散日拾遺

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想像の余地

2018-04-06 21:20:52 | 日記

2018年4月6日(金)

 高畑勲さんが昨未明亡くなった。1935年の生まれ、享年82歳と5ヶ月あまり。『火垂るの墓』(1988)は、泣くとわかっていながら何度も見て、そのたびに泣かずにすまない。高畑さん自身が経験した岡山空襲が制作の強い動因になったという。

 『かぐや姫の物語』(2013)では、粗い筆遣いや意図的な塗り残しで話題になった。見るものに「想像力を働かせてほしかった」と御本人が語っている。

 それで思い出した。

 「文は書いて委曲を尽くせるものではない。尽くせないで想像の余地を残しておいたほうがいいのである。」

 山本夏彦(1915-2002)さんの言葉、たぶん『完本文語文』。

 そういうことらしい。

合掌

Ω