先日、南紀の枯木灘にあるすさみ町、江須崎を訪れた。
ちょうど黒潮の流れに向かって突き出た地形になっていて、植生もなかなか凄い。まるで黒潮に乗って異次元からやってきたUFOのような島、江須崎。エスという語呂も不思議。
と言っても植生も実のところ、シイ、イヌマキ、ホルトノキの原生林も人の手によって、だいぶ枯れてしまっているようだ。さしものUFOも人為にはかなわないのか。いっそのこと黒潮の源流までワープし、エネルギーチャージしてからまた再び帰ってきて欲しいものだ。
なおここにはハカマカズラという亜熱帯植物がある。写真下から二番目の黒っぽいツル草がそう。沖縄から黒潮に乗ってやってきたやつだが、その実は数珠みたいな形で昔は実際に数珠用として京都の仏具屋に売られていたようだ。紀伊半島におけるハカマカズラの大きな群落がここと、あと南方熊楠で有名な田辺湾の神島になる。それからその最北限が湯浅湾の黒島だ。
そんな植生と黒潮感覚の変化を最も敏感に感じることができるのがシーカヤックである。