ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.8.1 旅行7日目、ウィーン自由行動の後は、帰国の途へ

2019-08-01 23:28:07 | 
 昨夜はほぼ荷物整理を終え、日付が変わってほどなくベッドに入ることが出来た。この1週間、長くて5時間睡眠という寝不足状態で、よくも体調も崩さずに過ごすことが出来た。有り難いことだ。
 今日はホテル出発まではフリータイム。朝の集合時間も皆さんに遅れてはならじ、と必死にならなくて良いので、ストレスフリーだ。
 モーニングコールを設定したより1時間ほど早くお手洗いで目覚めたが、5時間近くは連続して眠れたことになる。夫もほどなくして目覚め、ゆるゆる準備をして、レストランへ向かう。

 見回せば今日も私達が遅い出足だった模様。あれこれたっぷり頂いて、エネルギーチャージが出来た。ドナウ側の川岸がホテルのプライベートな遊歩道になっていて、絶好の写真スポットだ。今日もいいお天気。空が抜けるように青い。
 シドニーから来ているというカップルが私達2人の写真を撮ってくださったので、こちらもお返しし、ちょっとだけお喋り。サングラスなしでは目が開けられない。
 部屋に戻って身支度を済ませ、ゆるゆるとチェックアウト。荷物を預けて、今日も街へ出かけることに。

 昨日と同じ地下鉄の駅から王宮を目指す。改札は無人で、チケットを通すこともなく、ただ持っているだけだが、その代わり不正が見つかると大変な罰金だという。昨日購入した時に打刻をして後は一度も出すことがなかった。
 最寄り駅に到着しても出口を間違えるとなかなか難しい。なんとか王宮の屋根を見つけたけれど、チケット売り場を勘違いして通り過ぎてしまい、あちこち探して15分ほど無駄にしてしまった。

 ハプスブルク家640年の歴史が詰まっているこの旧王宮は、歴代の皇帝一家が実際に執務を行い、生活してきた宮殿だ。建物の一部(あれで一部・・・)が一般公開されており、彼らが暮らしてきた当時のままの部屋などを見学することが可能になっている。
王宮がある歴史地区は、ハプスブルク家が繁栄した13世紀よりもっと後の19世紀、フランツ・ヨーゼフ1世がウィーンの城壁を取り払い、リンク・シュトラーセという環状道路を造らせたことから始まるという。

 最初はまだ空いていたけれど、どんどん観光客が沸いてきて混雑が始まる。日本語のイヤホンガイドを借りて、まずは皇室の磁器コレクションからスタート。行けども行けども銀のカトラリーや色とりどりの双頭の鷲の家紋入り食器のオンパレード。ゆっくり見ている私に、夫が興味ないから早く行きたいと宣う。自分が王宮博物館に来たかったのではなかったっけ。実は居室を見たかったのであって、こうした食器等のコレクションはどうでも良かった模様。

 急かされつつ、シシー(フランツ・ヨーゼフ1世の妻、エリザベート)博物館へ移動し、美しい衣装や豪華な居室を見て、ため息をつく。それにしても身長170cmでウエスト52cm。体型をキープするために、運動を欠かさなかったという彼女の部屋に吊り輪やら鉄棒があったのには恐れ入った。美しくあり続けることは大変なことである。大急ぎで鑑賞したけれど、なんだかんだで1時間半ほどかかった。いやはや圧巻だった。

 博物館から出てきたところで、お昼を頂くはまだ早い。せっかくなので近くにあるザッハトルテ発祥のホテルを目指し、カフェでお茶をして一休みすることにした。かつてこのチョコレートケーキを頂いた時は、残念ながら本家のものではなかったし、味が濃厚すぎてちょっと苦手、という感想しかなかった。今日は夫とシェアして美味しく頂いた。アイスウインナカフェも夏ならではのお味。すっかりまったりのんびり。日本人観光客でどんどん混んでくるカフェを後にして、再びU-Bahnに乗ってホテル最寄り駅まで戻ってきた。

 駅前のショッピングセンターで水を調達し、ピザレストランで大きなピザ(4分の1で二人分!)を夫とシェアして軽く昼食を済ませ、予定通り出発45分前にはホテルに到着することが来た。

