葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

人生100歳時代と死刑制度

2022-11-11 23:06:01 | 100歳へ上手な生き方

100歳時代を語る一方で日本の死刑制度について考えるということになって、これはかなり大事なことなのではないかと思っています。言うまでもなく例の葉梨前法相の9日の発言がきっかけですが、その発言から

葉梨康弘法相が9日の武井俊輔外務副大臣の政治資金パーティーで発言した主な内容は以下の通り。
 だいたい法務大臣というのは、朝、 死刑のはんこを押し、 昼のニュースのトップになるというのはそういう時だけという地味な役職なんですが、 今回はなぜか旧統一教会の問題に抱きつかれてしまいました。
 ただ抱きつかれたというよりは、 一生懸命その問題、 解決に取り組まないといけないということで、私の顔もいくらかテレビに出るようになったということでございます。
 外務省と法務省、票とお金に縁がない。外務副大臣になっても、全然お金がもうからない。法務大臣になっても、お金は集まらない、なかなか票も入らない、となると、しっかりと良い仕事を武井さんにしてもらうためには、物心両面で支えていただかないと。 私も支えていただきたいというのが本音ですが、 なかなかこの日本の国を良くすることはできない。」

死刑は法務大臣の命令として執行されるもので、人ひとりの生命を法の名の下に奪う権限の行使で、その行為が「はんこを押す」ことなのです。「はんこを押す」ことは死刑執行=絞首刑が施行されるのです。その実態を知ることは日本の死刑制度を考える前提でしょう。

 

日本弁護士連合会:死刑廃止を考える[Q6]

日本弁護士連合会

 

 被執行者の状態 2002/4/3衆議院法務委員会議事録 ・ 抜粋

(大島令子議員)憲法36条、 もう既にどなたも御存じだと思いますけれども、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」 と。 憲法ということで広く知れ渡っておりますけれども、私は、名古屋拘置所で昨年12月27日に処刑された死刑囚の遺体を見て初めて残虐な刑罰であるということを感じました。
 ここに、法医学者が、「死刑による肉体の破壊」ということで文章を書いております。
 死刑の執行が肉体に及ぼす影響もまた甚大である。その様子は、「がくりと首を折り、飛び出した眼球。 人によっては鼻血を吹き散らし、口からは舌とともに白いような粘液を吐いてこときれている死刑囚。 つい20分足らず前には、 自分の足で処刑されるべく歩いていた一個の人間。 ひとつの生命体が、こんな無惨な変わり果てた姿になって、 だらりと吊るされている」と報告されているとおり、 目を覆うような凄惨な状況を露呈し、仮に瞬時に死刑確定者が意識を喪失するものであったとしても、これが過酷な肉体的苦痛や熾烈な肉体損壊をもたらすものであることは否定できない。
 ちなみに、 法医学者は、死刑屍について 「顔面は淡紫紅色を呈し、 鼻翼を圧するに右鼻孔から汚穢淡褐色でやや希薄なる液をもらし、 死体の位置を動かす毎に口腔から前記同様の液をもらす。 舌尖」 舌のことですが、「舌尖は歯列の間に挟まれて歯の痕がある。 頸部臓器は、 甲状軟骨の上部で皮下組織を残して殆んど全く破断せられ、 胸骨舌骨筋、扁甲舌骨筋、 甲状舌骨筋、 中舌骨甲状靭帯は離断せられ、甲状軟骨は上切痕から下方に向かって破砕し、 左右径6cm、 上下径2.5cm、 前後径4cmの空洞を形成する。」 首の中が空洞ということでございます。
 左右の胸鎖乳様筋の上部に約扁桃大の筋肉間出血があり、 咽後結締組織間に約しゅけん大の組織間凝固を認むる」 として、14例の死刑屍の解剖所見からこの法医学者はこのように述べています。 「死刑屍の頸部臓器は一般縊死の場合と異なり、 広範なる範囲にわたりて断絶させられ、 甲状軟骨体及びその上角並びに舌骨大角の骨折、 筋肉の離断及び出血、頸動脈内膜の裂傷若しくは断裂、 頸部脊椎の骨折等を認めた」 ということで、 絞首刑の執行に激しい肉体の損壊を指摘しております。
 今大臣がごらんになった写真も、 縄の跡がここに見えました。 私も、 首が長く伸びているな、 何でこんなに首が伸び切っているんだろうという写真を見まして、なるほど、 法医学者のこの鑑定のとおりだなということを感じたわけなんです。

参考 国会会議録検索システム

 

明後日・11月14(月)は、

法務大臣がどういう風に死刑を観ていたか、この事と現在の死刑のあり方がその「残虐性」に於いて表裏の関係にあると知りました。このような国家の下で「100歳まで生きる」生き方も、考えを深めていかねばの思いを強くします。

コメント (2)
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