昨夜は暑い中の移動が堪えたのか入浴後、あっという間に眠りに落ちた。4時前に一度お手洗いに起きて、二度寝。その後2時間ほどして目が覚め、再びお手洗いへ。お腹は快調である。暫し眠れずどうしたものかと思っている内にウトウト。モーニングコールが鳴るちょっと前のタイミングですっきり目覚める。
BSで朝の連続テレビ小説を視た後は、ゆったり足湯を済ませて身支度を調える。2度目の朝ドラを見終わり、画面は高校野球第一試合に切り替わる。そのタイミングで朝食に行く約束をしていた夫からうんでもすんでもないので、電話をするもなかなか出ない。その電話が目覚まし時計になったようだった。10分後に集合ということで、最上階のレストランへ向かった。
市内が一望出来る窓際の席に並び、和洋折衷ブッフェをしっかり頂きエネルギーチャージ。淀川を眼下に望み、遠くあべのハルカスまで見渡せる。
ゆっくりお茶を飲み、さて、今日はどうするかとはっきり決めないうちにホテルを後にする。朝からかなり暑い。起きた時、既に28度から9度まであった。一晩中下がらなかったのではないか。
JRで神戸まで行ってみることに。新大阪駅は既に旅行客等で大混雑である。少し遅れていた新快速で30分もかからず三宮駅に到着。海に行くか山に行くか迷ったけれど、異人館巡りをすることに。炎天下の坂道を登る元気はなく、迷わずタクシーで異人館方面に行って頂く。
夫は大学の保護者会役員をしていた折りに息子と2人で一度遊びに来ているが、私は、息子が小学校低学年の時、ゴールデンウィークの旅をして北野界隈を散策して以来のこと。その翌年だったか、冬にルミナリエを見に来たこともあったが、それから優に15年も経っている。
台風一過で今日も青空、35度以上の予報である。チケットプラザの真ん前で止めて頂き、異人館巡りプレミアムパスをゲット。異人館7館に展望ギャラリーがセットで、スタンプ帳とドレスに着替えて撮影出来る特典付きである。2時間ほどでコンプリート出来ますから、と薦められ「こんなおばちゃんが、ドレスなんて着てもいいのでしょうか・・・」と思いつつ「水分補給をしながらたっぷり愉しんでくださいね~」と送り出される。
エトランゼ気分は英國館からスタート。明治の建築当時のまま保存されているコロニアル様式の館には、名探偵シャーロック・ホームズの部屋があり、ホームズの帽子とマントを着て(かなり暑いけれど)写真撮影が出来る。館を出ると、イングリッシュガーデンにはロンドンの地下鉄ベイカーズストリート駅を模した駅のホームが設えられている。
続いてお隣の洋館長屋は仏蘭西テイスト。外国人向けのアパルトマンとして建築されたという。世紀末の巴里をイメージした展示が素敵だ。アール・ヌーボーの花形作家ルネ・ラリックやエミール・ガレのガラス工芸品も実に魅力的。
3カ所目はベンの家。冒険家のエキセントリックな異人館には沢山の動物の剥製が並んでおり、アドベンチャーワールドと化している。シロクマやアメリカンバイソン・白頭鷲の大きさに圧倒され、夫の背よりも高い長さのイッカクの角にも驚かされる。ここを出ると併設されたショップに繋がっており、限定の・・・といわれるとついつい触手が動く。ああ、我ながら単純である。
ここからとんでもなく急な坂道を上がって、この地で最初に公開されたという、代表的な異人館であるうろこの家&展示ギャラリーを目指す。あまりの暑さにクラクラするが、入り口で凍らせたおしぼりを配ってくれていて、ありがたや~。高台に聳える古城のような建物の外壁を飾る天然石のスレートが魚の鱗のように見えることからこの名前がついたという。館の前庭には開運のパワースポットだというカリドンの猪が鎮座している。鼻を撫でると幸せが訪れるというので、しっかり撫でて写真撮影。
夫は脱水症状になりそうだ、とガーデンハウスのカフェに逃げ込み、サイダーで一服。冷房の効いた涼しい室内に入ってしまうと、また外に出て行くのは大きな勇気が要る感じ。館内のティファニーのランプやマイセンの陶器等の展示品に目を見張る。
