朝日新聞2013/9/27(金)の夕刊に掲載された批評に対して書きます。沢木氏は「これは宮崎駿の作品ではない。と」最初に書いている。過去の作品とかけ離れているということだろう。後に続く文もその論証に過ぎない。人は年齢とともに変化する。一つのテーマを深める人もいれば、テーマを広げる人もいる。異なる分野に向かう人もいるだろう。宮崎駿監督はアニメ以外に自分の道を探ろうとしているように思う。次作がないのを一番よく知っているのは監督自身だと思う。終わったのだ。沢木さんは72才の監督に「となりのトトロ」を期待しているのだろうか? 私は「風立ちぬ」を完成させた監督に喝采する。沢木氏の言う「物語の階段」や「段差」を内蔵させることによって物語の悲惨さを際だたせている。私は素直に「風立ちぬ」に感動した。