俳句の題材には、自然や動植物、自分の生活、家族や友人、社会、そして人生観や想像(フィクション)や夢、更に教訓や感慨など様々ある。しかし、「俳句は花鳥諷詠」と昔から言われているように、あくまで基本は「自然を詠う」であろう。
さてこの句、九月に毎週のようにやってきた台風がまず想像される。それを避けるために。砂浜に揚げられた多くの漁船と、それに群がり休むカモメが想像される。
台風の時、カモメたちは一体どこに避難しているのだろうか。山に住む山雀、四十雀など沢山の鳥達のことも、私はとても気に掛かる。そして、台風が去って、小鳥たちの元気な姿を見てほっとするのだ。この句に、そんなことは一言も書いていないが、俳句の言葉の裏側の省略された状況や作者の想いを想像するから、俳句は面白いのだ。
いずれにしても、「地震、雷、火事、親父」という恐ろしいものを並べた言葉から、親父はとうの昔に消滅したらしい。そんな余計なことも思いつくから、可笑しい。
ヒガンバナ(彼岸花)別名=曼殊沙華、葬式花、墓花、死人花、幽霊花・・・