ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.8.18 主役はあくまでも自分

2014-08-18 20:20:51 | 日記
 何度もご紹介している朝日新聞静岡版・渡辺亨先生のコラムの最新号。今回も、そうそう、そうこなくっちゃ!と思ったので、ご紹介させて頂きたい。
 またも自意識過剰なタイトルになったが、再発治療を続けて行く上で、「主役はあくまでも自分」というのは常々実感していることだ。
 他でもない自分の人生、再発して無治療と決めない限り、基本はエンドレス、生きている限りの治療になる。ということは、当然自分の生き方そのものに直結してくる。
 だから、初発時の治療のように規定通り、言われた通りの標準的なレジメンだけが全てではなくなるのだ。
 自分がどうありたいのか、自らのQOLを保ちつつ、人生を精一杯愉しむ余裕を持ちながら、主治医と(もっといえば薬剤師さんや看護師さん等沢山の医療関係者の方たちとのチーム医療の長所を最大限活用しながら)二人三脚で作り上げていく治療、それこそが再発治療の醍醐味だと思う。

以下、転載させて頂く。

※  ※   ※(転載開始)

がん内科医の独り言(2014.8.16)
抗がん剤いつまで
 ■再発後の治療は長丁場
 「抗がん剤治療はいつまで続けるのですか?」
 再発がん治療を受けている患者からよくある質問です。
 抗がん剤治療が行われる状況は大きく分けて二つあります。一つは初期治療です。がんと診断後、手術や放射線治療と組み合わせ、完全治癒を目指す治療です。抗がん剤の期間はあらかじめ設定され、通常は半年以内に終わります。初期治療では、多少の副作用はどうにか乗り越え、規定の治療の完遂が大切だと我々は考えています。
 もう一つは転移・再発後治療です。がんが他の臓器に転移した場合、完全治癒は困難な場合が多いのですが、がんと共存して発病前と同じような生活を送ることができるよう痛みや呼吸困難などの症状を和らげ、延命をめざします。
 この場合、抗がん剤治療は期間はあらかじめ設定しません。原則は、効果があり副作用も許容範囲内ならば続けます。
 副作用が強くて続けられない場合は、抗がん剤の量を減らしたり、ケモ・ホリデー(抗がん剤を英語でケモセラピー、略してケモと呼びます)と言って抗がん剤治療をしばらくの期間はお休みしたりすることもあります。気分転換に旅行するなど、趣味に気持ちを向けることも大切です。
 また、永久に効果が続くわけではないので、別の薬剤への変更もあるし、効果が期待できそうな薬剤を使い尽くしてしまう日も来ます。新薬の効果や安全性を確かめる臨床試験に参加し、次世代のがん患者によい治療を残すことも重要な取り組みです。
 転移・再発後の治療は山あり谷ありの長丁場ですが、毎日の生活や仕事を犠牲にしないよう、気持ちの余裕を持つことも大切です。患者は医師の指示に従わなければならないと考えるのではなく、医師とコミュニケーションをよく取り、相談しながらいっしょに治療を組み立てていきましょう。(浜松オンコロジーセンター・渡辺亨)

(転載終了)※ ※ ※

 再発治療が始まってからは、基本的にずっと治療をお休みするということはなくなる。だから、治療がごくごく自然に自分の生活の一部になる。けれど、なるべく生活の全部にしてはいけない、と思う。もちろん長丁場の治療は、山あり谷あり“まさか”の坂のオマケつき。だから、どうしてもここだけは踏ん張りどころ!と短期入院して治療専念、生活の全てを捧げざるを得ないということもあるだろうけれど、基本は日常生活や仕事をこれまで通り続けられるように、効果と副作用のバランスを取りながら、日々を過ごす事が何よりの目標になる。
 こうして私は6年半をやり過ごしてきた。今のところ、規定量より少ない内服薬の服用でなんとか落ち着いた日々を送らせて頂けていて、今の治療を止めたい、とは全く思わない。このまま少しでも長く、今の薬で粘りたいと思う。
 もちろん、この薬が効かなくなる日が早晩やってくることも、理解している。その時は、今度はT-DM1(カドサイラ)のお世話になろう、とも考えている。その先、次の次のことは、まだ今はリアルに考えない。そうこうしているうちにまた、副作用がそれほど酷くなく効果のある新薬が出るかもしれないし、あるいは治験に参加することが出来るかもしれない。

 何より、今この時を大切に、美味しいものを食べ、行きたい所に出向き、会いたい人に会い、細く長くしぶとく仕事も続ける、これぞ私が主役!の幸せな人生への近道であると思う。
コメント (2)
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