草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

道徳や慣習を否定する左翼は自由の敵だ

2023年02月07日 | 経済
 マイノリティーの人たちを排除しないことは当然ですが、彼らこそが社会変革の担い手と位置付けることは、人々の間に分断を生み、アントニオ・ネグリのマルチチュード(多数派民衆)の革命に手を貸すだけです。
 リベラル経済学の泰斗と言えばハイエクです。彼は革命など望んではいませんでした。人間の作為による強引な変革は、桎梏をもたらし「自由を奪うことになる」と警告を発しました。
 ハイエクによれば、人類がこれまで築いてきた道徳、法律、慣習というものは、それ自体に根拠があるから続いてきたのです。そして、過去から受け継がれてきた既存のルールの上にこそ、自由が成立するのです。それは強制ではなく、自然と身に付いたルールであり、それを壊そうとする勢力は、自由の基盤を破壊しようとしているのです。
 マスコミや左翼がマイノリティーの人たちを利用するのは、今の民主主義体制を倒し、独裁全体主義への道へと向かわせたいからです。
 もはや昔のような左翼は存在しません。マルクスの絶対窮乏化説や労働価値説などは、経済学の分野で否定されてしまったからです。残された革命としては、マルチチュードしかありません。だからこそ、左翼によるマイノリティーを押し立てた運動が、世界各地で起きているのです。
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米軍の中距離核ミサイル配備で中国は尻尾を巻く

2023年02月06日 | 安全保障
 中川八洋の本を最近手にして、唯一彼だけが今の日本の危機を予言していたことを再確認した。中川が『中国の核戦争計画 ミサイル防衛、核武装、日本・台湾同盟』で主張していたことは、今すぐ我が国が取り組まなくてはならないことである。
 中川は「脅威との共存」から「脅威の除去」へ、我が国が方針を転換することを説いている。いうまでもなく、その脅威は中国によるものである。中国の軍事的大膨張を阻止するには、その根源を絶つしかないのである。。
 中川は、私たち日本人に向かって訴える。「チベットの侵略に目をつぶり、中共がこれからなすであろう台湾への侵略に耳をふさぐとすれば、日本とは義もなく勇気もない国ではないか。義や勇は美徳の基本だから、日本とは徳なき国家ではないか」と叱責したのだ。
 中川が念頭に置いたのは「東アジア戦域限定核戦争」である。中国の戦争目的は、台湾の占領と日本の属国化である。あくまでも東アジアの戦争にしたいのだ。米中全面核戦争を望んではいない。
 そこで中川は中国が軍事大国化する2005年ころまでに、米軍のパーシングⅡの各部隊を、台湾と日本に配備するとともに、米軍の地上発射型トマホークを、日本の山陰、九州、沖縄、山梨、山形へ展開することを提案した。前者は北京や軍事指揮中枢、後者は中国の核基地、空軍機との破壊を目標とする。
 これによって、中国は戦わずして敗北するというのだ。そこまでの出血を覚悟して、日本や台湾を攻めても得策ではないからだ。
 中川の意見は採用されず、すでに2023年になってしまった。しかし、中川の「東アジア戦域限定核戦争」という考え方は、今でも有効である。自衛隊がスタンドオフミサイルを早期に開発し、トマホークを導入することが決定している。残された課題は、米軍が日本や台湾などの戦術核ミサイル基地を建設すれば、それでほぼパーフェクトである。
 そのためには、我が国は非核三原則を撤廃しなければならないし、米国と台湾との軍事同盟の締結、米国がロシアとの間に締結した中距離核戦力廃絶条約の破棄か、新たに結び直す必要がある。
 中川が米軍の日本や台湾への中距離核ミサイル配備にこだわるのは、三カ国が運命共同体となり、守りが鉄壁となるからだ。今すぐには日本の核武装は困難である。米軍の中距離核ミサイルで刺し違える覚悟を示せば、中国とて手を出すことはできないのである。岸田内閣にその覚悟があるかどうかなのである。
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日本有事が迫りつつある今こそ自衛隊に栄誉の大権を

