良い天気です。海水浴に行かなくなってから久しい我が家です。昔はお弁当を持って、每夏近くの海へ海水浴に出掛けたものです。私が小学校の高学年、中学生になった頃から、段々と家族で海へ出掛ける事が少なくなったように思います。これは、私が個別で友人と共に海に行けるようになったからだと思われます。また、両親も歳を取ったからでしょう。
私が子供の頃は、浜辺で気軽に着替えさせられていましたが、長じるに連れて、学校では男女別の更衣室、海では海の家と、周囲に安心な着替えの場所が必要になりました。その事も、家族と気軽に海に出掛けなくなった理由だと思われます。
小さな頃の砂の上の着替えが、脱衣場の小屋になり、海の家のお風呂場に変わるという変化は、段々と文化水準が向上した様相です。この事は実は経済的な変化でもあり、最初の頃の自然の中での無料から、公共の場の無料、親の仕事先の福利厚生の利用で無料と、主に只で来た海水浴が、不況等が起きたという世情から、有料の海の家利用へと変化したという出来事がありました。そして、この間段々と海水浴から遠ざかって行った我が家であり、私です。
それから身綺麗で便利、 大きなレジャー型のプール施設が普及して来たのも、大きな海離れの原因でしたね。私の子供の代では、海は砂があるから嫌だと嫌われたものです。砂の造形は楽しいのに、それも好まれなかったようです。
「そうか！。」足元と思しき方向で、父が何やら1人合点したらしい声がした。 またか…。遠のき始めた意識の中、もう父のこの声は、私の頭の中で霞みの彼方の物になりつつあった。靄に掻き消......