散日拾遺

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とりとめない便り

2023-09-12 10:41:36 | 日記
2023年9月12日(火)
 E兄:
 9月1日は失礼しました。お目にかかれず残念でしたが、自重して正解だったようです。
 急性症状は軽くてすみ、一か月前の夏風邪の方がよっぽど苦しかったぐらいなのに、この一週間というもの妙に心身が重くて気力が出ないのです。これがコロナの厄介さ、後遺症の一種でしょうか。何しろ不覚でした。すっかり回復したら、また月例の一献によろしくおつきあいください。

 ところで新聞土曜版の詰将棋、毎週の難問続きでこのところ辟易しています。挑戦する気が起きないし、答えを見ても複雑すぎて感動できません。一般読者を対象にした出題としては、いささか難度が高すぎると思うのですが、こちらのレベルが低いのでしょうか。貴兄はいかが?
 詰碁はいつもながらよく練られています。こちらは今回久々の「上級」問題で、半日うなったあげく夜の8時過ぎに解けた時は "εὕρηκα!" とアルキメデスのように叫んでいました。眼形豊富に見えても、あっという間に弱点の露呈するのがダメヅマリの恐ろしさで、人生の何に譬えるものかと考えさせられます。

 今日は母の命日です。早いもので5年発ちました。その間の貴兄の御活躍を思い、あらためて敬意を表します。
 そうそう、ヘロドトスの『歴史』を読んでいたら、アルメニアが出てきました。バビロンの繁栄を語るくだりで、アルメニアの産物をバビロンに船で運ぶ話です。かなりの急流のため、船で往復はできません。そこで往路は獣皮で張った丸形の船に産物と一緒にロバを載せて川を下り、品物を売りさばいてしまうと船の骨格は廃棄して、ロバに荷物や獣皮を載せ陸路でアルメニア高地へ戻っていくというのでした。積荷の大半は酒を詰めた椰子材の酒樽だそうで、当時からアルメニアの酒は珍重されていたようですね。
 この輸送風景を「バビロンの町自体に次ぐ最大の驚異」とヘロドトスが表現しています。ただ、バビロン市街を貫通していたユーフラテスの川筋を現在の地図で遡っても、アルメニアには到達できません。川筋が変わったのか、「アルメニア」と呼ばれる土地が現在のそれとは違うのか、何かしら解釈が必要と思われます。次の機会にでも貴見をお聞かせください。
 暑さももう一息、御清祥を祈ります。
M拝
Ω
 

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