ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.8.28 採血後腫瘍内科診察、パージェタ・ハーセプチン9クール目

2019-08-28 23:15:28 | 治療日記

 今週は職場でPC入れ替えが予定されており、月曜日に納品されるということだった。結局、梱包が解かれただけで机上配布されたのは夕方帰る間際になってから。それからセットアップ作業など到底出来なかった。そして昨日、朝から仕事と並行しながら作業したけれど、数冊に渡るマニュアルの不備があったり、あれやこれやと作業の手戻りが続いて、席を立つ迄にプリンター接続まで確認が終わらなかった。それでも一日中新旧2台のPCやら資料と睨めっこで目はショボショボ、肩腰バキバキ。

 そのまま帰宅して食事をしてから通院前泊のホテルに向かうのもしんどかったので、気分転換のため、職場を出てからヨガスタジオでボディバランスヨガのクラスに参加した。珍しく8名全員女性だけで、のびのびと股関節回りを解し、身体が整うのを実感してシャワーでスッキリした。夫とは駅前のレストランで合流して夕食を済ませ、ウエアとお泊り道具の荷物を交換し、前泊するホテルに移動した。

 行きの車内では三浦展さんと天笠邦一さんの「露出する女子、覗き見する女子―SNSとアプリに現れる新階層」(ちくま新書)を読み始めた。帯には「格差はスマホの中にある」という衝撃的な文字。LINEにはお世話になっているけれど、FacebookやTwitter、Instaguramのアカウントは諸般の事情によりつい最近作っただけで、自分から投稿することはない私のようなレベルにはいささかハードルが高いかな、と思いつつ恐る恐る頁を繰った。

 ホテルにチェックインしたのは結構遅くなってから。かなり疲れていたので、身支度だけして湯舟にお湯を貼り、早めに休むことにした。
 汗が退いたらたちまち眠りに落ちた感じ。明け方一度お手洗いに起きたが、すぐに眠れてモーニングコールが鳴る少し前に自然に目覚めた。朝のうちは雨の予報だ。九州北部の大雨警報のニュースで友人が心配になり、LINE すると、凄い降りで職場が閉鎖との返事。被害が大きくなりませんようにと祈る。

 家族LINEにおはよう連絡をして足湯を済ませる。なんとなく浮腫んでいるので軽くマッサージ。お腹は今のところ快調だ。
 新聞を片手にニュースを見ながら、痺れ対策の漢方2種を飲んで、焼きたてのデニッシュとスープ、ジュースの朝食。朝食後はビタノイリン、ロキソニン、タケプロン、ミヤBM錠を飲み、部屋に戻って母にご機嫌伺いの電話。昨日は久しぶりに伯母(母の姉)とその娘(従妹)が実家を訪れてくれたという。たまたま前日に電話をしてくれた従姉(伯父の娘)も、それでは、と合流して、賑やかで楽しい時間を過ごしたそうだ。不肖の娘が実家に寄り付かない分、こうして数少ない親戚が一人暮らしの母を気遣ってくれるのが本当に有難い。後でLINEでお礼を言っておく、と母に話して電話を切った。食後、やはりお腹が緩くなる。朝の連続テレビ小説を視てからチェックアウト。

 今月2回目の通院だ。外は小雨がポツポツしているが、晴雨兼用日傘で十分だ。湿度が高く蒸し暑い。
 今日も自動受付機が1台点検中になっており、IDカードを通す列が出来ていた。採血受付へ移動したら、待合い椅子はそれほど混んでいなかった。椅子を確保して電光掲示板を見ると、待ち人数は数人で8分待ちと出ていた。態勢を整えているうちにほどなくして自分の番号が出て、採血室に入った。

 今日は初めてお世話になる女性のTさん。マーカー等の測定のため、フルで5本。針刺の痛みがチリチリとあり、採血中ずっと痛みがあった。抜く時はそれほどの痛みでもなかったし止血も問題なかった。抑えながら向かいの腫瘍内科の受付へ。
 待合い椅子はそれなりに混んではいて、定位置は確保出来ず。後方を確保して、受付へすんなり。
 
