プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

how many miles must we march

2013-10-03 08:50:17 | インポート
P1010144

 またまたここのところブログ更新が滞ってしまっていました。

 心地よい気候になってきました。
 個人的にも、夏期ツアーの忙しい時期がすぎ、
 ようやく落ち着いて海や自然やシーカヤックに向き合うことができる
 日常に戻ってきました。

 世間一般には「海=夏だ」という固定観念が強いせいか、
 ガイドとしての業務も夏に集中しがちなのですが、
 実際にお勧めしたいのは秋や春のシーカヤッキングなんですね。
 
 本当のベストシーズンと実情とが、
 誤解されているというか、これほどズレのある物事も、
 あまりないかもしれません。

 もちろんこちらもプロですので、真夏は
 海遊び要素をふんだんに取り入れたツアーで皆さんに楽しんでいただいておりますが、
 心の中ではいつも
 「夏は夏でいいんだけど、
 その他の季節の、千差万別の海の表情も見ていただきたいな」と思っています。

 夏はあくまで、「ひとつのいいシーズン」。
 悪くはないけれど、特に「ベスト」というわけじゃない。

 シーカヤックというのは二十一世紀に入って一般にも認知化されてきた、
 非常に新しいジャンルのアウトドア・アクティヴティです。
 その、権威の手垢に汚されていない新しさに惹かれた部分も多々あります。
 「自分がこれからクリエイトしていけるジャンルだぜ」と。
 そして実際にやってみると、そして国内外を旅し続けてきて、
 これほど自然と一体化できる奥深いものはないな、と確信しました。

 ただのレジャーというより、
 もっと伝えていきたい要素が別にあるわけです。
 しかしモノには段階があります。
 本質が急に思い通りに伝わっていくわけありません。

 シーカヤック業界では、まず第一段階として、
 ごく一般の人々にその存在を浸透させるために、
 ここ10~15年程、限りなく敷居を下げた未経験者対象のツアーを
 中心として行われてきました。
 その成果として、世の中のたくさんの人がシーカヤックを経験し、
 その楽しさに触れることができました。

 そういう流れの中で、
 海=夏だという世間一般のイメージと合致し、
 夏のレジャーとして浸透してきました。

 しかしその反面、海を知るとか自然を知るとか環境について考えるとか、
 本来のシーカヤッキングの奥深い魅力はまだまだ全くと言っていいほど
 伝わっていない。その部分はむしろ後退したと言ってもいいかもしれない。

 だけどこのジャンルも別の方向性に舵を切るべき段階に差し掛かってきています。
 ただの真夏の海遊びレジャーとしてだけではもうダメですし、
 やってるこっちが面白くない。また体力・精神力のすり減りがハンパない。
 今食えてるからまあいいや、
 なんて思ってたらジャンルそのものが終わっちゃいますね。
 実はそれくらいの危機感をもっています。

 ・・・・おっっと、
 今回のブログは「秋のカヤック気持ちいいですよ」とさらっと言おうとしたつもりが、
 だんだん本音入ってきちゃいました。

 何度も言うように夏は夏でいいんだけど、
 その他の季節のシーカヤッキングを体験してみることによって、
 ちょっとずつ認識が変わってきます。
 面白さもより深まってきます。

 今、アイランドストリームでは、
 もっとシーカヤック本来の面白さを伝えてゆくために、
 色々と計画を練っています。
 ちょっとずつ変えてゆき、気がついたらガラっと変わっているかもしれません。

 まずは秋や春のシーカヤッキングの面白さを実感していただき、
 そしてある程度自分で海に出られる人を育て、
 応援して行く体制を作っていきたいと思っています。

 よろしく。


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