2023年02月04日 | 自衛隊

 我が国は内外共に危機に直面している。しかし、老いさらばえてしまった僕には、できることといえば限界がある。不甲斐ない自分に苛立ちさえ覚えてならない。
 もはやこのままの平和が続くとは露ほども考えられない。日本は国家として身構えることなく、阿鼻叫喚の世界に突入しつつあるのではないか。
 台湾有事の際には、我が国が戦火に巻き込まれるのは、ほぼ確実視されている。この期に及んで、憲法9条を改正できなかったことは、自衛隊の諸君に申し訳がなく、弁解のしようがない
 正式の軍隊という名誉を与えられず、戦場に赴かねばならない自衛隊員。その心中を察するに余りある。かつての日本国民は歓呼の声で見送った。今では妨害して、嫌がらせをする者たちがいる。父よ恋人よ、息子を送り出す人たちの近くで、罵声を浴びせるのである、日本はこんな国に成り下がってしまったのだ。
 天皇が日本の国柄であり、日本文化の連続性と同一性を象徴する存在であるとすれば、自衛隊には栄誉の大権が与えられ、守るべき価値が明確にされなくてはならない。菊と刀は一体なのである。傭兵であってはならず、自衛隊の統帥権もまた、我が国になければならない。
 台湾有事は日本有事であり、米国と協力することは否定しないが、自衛隊員に自己犠牲を求めるのならば、それは日本の国柄が命じるのでなければならない。

「海行かば」
海行かば 水漬く屍
山行かば 草生す屍
大君の 辺にこそ死なめ
かへりみはせじ
(長閑には死なじ)
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昭和40年代後半の椎名町

2023年02月03日 | エッセイ
あれから歳月経ちまして
変わってしまった椎名町
僕のいたころあのときは
駅を降りれば左には
アーケードがありまして
立ち食い蕎麦に古本屋
いつも顔出す馴染み客
金がなければ本を売る
僕の本はすぐ売れる
目利きの才を認められ
店主に僕は喜ばれ
鼻高々でありました
一日一食蕎麦だけで
過ごしたときが懐かしい
右に曲がれば陸橋で
そこをくぐれば定食屋
風呂屋が並んだおりました
僕の住んでたアパートは
トイレが共同四畳半
近くに中華料理店
箱を積んでる果物屋
あの頃広い道だとか
勝手に思っていましたが
狭い路地裏こそこそと
蠢く人がいたのです
名前も忘れた喫茶店
「がきデカ」読んで
ゲラゲラゲラゲラ
笑った僕は若かった
当時の人は見当たらず
世のうつろいに涙です
向田邦子のエッセイに
なぜか出てくる椎名町
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台湾有事に備え海自の潜水艦の装備の充実を

2023年02月01日 | 安全保障
 地政学的に見て、沖縄の役割はどのような意味をもつのだろうか。アメリカの原子力航空母艦は、台湾有事の際には、ミサイル攻撃を恐れて、コミットしないのではないかとみられている。
 ロナルド・レーガンクラスは約5千人が任務に就いている。一隻沈められただけで、大損害を被ることになるからだ。中国から近い沖縄から米軍の戦闘機部隊を後方に下げるというのも、そうした観点からの措置である。
 また、倉前盛通は「日本政府も沖縄基地を重要視するであろうと考えることは沖縄の人々の自慰にすぎない。日本にとって琉球列島は通信情報上の重要地点にはなり得ても、攻撃的兵力の基地である必要はない。それゆえ、日本本土が必要な軍事力をもったとき、沖縄は昔と同じような平和な環境にもどることができよう」(『ゲオポリテック入門』)と書いている。
 中国は現在278基の中距離ミサイルを配備しているとみられる。その射程圏内のできるだけ後方に展開した方がより安全である。先島諸島や沖縄の自衛隊基地は、最初の一撃で壊滅的な打撃を受ける。玉砕戦法は死者の数を増やすだけである。
 我が国の反撃力の中心となる12式地対艦ミサイルは、陸上よりも潜水艦に搭載すべきだ。居場所を察知されにくいし、隠密行動が可能であるからだ。しかも、尖閣諸島付近に展開すれば、中国全土が射程圏内に入る。核ミサイルではなくても、原子力発電所や北京に向けて発射すればいい。さらに、中国軍が先島諸島を制圧しても、海自の潜水艦がうごめいていれば、すぐに孤立して音を上げるはずだ。
 沖縄を防衛するには、潜水艦こそがもっとも有効なのである。海上自衛隊は、昨年3月に最新鋭潜水艦「たいげい」が就役したことで22隻体制となった。ミサイルを搭載すれば鬼に金棒である。先の戦争の悲劇を繰り返すような地上戦は、最小限にとどめるべきなのである。
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