プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

シーカヤック&ミュージックツアー

2008-12-01 17:53:40 | 音楽
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 ここんとこアイランドストリームの業務をほっぱらかしにしてソロであちこち行っていると思われがちですが、全くその逆で、ずーっとアイランドストリームのことばかり考えています。
 来年のさらなる飛躍、面白いツアー展開、イベント企画、短期的目標と中・長期的ヴィジョン。そういうものは一人の脳みそになったほうが断然湧き上がってくるんですね。自分自身に立ち帰るということが、かけがえなく大切な仕事なのです。またぼくの仕事はアイランドストリームですが、趣味もアイランドストリームです。そういう関係。

 さて、前から温めていた案の一つとして、
 来年から「アイランドストリーム唐尾ベース」(もうひとつのツアー拠点)にて、「シーカヤック&ミュージックツアー」という企画ツアーを実施していきます。
 どんなものかと言いますとすごくシンプルで、鷹島や黒島、白崎海岸といった湯浅湾の南岸をゆったりシーカヤックワンデイツーリングした後、海辺のクラブハウスにて海に沈んでいく夕陽を眺めながら上質の音楽に耳を傾け、おいしいコーヒーをいただいてチル・アウトする(くつろぐ)というツアーです。
 「感性」というものをより、なによりも大事にします。

 五感を研ぎ澄ませ、
 自然のヴァイブに全身をゆだねたあと聴き入る音楽は、
 格別に心に染みいってきます。
 いつも言ってるように、
 シーカヤックって音楽的な乗り物なんですよね。
 上陸後、波の揺れが身体に残っている状態で、
 海のヴァイブと音楽のヴァイブが、
 心の中で呼応する魔法のようなひととき。
 自分自身がひとつの楽器になったような気がして、
 すごく豊かな気分になれるんだよね。

 所変わってスペイン・イビサ島には有名なサンセットカフェ「カフェ・デル・マル」てのがあって、世界一きれいな夕陽を見ながらDJのプレイする音楽に耳を傾けるそのスポットがひとつの観光名所になっていますが、こちらアイランドストリームの湯浅湾サンセットカフェはスーパー穴場で、だけど夕陽と海景の美しさは全然負けていないと思いますね。何より、音楽を聴く土台・海に身を置いたリアルな体感っていうのはかけがえないもんだしね。
 世界一なんて、自分のところはみんなそう言うんだよ。
 正しくは、たくさんの世界一がある。

 ジャズ、ボサノヴァ、ラテン、ワールドミュージックその他、
 その時の状況に応じていろいろかけます。
 DJはぼくがメインで、時に応じて誰か面白そうな人を連れてきたいと思います。
 ツアーコースも、音源も、ハコも、音響も、コーヒーも、
 もうすでに全部そろっています。
 あとはやるだけの段階です。
 めっちゃ歓迎しますから、来てね。
 
 このツアーは3月半ばから6月末、
 9月末から11月末までで随時、予約あり次第行います。
 (7,8,9月頭までの真夏のここはマナーが最低な海水浴客がごったがえすので行いません。)
 催行人数は10人まで、参加資格は最低1,2回以上アイランドストリームのシーカヤックツアーに参加したことのある方対象となっています(漕ぎの面で、ある程度の余裕が必要なため、全く初めての人はまず通常のツアーをご経験ください)。
 料金は通常のワンデイツーリングと同じ12000円/1人です。
 なお、以前にうちのツアー参加したことのある方でもほとんど漕いだことのないだろう場所を漕ぎますので、シーカヤッキングそのものもすごく楽しんでいただけるかと思います。
 
 もちろん従来の通年やってるツアーも並行して行っていきます。
 また随時ウェブサイトにも案内を載せていきます。
 今からご予約いただいても結構です。
 よろしく。
 
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↑ クラブハウス内は昼間、こんな感じで、雑誌とか読んだりするものゆったりできていい。

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↑ 夜はこんな感じで、バー的な空間になります。
 完全ビーチフロントで、かなり大きな音を出しても、潮騒は常に聞こえてきます。





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プラネット感覚

2008-12-01 14:43:24 | インポート
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 串本・潮岬から帰ってきました。
 アマゾン川の500倍の流量を誇る世界最大級の水の流れ、「黒潮」がダイレクトにぶち当たる潮岬は、並みいる太平洋岸の外洋ゾーンの中でもひときわダイナミックで、やはり次元の違う海だという感じがします。
 地球が自転する際に生まれる「コリオリの力」によって起こる海洋大循環・黒潮。
 回転する地球の歌・黒潮。

 ここはウミガメやイルカ、サメなどの海洋生物に出くわす確率の高いところで、今回は1.5mくらいはあろうかというアカウミガメに出会いました。

 「ここにはヌシみたいなとてつもない何かがいてらっしゃるようなゾクゾク感があるぜ」という、この海域特有の異次元感に畏怖しながら木の葉のように漂っていると、いきなり「バフっ」っと生々しい呼吸音をたてながら目の前に顔を出すでかいウミガメ。めっちゃめちゃびっくりさせられると同時に、もしかしたらこいつはヌシの使いなのではなかろうかという錯覚を起こさせます。
 周囲の均衡を食い破って立ち現れる野性的、神話的な瞬間。

 たとえばアメリカ・インディアンの神話に出てくるウミガメは「地球の鼓動の象徴」という意味が付与されていますが、こんな瞬間そういう大自然とひとつに生きた民のシンボリックなセンスがよく分かるね。

 この海域のヌシとは、大いなる地球の鼓動そのもののことで
 その使いがアカウミガメ。

 これこそいわゆるひとつのぼくの言う、
 またアイランドストリームのブランドイメージである、
 「プラネット感覚」というやつだ。

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串本大島から眺める太平洋。この地域の漁民は昔、小さな帆船で大海原を越え、はるかオーストラリアまで真珠採りに出かけました。公式には明治からといわれていますが、実際は海外に出ることは死罪に処せられた江戸時代からすでに渡海が行われていたらしいです。いや、もっともっと昔から・・・、さまざまな最新の人類学、考古学をひもといていくと太平洋の海洋系縄文民族は有史以前から世界中あちこちに行き来していた可能性が極めて高いといわれています。「行きっぱなし」ではなく、「行き来」なのだ。カヌーみたいな小舟でな。確かにそんな伝統の流れがなけりゃ、鎖国時代に「オーストラリアのアラフラ海の木曜島まで行ったら極上の真珠を採取することができるぜ」なんて情報を知る由もないからね。海洋系縄文人の偉大さに敬礼。

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潮岬最先端部分の渦。水深80mくらいの深場から一気に浅瀬になる地形で、おまけに海底の岩礁も複雑なので、潮が海の底からボワーンと上がってくるようなゾーン。その下からのカレントに乗って海底のウミガメもいきなりズボっと海面に顔をのぞかせるのだ。




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