 それにしても暑い。ほどなくして現地ガイドさんが到着。免税品の手続き等が4月から変わったそうで、荷物を慌てて入れ直して、一汗かくことになった。
 
 定刻通りバスはホテルを後にして空港へ。外気温は30度。7日間安全運転をいてくれたハンガリーの運転手Zさんと握手をしてお別れ。
 チェックイン後、免税手続きはIさんとご一緒に現地ガイドさんについて頂き、問題なく終了した。返金まで長いと4ヶ月くらいかかるそうだけれど、まあそれもご愛敬だ。手荷物検査も無事終えて(夫は相変わらず財布とベルトで引き戻されていた!)ラウンジに到着。

 今は記事を書きながらくつろいでいる(というか、こういう所でも記事を書いているのだからくつろいでいるとはいえないか。)。
 後は11時間飛行機に乗って帰るだけである。無事にここまで来られて本当に良かった。まさか再発してからほぼ毎年のようにヨーロッパ旅行が出来るとはゆめゆめ思わなかった。これも頑張って治療を続けているおかげ。有り難いことだ。
 
 というわけで、到着は日本時間で明日の昼過ぎの予定。帰路はオンタイムで離陸出来る予定である。
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2019.7.31 旅行6日目、ウィーン観光後スロヴァキア再入国、ブラチスラバ観光の後は・・・

2019-08-01 05:59:57 | 

 昨夜はこの原稿を書き上げ、いざアップ、とホテルから与えられたPWを入力してもWi-Fiが繋がらない。これは困ったとフロントにPCを持って出向く。既に日付が変わりそうである。フロントではわからず、サポートセンターにその場で電話して頂くことに。けれど、何分疲労困憊で、専門用語のヒアリングをしつつ電話での説明や指示には耐えられず・・・もう諦めようと思ったところ、フロントスタッフが代行してくれ無事繋がった。ああ、感謝です。夜中にお騒がせしました、である。

 結果として、記事をアップ出来たのは日付が変わってから。それから入浴してベッドに入れたのは1時を廻っていた。5時間眠れるかどうかだったが、今回の旅で初めて明け方にお手洗いに起きることなく、起きたら6時過ぎ。5時間近く連続して眠れた。夫を起こして身支度を調え、レストランへ。

 今朝もツアー客の中でビリである。窓越しにドナウ川を見ながらの優雅な朝食ブッフェ。蜂蜜は巣ごと並んでおり、サラダのスプラウトは培土から直接ハサミで切る仕掛けになっている。「収穫だ、凄いね」と喜んでいると食品Gメンあがりの夫としては、衛生的にあまりよろしくないとのこと。昨夜の夕食は半分も頂けなかったけれど、今朝はほどよく空腹で、あれこれちょっとずつ色々頂いて満足。

 予定通り8時ちょっと前にバスは出発した。
 今日は午前中ウィーン観光と昼食の後、今回の中欧5カ国の5カ国目、80km走行してスロヴァキアの首都ブラチスラバを観光することになっている。
 夜はクラシックコンサートとディナーのオプショナルツアーを申し込んでいたけれど、最少催行人数に達せずツアーキャンセルになっていた。Iさんご夫妻もKさんご夫妻もやはりリクエストしていたと伺ったけれど。そのため、夕方こちらに戻ってきてからは今回の旅で初めてのフリータイムと夕食である。

 ウィーンは言うまでもなく2,000年以上の歴史を持ち、ハプスブルク家が栄華を極めたオーストリア・ハンガリー帝国時代の栄光の都。今なお音楽と芸術の都として世界中の人々に親しまれている。
 まずはオーストリアで一番人気の観光地というシェーンブルン宮殿を目指す。ここで日本人ガイドのケイコさんと合流。青空が広がるいいお天気、暑くなりそうだ。外気温は27度。サングラスがないと、睫毛のない身には眩し過ぎて目が開けられない。

