ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.8.29心まで失ってはいけない

2014-08-29 21:22:07 | 日記
 全盲の男性が連れていたラブラドルレトリバーの盲導犬を刺した人がいる、という記事を読んで言葉を失った。

 報道によれば、フォークのようなものが凶器に使われた可能性が高いという。腰付近に直径約5mmの大きさの穴が等間隔に数個並んでおり、深さ2cmの傷もあったそうだ。
 先月末のこと、男性は自宅を出て最寄駅近くのコンビニ経由で職場に到着した後、職場の同僚の指摘で愛犬のけがに気付いたという。コンビニの防犯ビデオには犬用のシャツが血に染まっていたこの盲導犬が映っていた、とあった。

 盲導犬は人間社会の中で自らの勤めを果たすため、無駄に吠えないように訓練されている。そう、盲導犬はたとえ刺されても痛みを堪え、吠えないのだ。聴力には自信があるが、全く気付かなかった、と男性は言ったそうだ。それほどの傷を負いながらひと鳴きもせず、横にいるパートナーに気づかれることもなく、目的地まで同行し、どれだけの痛みを我慢したことか。
 それを判っていて、なんと卑劣な犯行だろう。

 男性は現在、事件前と変わらず電車で職場に向かい、仕事を続けているそうだ。刺された雄犬“オスカー”は「素直でお茶目で人間が大好きな性格」といい、傷が癒えて、再びともに歩み出したという。男性にとってもオスカーにとっても、どれほどショックな出来事だったかと胸が痛むが、彼らの前向きさと信頼関係に頭が下がる。

 盲導犬は、将来盲導犬となるための訓練を受けるために、生後2か月から1歳迄は、仔犬飼育ボランティア(パピーウォーカー)家族の一員として愛情をたっぷり注いでもらいながら、人間社会のマナーやルールを学ぶ。その中で、人に対する信頼感を身につけていくという。
 が、信頼していいパートナーなんだよ、と教わったにもかかわらず、こんな酷いことをする人間もいるのだ、とオスカーの記憶に刻まれてしまったとしたら・・・なんとも切ないではないか。
 一体誰が、何のために、と憤る。人としての心を失ったとしか思えないが、やりきれない。

 生きていくことは、思うに任せないことが多い。病を得ることもしかり、この男性のように光を失うこともしかり、である。皆が、その中で一生懸命生きているのである。
 何の罪もない自分より弱いものに対してこうした暴力を振るって一体何になるのだろう。
 たとえ身体は病んでも心まで失ってはならない。
 せめて名乗り出て、彼らにきちんと謝罪し、二度とこんなことを繰り返さないことを望みたい。

 ようやく金曜日になった。今日は仕事を終えた後、夫と待ち合わせて予約していた美容院でシャンプー・カット、アロマの香りのヘッドスパで癒しの時間を過ごしてきた。さっぱりして週末を迎えられそうだ。
 とはいえ、長雨続きのはっきりしないお天気で洗濯物がパリッと乾かないのが冴えないのだけれど・・・。

コメント (2)
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