Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

並木道

2016-11-09 15:45:54 | 日記

 校門前の並木道を通い始めて3年目、私は第3学年になりました。

(と、ここで連帯感を持たせてみましたが、嫌な人もいるかもしれません。いろいろですからね。

 新学期から憂鬱な気分です。入試のある学年ですからね。実力テストの予定も毎月組まれているスケジュールです。

私に限らず、皆げんなりした感じの元気のない顔つきでした。元気な人もいましたね、安定株というものです。

 今度のクラスで、私は昔馴染みのFさんと同じクラスになりました。

顔見知りのJさんも同じクラスになりました。

Jさんは、小5の時にFさんが私の家に用事で来た時、彼女の連れで一緒に家に来て、紹介された事がありました。

が、

「Junと同じで外れてるから気が合うと思って、宜しくね。」

と、私にこっそり耳打ちされたという、Fさんから特異な紹介のされ方をした人です。

 …何か思いますよね。(私に限らず

 私自身はそれまで皆から外れていると思ってもいなかったので、

一瞬そうなのかな?と、普通不快に思いますよね。思いました。

 『それはFさん、あなたの方なんじゃないかな…、私今までどれだけ皆から言われたと思って。

よくあんな人と付き合ってるわね。Fちゃんの友達だっていうから、どんな子かと思って。

あの子に友達なんているの。

等。気の毒にと思って付き合っていればこの言われよう。

そう思って、私はにこやかなJさんの顔を見て、この子も気のいい子なのかな?気の毒に

と思った事を昨日のように覚えていました。

私に限らずFさんは、誰に対してもこのような物言いだったようです。

 Jさんと私は背丈も同じくらいなので机も並んでいる事が多く、出席簿でも並んでいましたから、

直接親交するのは初めてでしたが直ぐに仲良くなりました。

3学年は3人で仲良く過ごした感じです。時に2人、F&J、Jun&F、J&Junでした。

話せる時に話していた、時間の合う時にくっついていたという感じです。

 さて、学校の春の行事に毎年写生大会がありました。

私は1年の時には要領が分からなくて、1日写生大会だと聞いていたのでのんびり細かく描いていました。

しかし実際は半日の行事だったので、3分の1ほど描いて終了、集合の声に、絵のバックが空白のままで大慌てでした。

まさか背景を真っ白のそのままに提出もできないと、慌てて緑でバックをべた塗りしました。

おかげで図案画じゃないのに、写生なんだよ、と、

クラスに張り出された絵を見た男子に大いに馬鹿にされてしまいました。

写生の後、クラス内に皆の絵が張り出されることも知りませんでした。

私の絵はよいさらし者になっていました。

校内写生大会の初っ端から、嫌な思い出第1号が出来ました。

 翌年、2年時の写生大会では汚名を晴らすべく奮起しました。

1年の時誰が1日行事だと言ったんだと恨めしく思いながら、確り馬鹿じゃないところを見せなければと、

絵筆を走らせるスピードを、これ以上はできないと思うほどに手早く、

傍らで誰が何を言おうと耳を貸さず、気を取られずに一心不乱に絵に集中して、集合時間前に一応の完成をみました。

時間が余った程です。あれこれと手直しや加筆が出来ました。

それなりの出来にひとまずホッと胸をなでおろしたものです。

頑張った成果はありました。2年の時の絵は銀賞に輝きました。

1年越しで汚名挽回した気分でとても嬉しかったのと、小中と学校で賞をもらった事が殆ど無い私には、

唯一といってよい受賞になりました。

 そして今回の第3学年の写生大会です。

実は、これだけ絵の事を書いて来たのには理由があります。

絵自体は3年目なので慣れていました。ましてや2年の時に受賞した経験があるので張り切って取り組みました。

慣れた分時間は2年以上に余りました。それでせっせと加筆、絵の具を塗り重ねて重厚な仕上がりの絵となりました。

『昨年より良くできたから、今年は金かな。』

そんな事を思い、内心にこにこ1人悦に入っていました。

 ところが、金どころか銅賞にも入らず、選外となってしまいました。

自分でもがっかりして教室に張り出された絵を眺めていました。

結構良かったと思ったのにな、と、溜息を吐いていると

「いい絵だね、金賞でもいいのに。」

と、後ろから声がしました。

振り返るとクラス委員のせー君です。

 僕はこの絵は金賞だと思う、先生に言っておいてあげるよ。と言われて、

私はせー君とは初めてクラスが一緒になり、話すのも初めて、

同じ学年にせー君がいた事もクラスが一緒になるまで気付かなかったくらいに馴染みのない人でしたから、

当然喜ぶ前に凄く驚きました。ぎょっとした感じでした。

男の子の方から話しかけられるのなんて、この3年間に何度あったでしょうか。

また嫌がらせかなと身構えさえしてしまいます。

 でも、クラス委員だし、にこやかな物言いにありがとうとだけ感謝の言葉を返すのでした。

 

 

 

 


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