 大昔、大学1年の冬、合唱団の演奏旅行で、ザルツブルク祝祭大劇場で第九を歌った時、初めてこの地を観光した。その時は2月、真冬であったから、マリーテレジアンイエローと呼ばれる宮殿の色だけはなんとなく覚えていたけれど、空もグレーで庭園は雪が積もっていてかなり地味だった記憶がある。やはり欧州を訪れるのは夏に限る。色鮮やかな花々が咲き乱れ、青空に黄色い建物がくっきりと映えて美しい。

 ここはウィーン中心部から少し離れた場所にある世界遺産で、長年オーストリアを統治したハプスブルク家の夏の離宮として使われていた。ウィーン歴史地区にある白亜のホーフブルク宮殿とは、また違った趣のある宮殿だ。マリーテレジアンイエローはマリーアントワネットの母である女帝マリアテレジア(16人もの子どもたちを産んだというのだから本当に恐れ入る!)が好んだ色なのだそう。バロック様式の外観に内部はロココ調で統一されており、1,441の部屋のうち45の部屋が一般公開されている。ヴェルサイユ宮殿より大分こじんまりと見所がまとまっている。ケイコさんのガイドはとても興味深く、ジョークも利いていて面白い。
 お部屋を見終わってから庭園を散策して、ここでの滞在時間は1時間半弱。

 次は美術を堪能出来るヴェルベデーレ宮殿へ向かう。街ではあちこちで道路工事中。冬は寒く凍ってしまうから掘り返せない、夏は皆がバカンスでいなくなるので7月8月が書き入れ時だそうだ。

 外気温は29度と上がってくる。青緑の屋根が美しいベルヴェデーレ宮殿は、かつてオスマントルコの侵略からウィーンを守ったオイゲン公の夏用の離宮として使われた建物だ。住居として使われた上宮と迎賓館の役割をしていた下宮から成り、今では美しい芸術作品を飾る博物館になっている。今日はその上宮を見せて頂いたが、グスタフ・クリムトの「接吻」や早世したエゴン・シーレの作品なども数多く展示されており、久しぶりに絵画鑑賞が叶い、写真もフラッシュなしならOKということで大満足。心豊かな小一時間だった。

 博物館と同様に見どころなのが上宮と下宮の間にある庭園で、美しく手入れされた庭園には見事な噴水やスフィンクス(皆が、御利益があるとの伝説を信じて胸の部分を触るので、そこだけ色が変わっているらしい。)を模した像があり、どこを向いても写真スポットだ。こちらはゆっくり散策出来なかったのがちょっと残念。

 再びバスに乗り込み、中心部のオペラ座付近のお店に入る。殆ど何もお土産を買っていなかったので、あれやこれや見繕って揃え、免税手続きをしてもらう。
 ここから、ウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂からオペラ座に続くケルントナー通りを皆で散策。ここは旧市街屈指の人気ストリートで、お土産スポット、お洒落なカフェなど立ち寄りスポットも一杯。そぞろ歩きが楽しいコースだ。ハプスブルク家の都だった頃からの老舗等も沢山軒を連ね、後ろ髪を引かれながら歩く。

 そして、この街でひときわ目立つ尖塔を持つのが聖シュテファン寺院だ。壮大なバロック様式で作られたこの寺院は、たくさんのキャンドルやステンドグラス、宗教画、シャンデリアなどが見る者を魅了する。地下には墓地があり、かつてウィーンを襲ったペストの被害者の遺骨やハプスブルク家の人々の内臓が納められている。内臓って・・・と思うも、今回は外観撮影のみ。また出直してこなければ、と思う。

 ここでガイドのケイコさんとお別れ。皆で昼食レストランへ向かう。
 昼食は1品目がフリターテンズッペ(細かくカットしたクレープの皮が入ったビーフコンソメ)。今までトマト味の濃いものばかりだったので、とても美味だった。そしてメインは名物ウィンナー・シュニッツエル。仔牛のカツレツでウィーン料理の定番。サクサクした食感で、揚げたてにレモン汁を絞って頂くのだが、これの大きかったことといったら。わらじよりも更に大きく、お皿からかなりはみ出している。食べても食べても終わらない。結局3分の1くらいでダウン。完食出来たのは唯一30代の若い添乗員Nさんのみ。

