龍安寺の石庭
京都北山に龍安寺がある。枯山水の石庭として著名で禅苑の名刹である。
細かい白い石の中に15個の石山が置いてある。どの場所から見ても15個の石は全て一度には見ることができないように配置してある。
説明によると、人間は実際に目を開いて見てみると見えるものと見えないものがはっきりと分かる。しかし、眼を閉じて「心の眼」で観察すると全てのものが見えてくるという、禅の教えである。15個が全て見えなくても、眼を瞑って心で眺めていると不思議に全ての15個の石が見えてくる。石庭を鑑賞に来た人たちは、座って石庭と語っているようだ。
白い石が海の波と考えれば、石山は海に浮かぶ島であり、苔は松林に見えてくる。龍安寺の石庭と対峙しているといろいろと考えが浮かんでくる。