隣接する展望ギャラリーからは神戸の街と港が一望。その眺望は北野随一という。マチスやユトリロの絵も飾られている。
残るは3カ所。山手八番館はチューダー様式の館。ロダン等の彫刻作品の他、不思議なひと組の椅子(サターンの椅子)がある異人館で、北野最強のパワースポットだそうだ。ローマ神話の五穀豊穣の神、不思議な彫刻が施されており、男性が左、女性が右の椅子に座り願い事を唱えるとその思いは叶うと伝えられている。夫はこれまで「卒業できますように・・・」だった息子に関するお願いをパワーアップさせたそうだ。私は当然・・・であるが、内緒である。
そして、今回のお楽しみ特典付き、北野外国人倶楽部へ。開港当時の居留者の会員制倶楽部を再現したものだという。ドレス体験、写真撮影が大人気だそうで、まず夫と別行動になる。あれこれ説明を受け、荷物をロッカーに預け、スマホだけバッグに入れて、ドレッシングルームへ。沢山のドレスの中からラベンダー色のドレスを選んだ。ティアラもどうぞと言われたけれど、かつらがずれても困るし、おばちゃんなのでちょっと地味にご遠慮申し上げた。着替えが終わり、夫と合流。スタジオでブーケ等もお借りできる。夫はジャケットを羽織って3分間のフリータイム。お互い写真を撮り合い、最後にスタッフの方がツーショットで撮ってくださるというシステムになっている。ちょっと恥ずかしいけれど、せっかくなのでしっかり愉しんできた。
夢の時間はあっという間に過ぎ、再び着てきたワンピースに着替えて館内を見学。ご機嫌で隣の坂の上の異人館へ移動した。ここはオリエンタル趣味のオールド・モダンな館。中国領事館として使われていたそうだ。入り口には3つめのパワースポットである狛犬の門。ここを通り抜けると愛情に恵まれ幸せになると言われているそう。館内には明朝から清朝に至る美術品、家具、調度品が配されていたけれど、なんということか、冷房が壊れているとのことで、館内は扇風機だけ。サウナのようで早々に出てきた。
すっかりお昼の時間も過ぎ、お腹はぺこぺこだ。通りかかった素敵な一軒家レストランに入り、仏蘭西料理のランチタイム。夫はステーキを、私は鯛のランチセットを優雅な気分で頂いた。東京の白金に姉妹店があるという。
お腹が満ち足りたところで、残り時間はあと30分ほど。
2館共通券を予めゲットしていた風見鶏の館と萌黄の館をさくさく見学して、異人館巡りもコンプリート。ここは夫と30年近く前に訪れて以来である。震災の傷跡も残っていて、しみじみと拝見する。
それにしても暑い。夫は昨日頂いた団扇が手放せない。急な坂道を降りながら運良くタクシーを捕まえられて駅まで戻る。息子のお薦めで、帰りは阪急特急で梅田まで戻ってきた。4時間の異人館巡り、大満足だった。
息子と梅田の百貨店で合流し、暫しウインドーショッピング。何か欲しいものは?と夫が訊くが、今すぐ欲しいものはなさそうなのでひとまずカフェでお茶。研修や仕事の話に花が咲く。忘れ物大王の息子、なくしたら大変なものをソファの上に置いてきて、ショップの方が追いかけてきてくれた。ああ、心配が絶えない。
ホテルまで戻り、夫の部屋で高校野球観戦。というのも、夫の郷里にある高校が関東の強豪校と互角に戦っている。8回の表まで見て、まだまだ決着はつきそうにないね、と最上階のレストランに上がる。
3人で中華料理をあれこれちょっとずつシェアしながら色々頂き、満腹。夫の郷里の高校は残念ながら延長戦で敗れてしまったけれど、良い試合だった。
今日は勤務の合間に4時間半しか眠っていないという息子だ。明日は日勤で朝からというので、早めに解散。先日の旅行のお土産も渡して、先ほど別れ、こうして記事を書いている。
明日は乗務の間に中休みがあるというので、ランチを共にして帰京する予定である。今回のミッションだった仕事ぶりも見られ、一緒に食事も出来て、いい2日間が過ごせて感謝である。