kaeruのつぶやき

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蕪村の絵 補足。

2014-11-11 22:05:15 | kaeruの「おくのほそ道」

  蕪村の絵について補足しておきます。

壱 「旅立ちの図」に付して。(前掲 山と渓谷社刊『奥の細道』)

 弥生も末の七日、あけぼのの空朧々(ろうろう)として、月は有明にて、

光をさまれるものから、富士の峰幽(かす)かに見えて、上野 ・ 谷中の花

の梢又いつかはと心ぼそし。 むつまじきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗り

て送る。 千住といふ所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさが

りて、幻のちまたに別離の泪をそそぐ。

  行く春や鳥啼き魚の目は泪

 これを矢立の初めとして行く道なほ進まず。 人々は途中に立ちならびて、

後かげの見ゆるまではと見送るなるべし。

 

弐 「芭蕉翁圖」に付して。(碧梧桐著 『画人蕪村』)

 「芭蕉翁圖」に書かれている蕪村の書。

 人の短を云ふことなかれおのれの長を説ことなかれ

   もの云へば唇寒し秋の風  蕪村寫

   元は五老井か圖せる蕉翁の像なり句はめい月や

   池をめくりて終夜也それを座右の銘の句に書かへ

   侍る                            ≫


参 蕪村筆 「学問は」 句賛自我像に付して。

 (NHKテキスト『蕪村の四季』、玉城氏)

  学問は尻からぬかるほたる哉

 蛍のお尻から光がもれるように、学問は身につかないものだよ、

という軽妙な戒めです。 詩の背景や故事を究明することも大事だ

が、そのことに足をすくわれてはならないのです。