散日拾遺

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鳴鳳在樹 白駒食場 ~ 千字文017/ラグビー、ITΠ、ヒゲ脱毛

2014-02-13 09:00:06 | 日記
2014年2月13日(木)

◯ 鳴鳳在樹 白駒食場(メイホウザイジュ ハックショクジョウ)
 鳳凰は樹の上で鳴き、白駒は畑で草を食べる。

 一幅の絵画を見るようだが、鳳凰は伝説上の鳥、白駒は実在しうるものなのが面白い。伝説と実在にも、グレーゾーンがあり移行帯がある。白駒のイメージはそこに属するものなのだろう。
 鳳は雄、凰は雌だそうだ。鳳凰は地上では竹を好むとも言い、また梧桐(あおぎり)の樹上で鳴くとも言うらしい。
 場には畑の意があり、秋には地面をならし、つき堅めて、収穫した穀物の精製(稲こき、麦うち)の場所とも為すとある。故郷の家々の広い庭が、季節に応じて作業場となったことを思い出す。

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 一昨日の11日(火)、ラグビー・トップリーグの決勝は面白かったね。先日話題にしたハーフ団の構成が対照的だった。
 三連覇を狙うサントリーは、スーパーSHのフーリー・デュプレア(南ア)を擁する今日型のチーム。今年最強のパナソニックは、SH田中とSOベリック・バーンズ(豪)のコンビを司令塔とする伝統的なスタイル。さあどっちが強い?
 前半はデュプレアの活躍シーンが多かったが、後半に入ってバーンズのキックが冴え渡った。パナソニックの鉄壁防御の前にサントリーが攻めあぐね、反則を犯しては正確なペナルティ・キックで点差を開かれる展開で、パナソニック快勝。どちらもお疲れさま、好ゲームをありがとう。
 ちょうど手に入った入場券で次男・三男が観戦に出かけていた。数日前には秩父宮と聞いて、「埼玉かぁ、朝早く出ないと」なんて言ってたんだが。「宮様」というものの存在を、これで知ることになったかな。むろん会場は東京も中心部に近い神宮外苑、女子学習院の跡地なんだそうだ。
 周囲のラグビーファンの和気藹々たるやりとりも楽しかったらしく、両名とも御満悦で帰ってきた。

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 昨12日(水)は放送大学で教員の懇談会あり、長老格の二人の先生方から講話を戴いた。聞き手がまた、学習センターの所長先生方を加えて錚々たる面々で、若輩としては教わるところ大。

 高等教育の目ざす学生像として、I型からT型へということがあるんだそうだ。縦の棒が専門性、横の棒は広い教養を指している。専門性だけではいけない、幅広い教養との結合をというんだが、教養は土台なんだからTは上下反転してあるべしなどと、内心で揚げ足取りながら聞いていると、福井のS先生から「その話はもう古い」と指摘あり。
 最新のコンセプトはΠ(パイ)型、つまり複数の専門性を備え、これを広い教養によって学際的につなぐということだそうだ。時代はどんどん進んでいる。
 もっともかつ結構な話だが、これを大学院教育の「中」で実現することには無理があるだろうし、本当にこれを目ざすならあらためて初等教育にテコ入れしないといけない。
 小学校卒業時点で47都道府県を諳んじていないような一般の「教養」水準を前提として、TもΠもあったものではない。

 プログラムのM先生、過去・現在・未来の一貫したイメージをじっくり紡いでくださった。「選択と集中」の必要性を指摘なさるのが、いかにも同先生らしい。
 すべての授業を均一化するのではなく、「最先端の技術と方法を取り入れたオンライン科目」「標準的に良質な講義を担うラジオ科目」「一般視聴者も視野に入れたテレビ科目」等を効果的に切り分け、組み合わせることが望ましいと。実践的な叡智とは、こういうものだ。
 「ほとんどは、これ(=標準的に良質な講義を担うラジオ科目)で良いと思うんですけれど」と静かに付言なさったのが、いよいよM先生である。今年度一杯での定年退官が心から惜しまれる。

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 ディスカッションを中座し、Sクリニックへ移動して検査結果の説明を受ける。
 無罪放免、ひとつ片づいた。あとひとつ、これは三月。キリがないな。

 帰りの電車の中で、「男のヒゲ脱毛」の広告を見て不思議な気持ちになる。手間ヒマかけて、金かけて、ヒゲを脱毛しちゃうのか、う~ん・・・
 鞄の中にはフィリップ・ロス『乳房になった男』(集英社文庫)、でも、この主人公はどこまでも男性であって、男性であることを男性的に悩んでいるのだ。
 ジェンダーって、何だ? 

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