kaeruのつぶやき

日々のつぶやきにお付き合い下さい

「てんがらもん143回」、パンと犂。

2014-11-28 21:26:00 | 「てんがらもんラジオ」

   今回の「てんがらもん」を聴いて「人はパンのみに生きるにあらず」

という言葉をメモしていました。文化運動の一つである演劇鑑賞を運動

として進められているゲストの宮脇さんから、大きな刺激を受けたから

です。

    この言葉は聖書によるもので、だから趣味などを持ちなさい、という

風に使われているようです。しかし、聖書ではこの後「神はそのお口か

ら出た言葉のひとつひとつで、人を生かしてくださる」とつながるので

すから、趣味の必要性を強調するため引用するのは場違いでしょう。

 

    岩波文庫の『福音書』の訳者はこの部分に「(パンが無ければ)神はパ

ンを造って」という文を補足して、ここは「徹頭徹尾食物の問題で霊魂

の問題ではない」、だから「人はパンだけでは生きられない、霊の食物

としての神の言葉がいる、という意味に訳することは誤っている」と述

べています。私にはこの当否を判断する力はありません、しかし宮脇さ

んの話に心動かされたのは、神の言葉の必要性ではなかったことは言え

ます。私の頭に浮かんだのは、パンを右手に左手は犂(すき)に掛けて、

今日のパンを口にし、明日のパンをつくる農夫の姿です。

   犂(すき)は家畜を使って耕す道具を意味し、耕すという英語の

カルチャーは文化という意味でそのままカルチャーセンターなどと使われています。

人の暮らしのなかでパンと同じ様に重要な文化、その意味で「人はパン

のみに生きるにあらず」とメモしたのかと思い至りました。

 

    そして、「てんがらもんラジオ」にしても関係するブログにしても

文化現象であり文化活動です。演劇鑑賞運動に若い日の情熱をそのま

ま燃やし続けている宮脇さんに学び、「てんがらもんラジオ」とブロ

グという文化を運動として発展させたいと思います。

    もうひとつ、そういう文化運動に意識的に関わっている人々は、常

に精神の若さを保てるということです。それは毎回の「てんがらもん

ラジオ」が見せてくれています。