日本人の自然観とはチマチマした箱庭趣味的なものとして捉えられがちですが、海という観点から捉えると、それはガラっと変わります。
日本の海岸線の総延長距離は3万5262キロあり地球一周分に相当する。また一千平方キロあたりの海岸線を他国と比較すると、アメリカ15.2キロ、イタリア16.8キロ、イギリス36.4キロに対して日本は89.6キロありこれはデンマークの150キロについで世界第二位の数字なわけで、これを見ただけでも日本はスケールの大きな海の国だと証明されます。
そして日本列島をすっぽり覆う海流「黒潮」は、アマゾン川の500倍の流量を誇る、いわば世界最大級の大河だといえます。
「日本は閉ざされた狭い島国だ」という固定観念がありますが、いにしえの昔には陸より海のほうが遥かに移動に向いていて、そいつに囲まれた日本の沿岸部は、全国、そして大陸諸国とさかんに交易を行ったオープンな場所でもありました(考えてみると大昔は今のような道はないし、車もない、モノを運んで移動するのは非常に難しい。しかし船ならば、相当重いものでも楽々と運ぶことができる。)。海は人と人を隔てるのではなく、実は、結ぶ所であるのです。
あるツールを介すると、そのことがよく分かります。
そこに着眼するのがこれからの時代、大事なことやと思います。