 お腹一杯になったところで、バスにピックアップしてもらい、スロヴァキアを目指す。今日も沢山の風力発電機を見ながらのバス旅である。1時間ほどで国境を越える。建物はあるがノンストップ。そこから20分ほどで今日の午後のガイドカトリーヌさんと合流。こちらもとてもいいお天気だ。外気温は30度を超えている。暑い。

 スロヴァキア共和国の首都、政治・文化・経済の中心都市であるブラチスラバは、16世紀トルコ占領当時ハンガリー王国の首都だった。白ワインの産地でも知られているが、下戸の私は残念ながらお呼びでない。国の西端に位置しており、ドナウ川に面した首都。オーストリア、ハンガリー、チェコとの境界に近い街だ。特にウィーンからは60kmしか離れておらず、電車を使えば1時間程度。

 その昔、美少年で天才ピアニストと謳われたリストが初めてコンサートを開いた街でもあり、今もその建物が残っているそうだ。ベートーヴェンがしばらく住んでいたことがあるなど、一時期は芸術家の街と言われた街だそうな。

 まずは国会議事堂に隣接するお城のある丘へ上がり、見晴らしの良いスポットへ。ドナウ川に沢山の橋が架かっている。城の4隅に塔が立っていることから「ひっくり返ったテーブル」の愛称で地元の人々に親しまれているという。元はケルト人やローマ人の砦があった場所で、9世紀にモラバ王国の宮殿や教会が建てられた。その遺跡が残っていた。15世紀には当時のハンガリー王、シギスムンド王が後期ゴシックスタイルに改築、16世紀には四翼を持つルネサンスの宮殿に立て直され、これが現在見られる姿の基礎だそうだ。18世紀にマリア=テレジアの居城として使われ、城内に歴史博物館と音楽博物館が併設されているというが、今回は内部の見学はなし。

 再びバスで旧市街へと向かう。歴代ハンガリー王の戴冠式が行われ、マリア・テレジアもその名を連ねたという街のランドマーク、聖マルティン教会も外観だけで我慢。ここで暫し散策。旧市街を囲む城壁の4つの門のうち現存する唯一のミハエル門をくぐって歩行者天国を満喫。フラブネー広場には旧市庁舎や日本大使館等がある。広場付近にはユニークな銅像が設置されており、それを探すのも楽しい。ちょっぴり自由時間があったけれど、暑さの中、夫と半分ずつにした塩キャラメルのアイスクリームが美味しかったこと。

 せっかく国境を越えてやってきたものの、滞在時間は僅か1時間半。もう少し時間があったらな、そう簡単に来られる場所ではないのだから、とちょっと残念。お手洗いを済ませてもう帰路につく。
 帰路、一時にわか雨が激しく降ったが、その後虹が架かった。この旅行中虹を見たのは2回目だ。日本では早々見られるものでもないのだけれど。やはり何かついているのかもしれない。

 ホテルに到着して、解散。添乗員Nさんと近くのショッピングモール散策と夕食、という方もいらしたようだが、夫と私は頑張って24時間チケットを買って近くの地下鉄の駅から再び街を目指した。
 思いのほか近くて1回乗り換えて15分ほどで到着。聖シュテファン大聖堂にリベンジだ。雨の後大分涼しくなっている。人出はますます、といった感じだったけれど。外を一周して中に入ると、それは立派だ。「やはり来て良かったね、今回色々教会を見たけれどここが一番立派かもしれない」と夫も満足の様子。せっかくのご縁なので、寄付をしてキャンドルに灯をともしてきた。

 そして、夕食は昼に買い物をした時にチェックしていた和食レストランに迷わずゴー。少し待ったけれど、夏のお薦めの天ざるうどんを頂く。夫は天麩羅付きのうどんセットをチョイス。久しぶりにほうじ茶を頂いてほっと一息。ようやく胃が休めた感じ。決してこれまでの食事も残したくなかったのだけれど、毎回半分も食べきれなかった。でも今夜は完食。すっかり満足してお店を後にして、再び地下鉄でホテルまで戻ってきた。

 今日はこれまでで一番移動距離が少なかった。明日は帰国便に乗る日である。
 ホテル出発は午後。それまで再び24時間チケットを持って街まで繰り出し、王宮を見てくる予定である。

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