Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

土筆(20)

2018-03-16 10:13:13 | 日記

 さぁ、と、知らない子が言えば、どこそこの誰だという者もいて、聞いた指導者の子はやや驚いて、真面目な顔をして考え込んでみるのでした。「ああいう家の子は、小さくでも大丈夫な場合があるんだな。」そんな事を独り言のように呟いていると、あそこの家はもう辞めたのだと声を発する者がいました。そこで彼はまた考え込むのでした。『辞めた、という事は家の職業は関係ないのだろうか?』そんなことを考えている内にグループの中にいた妹の表情に気付きました。

 喜々とした目をして皆の中にいる彼の妹は、私の目の前にいてああするのだと呟いていた少女でした。彼は妹がこの場所を嫌っている事は以前から知っていました。彼女がコッソリ呟いた言葉も、彼が普段聞き知っている声だけに聞き逃しませんでした。そこで早めに一言妹に注意しておこうと考えました。彼は真面目な顔をすると

「家はダメだからな。」

と皆の前でしたが、真顔で妹に駄目出しするのでした。「家は普通の家だから、お前だとあゝは行かないからね。」酷い目に遭うから止めなさい。そう言うと、再びリーダーは皆に背を向けました。

 「あの子達はお茶屋の子だからね。」と面白そうに言う言葉が聞こえました。その声に合点した子は、ああ、へぇ、道理で等の声を漏らしました。「だからうまく…、」逃げ出せたとも言えません、此処で指導者は口籠ると言葉を切りました。『だから、だから…』

「だからうまくいったように見えるけどね。」

そう言ってにんまりと笑って見せました。この後はどうなるか分からない、上手く行かないかもしれないという含みを、言葉の中に持たせてみたのでした。


土筆(19)

2018-03-16 09:45:27 | 日記

 「ああ言うんだわ。」

私の目の前にしゃがんでいた顔見知りの女の子が、指導者の子から顔を背けるようにして俯くと、そう小声で呟くのが聞こえました。この頃の私はというと、まだこの騒ぎで何があったのか全く事情が呑み込めない程の幼さでした。「そうだよね、ああやって逃げてしまった方が利口だよね。」こんな嫌な場所で、何時までもぐずぐずしているなんて馬鹿だよね。そう私は小声でその子に同調してみせるのでした。今この嫌な場所から逃げ出して行ったのだという子供達の心理は分かっても、幼い男女の機微など全然理解できない年頃だったのです。

 「まっ、たまにはこんな事もあるさ。」

遠ざかって行く喧騒が消えた頃、何時の間にか皆に背を向けていた指導者の子は、一呼吸置いた後に落ち着いた感じで言いました。それは自分自身にも言い聞かせる言葉でした。向こうの場所から男の子の泣き声や叫び声が聞こえ、この場から去った子等の事情が伝わってくるにつれ、この子供達のリーダー格は、皆の手前この場をどう納めたらよいかと内心慌てふためいていたのです。グループの中の聡い子に自分の顔色を読まれ無い為、皆に背を向けてこの場をどう納めたらよいかと必死に考え込んでいました。

 『落ち着こう、兎に角この場は落ち着いて…』そう思い、威厳威厳とリーダー然としてこう低めに声を出したのでした。そして微笑むと如何にもあっさりした調子で「何時もこうなるとは限らないからね。」と、顔はあくまで笑顔に保ち、皆に自分の面を向けたのでした。

「皆から外れない方がいいんだよ。」

このグループのリーダーは再度注意するのでした。そうして、今帰って行った子達は何処の子かと、知っている子はいないかと尋ねてみるのでした。


チョコレート

2018-03-16 09:36:28 | 日記

 今年はチョコレートでした。今迄貰ったものにはクッキーやマシュマロなどのお菓子の他に、ハンカチや品物などもあります。品物はお菓子と共にセットになっていたこともあります。変ったところでは、アダルトなお返しで下着とチョコがセットになっていた物がありました。今まで1例だけです。義理チョコのお返しでした。

 もらって嬉しいお返しと言うと、お菓子等の食べ物(レストランでの食事を含む)も嬉しいですが、お花や小物などの身近なものも嬉しいです。ティカップや紅茶、憩の時に使う品物も嬉しいですね。また、近代的にスマートホンやタブレットなど、日常的に使う品物も嬉しいです。将来的に愛用品になるものはとても嬉しいプレゼントです。これは誕生日も同じことですね。