不思議な書き方である。語りは一人称(わたし三才)だが、視点は二人称(あなた父の愛人)。これは二人称小説というのだろうか。「アフターダーク」・村上春樹も奇妙な視点を持った作品だった。僕はブログでこう書いている。
「村上春樹は「海辺のカフカ」の後に、正確に言えば2004年に「アフターダーク」を書いている。これはとても不思議な作品で、視点は映画のカメラのようだ。シナリオのト書きのようにシーンの説明だけが語られる」。
「爪と目」は基本的には三人称小説だと思う。「わたし」の視点はとても三人称に近い。ただ、その視点はひたすら「あなた」向けられている。文章は平易で読みやすい。所々にドキッとする鋭い表現に出会う。ブログの世界は女性の感性が見事に表現されている。この小説自体がブログかもしれない。ブログも視点はひたすら「あなた」に向けられている。不特定多数という「あなた」だ。ふと、そう思った。
「村上春樹は「海辺のカフカ」の後に、正確に言えば2004年に「アフターダーク」を書いている。これはとても不思議な作品で、視点は映画のカメラのようだ。シナリオのト書きのようにシーンの説明だけが語られる」。
「爪と目」は基本的には三人称小説だと思う。「わたし」の視点はとても三人称に近い。ただ、その視点はひたすら「あなた」向けられている。文章は平易で読みやすい。所々にドキッとする鋭い表現に出会う。ブログの世界は女性の感性が見事に表現されている。この小説自体がブログかもしれない。ブログも視点はひたすら「あなた」に向けられている。不特定多数という「あなた」だ。ふと、そう思った。