Jun日記(さと さとみの世界)

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土筆(218)

2018-10-07 09:29:15 | 日記

 何時も妻と2人で、側に孫を置いてあれこれとこういったやり取りをすると、決まって孫達は「お祖母ちゃんを苛めるな」とか、「怖い顔をして睨んだ」とか言うと、怒ったり泣いたり時には喚いたりするのでした。 

 ところが、この時蛍さんは泣き出すどころか祖母にこう言ったのでした。

「お祖母ちゃんとお祖父ちゃんは本とに仲がいいんだね。」

えっ!と祖母は驚きました。蛍さんの言葉が全くの予想外だったので、彼女は孫に今何と言ったのかと聞き返したくらいです。

「お祖母ちゃん達が仲がいいって言ったんだよ。」

と、蛍さんは繰り返しました。

「お祖父ちゃんは本当にお祖母ちゃんの事が心配でしょうがないんだね。」

お祖母ちゃんが大好きなんだね。そう孫は付け加えるのでした。

 「そんな事、」

照れながら祖母は言うのでした。「そんな事、お前さんに分かるのかい?」祖母は心底驚いてしまいました。今迄孫達といてこんな事になるのは本当に初めての事でした。何時もは祖父や祖母の真剣さに、孫達は一騒ぎしてその孫の母達が慌てて出て来たのでした。お陰で、その後は自分達の息子ともあれこれとぎくしゃくした結果になり、彼等は相当困っていたのでした。

 それで祖母は、蛍さんの時だけこう事がすんなりとこの孫に理解された事を怪しく思いました。きっとこんな場面を想定して、蛍さんの両親のどちらかが彼女に知恵を授けておいたのだ、と彼女は勘ぐったのです。そしてそれは嫁の方だと当りを付けました。


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