散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

帯広行き(2)

2002年02月17日 14時06分49秒 | 食べ歩き
翌朝、一番に道立帯広美術館へ。帯広に来ると、すっかりこの行動パターンになっている。昼食は、ラーメンにしようかとも思ったが、やはり豚丼だろう。発祥の地と言われる最有名店「P」へ。既に時間は1時なのだが、店は常に満席。他の客と同席することになった。

注文は豚丼の松(肉の量が一番少ない。→竹→梅の順に多くなる)と味噌汁。なぜかと言うと、二日酔いだからである。

さて、その味であるが、まず何より二日酔いがきつかった。そのせいもあるのだろうが、特に「うまい!」とも感じなかった。淡々と食べ終わり、食べ終わってから1時間くらいして体調のよくなった私は思った、「もう一度食べたい」。

土地のことを知らぬ者の推測だが、豚丼はもともと家庭料理。日常食べるものであって、決して「究極」だの何だの言うものではないのだろう。肉と言えば脂がのっていることがうまいことの証のようになっている昨今、豚肉さえその例外ではない。

しかし、豚丼の肉にはサシが入っていない。料理屋が「うまい」と言わせるだけならば、違う肉を使うのではないだろうか。そう思い直すと、焼いた肉の香ばしさを思い出し、控えめな味が好ましく思えてきた。

札幌に戻り、中華「S」で夕食。海老チリソース煮、五目野菜煮、チャーハンを食べる。

帯広行き(1)

2002年02月16日 22時01分55秒 | 飲み歩き・北海道内
帯広に行く前にどうしても行かねばならない所がある。札幌テレビ塔が改装になり、私のお気に入りだった「BS」が店を閉めてしまうのだ。閉店まであと3日である。開店と同時に入り(午前10:30)、ビール、酒、ピーナッツを注文。残念ながら、いつも私に声をかけてくれる店のお母さんはまだ来ていなかった。私は心の中で、ひっそりとこの店に別れを告げた。

さて、話は転じて帯広駅前。

あらかじめで調査しておいた、開業40年を越すという店「K」に入る。うーむ。ジャズのかかっている店内は、まるで純喫茶(古い!)のような雰囲気。バーカウンターはゆったり14席ほどあり相当に広い。一瞬にしてこの店構えが気に入った私は、ジントニックを頼む。店内には私を含めて3人しかいなかったが、内1人はちょうど帰りがけのようだ。

池乃めだか氏に似たバーテンダーが私の前に来た。彼曰く、「ドライなものといったらマティーニでしょう」「味を重視するとサイドカーは一番かもしれません」と基本に沿ったお勧めに従う。カクテルは作り方、味ともにクラシックだ。こうして書くと、渋いバーテンダーのようだが、声は高めで、風貌のこともあって、芸人さん的雰囲気が漂っている。客がいないので暇な店と思い、いろいろ帯広飲み屋事情などを聞いていると、突然予想外のことが起きた。

新たなお客さんが、ほんの20分かそこらで2、4、2、7、2人とやって来たのである。少々あっけに取られつつも様子を見ていると、客の年代は20~60代と幅広く、いつも来ている人たちばかりのようである。

急ににぎやかになり、注文のタイミングを失ったのだが、客は店に対し、店(の人)は客に対して愛情を持っているように感じられる。最後にバラライカを飲んで、店をでた私の機嫌は大変良くなっていた。

しかし、いささか飲み足りない思いがある。そこで帯広の新しいホテル「NL」へ。若いバーテンダー氏にギムレット、マティーニを頼む。やはり今風の作りである。最後に何か、と頼んでみると、ジン+ベルモットにカシスリキュールの甘さを少々効かせたものが出た。最後の一杯としてはちょうどよいだろう。

「札幌の「Y」に行った事がないんです」という彼に、「ぜひ一度行かれた方がいいですよ」などと話し、店をでる。