夫が「どうしても見たいじゃない!今しか見られないんだよ!見なかったら絶対後悔するよ!」と強く希望し、5月に母連れで訪れて以来3ヶ月ぶりにまた関西にやってきた。
4月から鉄道会社で働き始めた息子は、今も研修中の身だ。来月上旬の本社本配属を前にして、現在は1ヶ月近い師匠とのマンツーマン乗車研修を終え、無事独り立ちをして、期間限定ではあるが本務としての車掌を勤めている。おチビの頃から憧れだった鉄道の現場に関わることが出来、早朝出勤だの泊まりだの、変則勤務が大変そうではあるが、今のところ寝坊もせずに社会人1年生として充実した毎日を送っている様子だ。
昨日は定時で職場を出、洗濯物を片付け夕食の支度をして(いつもいつも夫任せというわけではなく、平日には私も料理をする・・・ってちょっと言い訳がましいが。)夫を待つ。夕食後は2泊3日のパッキングを済ませてから、入浴、なんとか日付が変わった頃にベッドに入った。
今朝はいつも通りの時間に起床し、朝ヨガで目を覚まし、暫し瞑想し、洗濯機を廻し、ゴミをまとめ、朝の連続テレビ小説を視て、家を出た。
大型台風が過ぎ去ったとはいえ、なんとなくお天気がはっきりしない曇天だ。ポツポツと雨が降りそうな気配である。予定通りに私鉄とJRを乗り継いで、新幹線の駅へ到着。新幹線も今日は通常通り順調で、数分間隔で行き来をしている。一日ずれたら大変だったねと言いつつ、乗車したのぞみ号は定刻に発車。
おやつや飲み物を買った夫は、ひとしきり口を動したかと思うとウトウト船を漕ぎ出した。こちらはようやく読みかけの文庫を1冊読み終える。名古屋を過ぎたあたりで目を覚ましたかと思うと「アイス食べよう!」と新フレーバーのマンゴーアイスを買ってくれた。
お昼過ぎに終点・新大阪に到着。ホームに降りると熱風のような暑さが上がってくる。暑い。まずは駅ビルで昼食。どこも長蛇の列である。並ばずに入れそうな洋食レストランでお腹を満たす。駅前のホテルチェックインまで暫し時間があるので、とカフェでお茶をして時間調整。
今日は初めて泊まるホテルだ。姿は見えるがエントランスが分かりづらく往生した。シングル2室を予約してきたのだけれど、最初出された部屋のキーは隣同士ではなかった。出来れば隣でとリクエストしたら、最上階の隣同士になった。ところがいざ部屋に入ってみたら、眺望があんまりだ。内側の部屋で建物しか見えない。荷ほどきをした後だったけれど、これはちょっと・・・下の階でも良いので、と外の景色が見える隣合う部屋に変えてもらう。そんなこんなで落ち着くまでに時間がかかり、最初からツイていなかった。3度目の正直、今度は駅がほぼ正面に、遠く山々の稜線も見渡せ、息子の住むマンションの方面も確認出来て合格である。外気温は34度。暑い。
1日乗車券を買って、息子が乗車する線の始発駅へと向かう。息子が乗務している電車が入線してくるタイミングで迎え、始発から終点までともに1往復。息子が2巡目に出るのを見送った。今日は終電まで勤務だそうだ。金曜日の終電・・・お酒が入った人も多いだろうから厄介な事態が発生しなければいいけれど。
目立たないように夫が動画を撮り、私は写真担当。まあ、事務職でデスクワークをしていたらこんなふうに仕事ぶりを見に遠征してくるなんてことはまず考えなかっただろう。こうして見に来られる仕事をする機会があったのはラッキーだった。マイクを持って車内アナウンスをし、ドアを閉め、ベルを鳴らし・・・普段何気なく見ている車掌さんの仕事もなかなか大忙しである。ちょっと早口なアナウンスだったけれど、言うことも沢山あるのでさもありなんである。文字通り指差し確認をし、制服に制帽、手袋と一丁前の姿を見て、夫は細い目をますます細くしている。
折しも昨日、息子の卒業した大学から卒業アルバムが届いた。本人のポートレートには「ちゃんと社会人やっているかな?」とあったけれど、なかなかどうして。親馬鹿だけれど、立派に頑張っているではないか。
息子に別れを告げたのは普段定時で勤務終了になる時間だ。「無事働いていたわよ」と母に報告の電話を済ませる。まだ日は高いけれど、とにかく暑いし疲れている。胸痛が出てきそうだったので私はそのままホテルに戻りたい気分だったが、せっかくここまで来たので夫が古墳を見に行こうという。
電車を乗り継いで仁徳天皇陵等がある最寄り駅で下車。世界遺産になったことを知らせるノボリが構内を覆っている。古墳は、近くに行ったところで余りに大きすぎて、前方後円墳のカタチは全くわからない。正門まで1キロ、一周3キロ近くだとのこと。とても周囲を歩き通す元気はなく、お堀と緑の塊を見て、写真を撮って失礼することにした。
それにしても蒸し暑い。再びホテルのある駅まで小一時間電車に揺られる。途中でお茶もしなかったし、お昼が軽めだったのでお腹がぺこぺこだ。駅ナカで天麩羅・お刺身等の和食レストランで夕食になった。
チェックインの時はわかりにくかったホテルへの道も、分かってみればなんと近かったことか。コンビニでちょっと買い物をして、先ほど無事部屋に戻ってきてこうして記事を書いている。外はまだ29度もある。明日こちらは35度の予報。東京は37度だという。
明日、息子は午前中に上がりだそうだ。一旦帰宅してお昼寝して態勢を建て直したら付き合えるということなので、私達はゆっくり起きて、どこか半日観光をしてから息子と合流して夕飯かな、と思っている。