 本日のお伴は、昨夜の続きから。まえがきには「インスタ映え」と呼ばれる行動と消費に実態を調べたいとして開始した調査が、それ以上に面白い結果が見えたため、それをまとめたもの、とある。所得や働き方、結婚による断絶を、何を手掛かりに読み解けばいいのか、その答えはスマホの中にあった!2,30代の女性5442人への調査から現代女性のSNSとアプリ利用実態の徹底分析により、新しいメディアを駆使して格差社会を生き抜く女性たちの姿が見えてくる、という触書だ。今の世の中、若い人たちも本当に大変そうだけれど、その中でしたたかに生きている様子が伝わってきた。FacebookやTwitterの比較など、利用している人たちを思うと、なるほどと思う結果も散在していており、なかなか楽しめた。

 採血してから丸々1時間が経ち、血圧測定。108-68、脈拍は84。採血された右手で血圧も測るので、なんとなく痛む。
 それからほどなくして「中待合いへどうぞ」に番号が出たが、中廊下に入ってから先生に呼んで頂けるまで小一時間かかった。病院到着からたっぷり2時間以上である。

 まずは土曜日に行われた講演のお礼を言って席に座る。既に問診票は記入済みだ。「暑かったのにわざわざ・・・」と労って頂き、「おかげさまで、大過なく過ごせました。お腹は壊しやすいし、手足の痺れと痛みは相変わらずです。気圧の変化で胸痛がたまに出るくらいです。爪も一進一退です。」とご報告する。

 「そうですか、まあ皮膚はハーセプチンをやっているから仕方ないかな・・・。採血の結果、マーカーは少し上がっていますが、正常範囲に入ると、下がり続けることはないので上がったり下がったりになりますね。甲状腺については橋本病等についても項目を追加しましたが、正常でした。次のCT検査やエコーでも見られますし。」とのこと。

 PCに表示されているマーカーのグラフを見ると、確かにこのところ下降が続いていたので、急に上がっているように見えるが、あまり気にしても仕方がない。「痺れの薬は今のビタノイリンと漢方だけですか。」と確認すると「まあ、サインバルタやリリカもありますが、眠気等の副作用が強く出ると思いますから・・・」とのこと。リリカは飲んだことがないが、サインバルタは止めた時の離脱症状も酷かったので、遠慮したい。今の薬を飲んでいなかったら、という比較が出来ないので、やはり我慢して飲むしかないのだろう。

 「採血室から緊急電話がありました、血糖値が低すぎる!」と。「でも大丈夫そうですね?」と仰る。なるほど47しかないので、低血糖の症状が出てもおかしくない数字だ。それでも特に不調は感じず、今朝は甘いデニッシュも沢山頂いたのだけれど。「まあ、もとから血糖値は低いようですし、大丈夫でしょう。」と言われ、薬の処方となる。

 「ロキソニンはどうですか。」と問われ、「今は朝昼晩3回飲んでいますが・・・」と言うと、「昼を抜いて様子を見るとか、少し止めてもいいかもしれないですね。」とのこと。確かに胃には負担なのかもしれない。タケプロンを飲みつつ、長いこと朝1回を続けていたのだけれど、痛みが出てからでは嫌だし、とこのところコンスタントに飲み続けてしまっている。痛みがなければちょっと様子見をしてみてもよいかもしれない。

 「以前は何でもなかった複数のことを同時並行でやること、の精度がだんだん落ちてきたような気がするのですが、ケモブレインなのでしょうか?加齢なのでしょうか?」と質問してみた。先生が仰るには、「抗がん剤の影響も少しはあるかもしれないけれど、まあそういうお年頃も含めて半々ですかね」とのこと。ケモブレインは抗がん剤を始めて割とすぐに出ることが多く、人が変わったようになる方もいるそうだ。まあ、これもあまり考えても仕方がない。

 次回3週間後に予約が入り、その時に明日の造影CTと甲状腺エコー検査の結果の説明をして頂ける。薬の処方もミヤBM錠も含めて6種類、全て3週間分フルに出して頂いた。
 ご挨拶をして診察室を後にし、化学療法室へ入る。待合い椅子は一杯で、一番入り口に近いパイプ椅子に腰かけた。いつものように夫やお友達にLINEで報告。20分ほどして看護助手さんから窓側の一番奥のお気に入りの席に案内された。外はまだ雨が降っているようだ。

