創作日記&作品集

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「青春の殺人者」〈1976年〉 2

2014-03-12 06:38:24 | 映画・舞台
その後、連合赤軍事件を描いた作品が二つ作られた。
立松和平の小説「光の雨」をベースにした「光の雨」・高橋伴明監督(2001年公開)と「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」・若松孝二監督(2008年公開)である。
どちらも、秀作である。しかし、かえって長谷川和彦監督の「連合赤軍」が観たいという気持が募った。しかし、その噂さえ聞こえてこなかった。今は、「連合赤軍」という映画そのものの制作が可能かどうかを考えている。人は年をとるし、事件は風化する。しかも、観客は流動し続ける。今の若い人にアピールするだろうか? また、私たちの年代の郷愁をよぶ事件だろうか? やはり、あの時にしか作れない作品であったように思う。「光の雨」は現代から観た作品になっていたし、若松孝二作品は、彼だから出来た力業だった。やはり、「連合赤軍」は、長谷川和彦という名前をしても無理な時代なんだと思う。
ただ、監督の構想の中には「超能力」がある。講演の時に何回か出てきた。その時は、社会派ドラマに合わないなあと思っていたが、監督は真剣だった。「青春の殺人者」、「太陽を盗んだ男」の二作に共通するのは疾走感である。青春の疾走感と言ってもいい。「超能力」が「連合赤軍」を蘇らせるかもしれない。シナリオは完成していると思う。もうしばらく待ってみようか。しかし、監督も私も、残された時間はそんなに多くない。訃報が突然新聞に出るなんて嫌ですよ。
私には、「超能力」から連想する作品が一つある。半村良の傑作「岬一郎の抵抗」である。夢の夢だが、この原作を監督が撮ると思うだけで胸が高鳴る。