作者は、若い頃占いをしてもらったのだろう。そして、その占い通り良き晩年になった、という。全くもって、実に有難くめでたいことである。
さて、季語に茶の花を持ってきた。チャノキ(茶の木)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹である。加工した茶葉から湯・水で抽出した茶が飲用される。原産地はインド、ベトナム、中国西南部とされるが詳細は不明。花は、サザンカ(山茶花)やツバキ(椿)と似ているが、白く小さく地味である。
つまり作者の晩年は、そんなに派手で豪華ではなく、茶の花のように地味ではあるが、幸せな良き晩年だ、と納得しているのだ。
この句の季語が、例えばボタン(牡丹)だったら、自慢じみていけない。茶の花の謙虚さが良いのだ。
ロウバイ(蝋梅)