ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

あたふたフランス旅行(2)

2011-02-02 17:09:10 | 旅日記
陽光あふれる…いや今日は曇り空のニースからプロヴァンス地方の小都市、エクス・アン・
プロヴァンス(Aix-en-Provence)へ177kmをバスで移動します。



途中、ハイウェイはこのような形の岩山の横を通っていきます。
 プロヴァンス地方の歴史は古くギリシャ時代に始まり、とくにローマの植民都市だった
ローマ時代に栄えました。紀元前2世紀にフランスで初めてのローマ属州となり、
プロヴァンスの名前も「プロヴィンキア・ロマーナ(ラテン語)」つまり「「ローマ属州」
からきています。
 その後は各国から繰り返し侵略され、15世紀後半になってフランスに併合されました。
このような歴史を持つ地方のため、言葉にも強い訛りがあり、独自の文化が形成されている
ようです。



そのプロヴァンスの観光の拠点となっているのが、
エクス・アン・プロヴァンス(Aix-en-Provence)
<フランス語はアンシェヌマン(前の子音と跡の母音をつないで発音)するので
フランス人には「エクサンプロヴァン」です>

1時間ほど市内を散策しました。
この町の名前のエクスはラテン語の「アクア(水)」が転訛したもので、市内には100を超す
数の大小の噴水があり「水の都」といわれてます。

私たちの町歩きのスタートも、ミラボー通りにある「トロンド噴水」のあるドゴール将軍広場
から始まりました。



ミラボー通りはエクスを南北に分けるメインストリートで、プラタナスの並木道が続き、
両側の建物は17~18世紀の貴族の邸宅が多く、優雅な雰囲気の中を若々しい学生たちが
闊歩しています。

ミラボー通りの北側が旧市街で、この辺りを中心とした区域が世界遺産に指定されています。



旧市街に入りました。写真はジューススタンド。他にも小さなレストラン、革製品の店、
靴屋、小物を売る店などが並んでいます。
石畳みの舗道、古い煉瓦造りの建物、ギターを弾きながら物乞いをする老女…確かに長い
歴史の重みを感じます。ただ、残念なのはゴミやタバコの吸い殻が散乱し、それが空っ風
に舞って情緒を台無しにしていたことでした。



土産物屋さんのショーウィンドウです。並んでいるのは郷土人形の「サントン」
クリスマスに各家庭でキリスト生誕の様子などを表す人形を飾る習慣があり、先祖代々
受け継がれてきたものが多いようです。(日本の雛飾りに似ていますね)、

「Santoun」はプロヴァンスの言葉で、フランス語ではPetit Saint=小さな聖人の意味
だそうです。この地方特産の石灰分を含んだ粘土で作られています。人形たちの纏って
いるのは18世紀頃のプロヴァンス地方の民俗衣裳です。よく見ると、色んな職業の人達
が並んでいます。



市庁舎前の広場です。ここにも噴水があります(二人が腰かけている後ろ)。
お昼休みにカフェの前でくつろぐ人々が、暖かい日差しを浴びて談笑しています。



上の写真の左側に続きます。左端の背中を見せている茶色のジャンバー姿の人は、
アコーディオンを弾く辻音楽師(つまり「流し」)です。



更に左にカメラを振ります。左側、旗の立っているところが市庁舎。
時計の付いている塔の下をくぐって進みます。





サン・ソーヴール大聖堂
5世紀から17世紀までの様々な建築様式が見られる有名な大聖堂です。残念ながら、
ここも時間がなく入場できませんでした。
ここが旧市街のおよそ北の端で、元の道を集合場所に引き返しました。



セザンヌの通っていた大学です。エクスは「近代絵画の父」といわれるポール・セザンヌの
生まれた町で、彼のアトリエはじめ様々な所縁の場所が残っています。



ドゴール将軍広場に帰りました。その近くにあったセザンヌさんと一緒に…。

<次回はゴッホゆかりの町、アルルへ参ります>