プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

UFOの島

2021-02-17 17:38:00 | 紀伊半島




















 
 先日、南紀の枯木灘にあるすさみ町、江須崎を訪れた。

 ちょうど黒潮の流れに向かって突き出た地形になっていて、植生もなかなか凄い。まるで黒潮に乗って異次元からやってきたUFOのような島、江須崎。エスという語呂も不思議。

 と言っても植生も実のところ、シイ、イヌマキ、ホルトノキの原生林も人の手によって、だいぶ枯れてしまっているようだ。さしものUFOも人為にはかなわないのか。いっそのこと黒潮の源流までワープし、エネルギーチャージしてからまた再び帰ってきて欲しいものだ。

 なおここにはハカマカズラという亜熱帯植物がある。写真下から二番目の黒っぽいツル草がそう。沖縄から黒潮に乗ってやってきたやつだが、その実は数珠みたいな形で昔は実際に数珠用として京都の仏具屋に売られていたようだ。紀伊半島におけるハカマカズラの大きな群落がここと、あと南方熊楠で有名な田辺湾の神島になる。それからその最北限が湯浅湾の黒島だ。
 
 そんな植生と黒潮感覚の変化を最も敏感に感じることができるのがシーカヤックである。
 

 
 

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西行庵にて

2021-02-17 17:05:00 | 紀伊半島









 先日、吉野にある西行庵を訪れた。西行が見ていた目線のその先に興味がある。
 まあそれはそれは渋い、老人趣味だと思われるかもしれんけど、ホコリをかぶったような古いものの中から、新たな現代的価値を見いだしていくことに面白みがある。

 余談だが、よくあるビジネス書や自己啓発本などに書かれている効率化や生産性などをいくら追求しても現実などまず変わらない。むしろこういう、一見どんくさいような文化的探求のほうがやがて現実を変えてゆく糧になりうる。

 下から二番目の写真は西行の時代(1000年前)からあった水場で、それについて和歌が歌われている。また江戸時代に松尾芭蕉がここを訪れ、俳句を詠んでいる。その辺の関係が一番下の写真のボードに記載されているわけだが、そういう時空を超えた文化の継承は面白い。 
  
 両者に共通する、歴史に貫かれるものはなんなのだろうか?


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