南日本新聞社の40歳の新聞記者を中心にして、それより若い記者たちが伊敷団地の現在と近未来を展望して企画記事を連載します。この連載を企画した狙いをゲストの三宅記者は現状の問題点にとどまらず、40代やもっと若い世代が高齢者になった時、この団地での生活がどうあるべきかと問題意識を語ってます。その素材としてのアンケートが団地の65歳以上の方々の協力を得て始められました。
前回のゲスト・滝川さんの愛護会の活動は伊敷団地の次世代を担う子ども世代に目を向け、育ちを地域全体で見守っていこうということでした。今回の三宅さんの問題意識は地域の将来の有り様を高齢者に目を向けて探求する試みです。お二人の話は図らずも一対になって地域の継続的な発展の有り様を語ったことになったと思います。
そして「てんがらもんラジオ」の視聴者のひとりとしての立場から言うと、この間に迎えたゲストの方々の思いの集大成だったのではないでしょうか。それはかけがいのない自分の人生を生きる場としての地域、そこから生きる力を汲み取りたい、そして自分もそこへ力を注ぎたい、そんな現代的ふるさと作りの方向を感じ取ることができました。
村永さんの高齢者虐待の話や前迫さんの人と人のコミュニケーションのあり方への懸念など、日常的に解決されなければならない課題が山積しています。それはどこに住んでいても同様でしょう。そのなかで当面の課題の解決に迫る気持ちと長期の展望への自信を持ち得るためには何が必要か、という思いを抱きながら南日本新聞社の連載記事に期待しています。