海ガイド20日連勤なども挟んで真夏のツアーもひと段落が付いた。身体はそれほどでもないけど、脳ミソが疲れてる感じ。まあ、この手の疲れは良い音楽をガンガンに聴いたら治る。
まだまだ夏の海は続くけれど、この夏の特徴として、素人の人がガイドなしでカヤックやSUPで結構沖まで出る人が、より目立った。別に最低限のスキルや海の知識があればそれも全然いいけれど、なさそうな人、「大丈夫かいな」と心配させられる人、「この人、海を舐めてるな」と思わせられる人、ライフジャケットすら着用せず島に渡ったりする人などが、多く見受けられた。まあ、今年の8月の海は穏やかな日が多く、台風うねりも入ってこなかったから良かったけど、20年近く毎年色んな例を見ている者からしたら、なんとかせんといかんなというレベルになってきている。レンタル問題もあるし。
正直、何のスキルも知識もない人が無事故なのは、たまたまマグレだったのだと思っておいた方がいい。そしてスキルも知識もある人間でも事故を起こす可能性あるのが、海の厳しさ。ましてや初心者は….。
基本海は誰のものでもなく、自由な世界。しかしそれもスキルと知識、経験が伴ってこそ。
昨今はsupやカヤックで村おこしみたいな流行りがあって、それが本当の海理解、自然理解、畏怖畏敬の念に繋がって、一つの新しい自然カルチャーに発展していけばいいんだけど、今の陸のワガママ人間主義の価値観をそのまま持ってこられ、多勢に無勢、悪貨が良貨を駆逐する状態になったら、それはそれは悪夢だ。
ぼくらは本当の海文化を伝えていかなきゃならない。
ということで、やっぱり、ぼくの立場的には人と海や自然との関わりをテーマにした本をどんどん書いていかなきゃならんなと改めて思う。本が人の心に一番ダイレクトに届くメディアだから。
これまで全く海に疎遠だった人がカヤックやSUPに興味を持つという今の流れは悪いとは思わないが、状況として、いいとはとてもじゃないけど思えない。