 お手洗いを済ませ、かつらを外してケア帽子に替え、2冊目、角田光代さんの「平凡」(新潮文庫)で読書再開。帯には「もしあのとき○○していたら・・・。おにぎり一個で変わる人生もある 分かれ道をめぐる物語。」と、裏表紙には「人生の分かれ道を行き過ぎてなお、選ばなかった『もし』に心揺れる人々を見つめる6つの物語」とある。文芸ジャーナリストの佐久間文子さんが解説に書かれている通り、「短編集が面白いと思うのは、ひとつ前の『平凡』(5編目)で描かれたものが、『どこかべつのところで』(6編目)にも反響することである。何かを選び取ることから、選び取れなかった自分を引き受けるまで徐々に、テーマは深く重く響く。普通の人のひそやかな声に耳を澄ませ、”もうひとつの人生”をさまざまに変奏させていく短編集は、今この瞬間を生きていることのかけがえのなさを何よりも感じさせる」のである。かけがえのない今ここ!実にそうなのだと強く頷く。
 こうして今日も2冊とも面白く読めて今、ここのかけがえのなさを感じられるいい日だった。

 30分ほどして刺針に見えたのはMさん。今日は看護師さんの数が少ない感じ。てんてこ舞いといった風情だ。でも痛かった。思わず顔をしかめてしまった。
 その後20分ほどしてKwさんから薬が届く。チョコレートの小袋をテーブルに出していたら「珍しいですね、○○さん、チョコレートなんて」と仰るので、「ちょっと低血糖だったみたいで・・・」とお答えする。数字を見てびっくりされた。「今日は随分混んでいますね?」と言うと、「今日は人が少ないの。夏休みがバッティングしていて」とのこと。確かにOkさんをはじめKrさんなどのいつものメンバーの姿がない。
 2剤併用の治療9クール目。点滴棒には前回同様2本の薬液パックと生理食塩水の小さなパック、シリンジ。点滴の順番はパージェタ、ハーセプチン、最後に生理食塩水である。

 最後の生理食塩水になったところで、Kwさんが血圧測定にみえる。今日の採血結果のプリントアウトをお願いした。終了時の血圧は104-63、脈拍は66。抜針はMさんでやはり衝撃があり、またしても痛かった。
 同じ列の2人ほど先の椅子で点滴中ずっと咳き込む方がいた。苦しそう。私も冬の間そんな状況だったので、聞いているだけで辛かった。あの咳は消耗する。

 化学療法室に滞在した時間は4時間近く。お手洗いを済ませ、ご挨拶して部屋を後にした。会計へ移動すると受付はすんなり終わったが、待合い椅子は混雑していた。受付番号を頂いてから薬局へ処方箋を送信するのも並んだ。だんだんこの方式を皆が知るようになったようだ。
 30分ちょっと待ってようやく会計番号が出た。今日も点滴代が35万円相当で、3割負担のお支払いはカードで11万弱。

 病院を出ると、まだ雨が降っている。湿気が凄い。薬局に到着し、「病院内から処方箋を送りました。」と申告すると、今日も10分ほどで呼んで頂けた。やはり送信システムは威力甚大だ。「今日は3週間分ですね?」と問われ、3,000円に満たず現金でお支払い。
 本日の病院と薬局の滞在時間は合計で6時間半強。

 駅ビルに辿り着く頃には大抵のお店はランチタイム終了。夕方までやっているお店で野菜たっぷりの麺を頂いた。最後の快速に間に合い、席も確保出来た。
 
 今日は、夫は美容院に寄ってくるので、夕飯要らずとのこと。買い物もせず、帰宅したが、定時に仕事から帰るのと変わらない時間だった。最寄り駅も雨が降っていたので、タクシーに乗りたかったが、あいにく車がいなかったので、諦めて歩いた。生協から配達された食品を運び入れ、洗濯物を畳み、洗濯機を廻して洗濯物を干し、最低限の片づけをして・・・で、ぐったり。昼食もとても遅かったので、空腹も感じず、リビングで横になる。

 夫が帰宅してから、一人適当に冷凍食品等で夕食を済ませた。一日がかりの通院、前泊までしているというのに疲れは否めない。これも加齢か、体力低下か。
 明日は午前中仕事をして、そのまままた検査通院だ。昨日セットアップしたPCのアフターケアもあるし、ちょっと憂鬱。今日も出来るだけ早めに休まなくては・・・。
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