ、日本から初めて世界的に広まったカクテルらしい。味も何となく東洋的な味だ(といえるかも知れない…)。バーマンが若いせいか(東野幸治に似ている、ちょっと軽い…)、伝統的と言うよりはいたって気さくなバーだ。
続いて、ここが今回のメインテーマ。横浜市内の「P」へ。1923年創業(!)でそのまま改築していないという店がまえに、
若干おののきながら入ると、バー歴47年のお母さんが迎えてくれる。この店ではマティーニがお勧めということで頼むと、何とも手際の悪い作り方、酒はこぼすし、混ぜ方もいい加減。正直内心「もうお年だし、ダメなんだな。ガッカリ」と思って口をつけると信じられないことだが、このマティーニがうまい。温度はピーンと冷えていると言うほどではないが、妙に加減が良い。
あまりの予想外の味に、「お母さん、これうまいね」と思わず声が出てしまう。さりげなく「毎日、作ってるからね」との返事をいただいた。とは言うものの、今年は大変な年で、計4ヶ月ほど入院していたらしい。何とか後3年(50周年)はお店を続けたいね、と言っていたが、いえいえずーっと続けてください。
同じ酒を飲みつづけるのは私には珍しいことなのだが、つい3杯もマティーニを飲んでしまう。最後にお母さんの手を握って、頭を深々と下げておいとましました。まさに町の人間国宝、いつまでもお元気で頑張って欲しいものです。
※残念ながら「P」は代替わりしてしまった。同じ建物ではあると思うが、もう当時の店とは別物であるだろう。