韓国が北朝鮮化してしまった今となっては、東アジアで頼みになるのは台湾だけである。蔡英文総統が自民党総裁選での安倍首相の三選を祝って「おめでとうございます。安倍首相の安定した政権運営によって、日本がさらに繁栄し、台日関係がより一層発展することを願っています」とツィートした▼台湾としては、習近平に媚びるような石破茂が当選することを望んでいなかっただけに、ほっと胸をなでおろしたのだろう。坂本多加雄は『国家学のすすめ』において、梅棹忠夫の「文明の生態史観」に立脚しながら、日本が似ているのはユーラシア中心部の専制的な中共やロシアよりも、緩やかな政治体制のヨーロッパであることを指摘した▼海洋国家日本という位置づけは、そこから生まれるのである。保守はユーラシア周辺部の台湾やフイリッピン、インドネシアなどとの関係を重視するが、左翼はユーラシア中心部との絆を強化しようとしている。帝国主義的な膨張政策に固執する中共を警戒するかしないかが、保守と左翼の分かれ目なのである。そうした文明史的な観点から安倍首相は日本外交を展開しており、その方針は間違っていない。ユーラシア中心部の専制的な侵略国家の脅威に対しては、日本は国家として身構えるべきであり、これまで以上に同盟国である台湾を大事にすべきなのである。
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