昨日のつづき的俳句をお読みください。
百までも 呆けず生きたし さるすべり
詠まれたのは七十六歳のご婦人です、なんの変哲もない読まれた通りの句
です、が 「障害者の息子と暮らしています。呆けずに百までもと願っています。
私が弱ったら誰に面倒をみてもらえるかと思うと、頑張らなければと思います」
という詠み手の思いを知りますと、句意が切実な思いであり決意であることが
伝わってきます。
息子さんの障害の程度は分かりませんが、五十歳前後の独りでは生きては
いけない一人の成人の命を支えている母親としての全生活。
そんな暮らしのひと時に目にしたさるすべり(百日紅)の紅色、百日続くという
その色に日ごろの思いを託す、と読みとりました。 重症心身障害児者施設で
清掃という仕事に携わっている者として、句意の意味することが痛く伝わって
きます。
そして、同年代の者として百歳まで生きなければという心底からの 「決意」 は
何かと自問して、なかなか自答がはっきりしません。 偶然この「つぶやき」がブロ
グ開設100日目であり、これからの「つぶやき」に自答の片々を込めていこうかと
考えました。 あわせて、このご婦人の切実な思いへの共感を忘れずにいこうと思
います。